■コンパクトなボディながら高級車を目指したクルマを振り返る
高級車のイメージというと、大きなボディに大排気量かつ高性能なエンジンを搭載し、充実した装備の豪華な内装のクルマではないでしょうか。
さすがにエンジンがデカすぎでしょ!? 大排気量コンパクトカー5選
実際に高級車の多くは大型のセダンやクーペが主流で、近年はSUVにも数多くの高級車が存在します。
一方で、比較的コンパクトなサイズで、高級感を演出したようなモデルも存在。そこで、高級車をイメージさせるコンパクトモデルを、3車種ピックアップして紹介します。
●ホンダ「コンチェルト」
ホンダは1980年代に英国のローバーグループと提携して、お互いの国で販売するクルマの共同開発をおこなっていました。
そのなかの1台が、1988年に発売されたホンダ「コンチェルト」です。
ボディは「シビック」クラスの4ドアセダンと5ドアハッチバックで、ずばり小さな高級車をコンセプトとしていました。
外観は6ライトウインドウが特徴的なヨーロピアンスタイルで、小さな「レジェンド」をイメージさせるフロントフェイスを採用。
搭載されたエンジンは、1.5リッターと1.6リッターの直列4気筒で、4ドアセダンには従来のスタンバイ式4WDだけでなく、前後輪と後輪左右のタイヤへ独立して駆動力配分をおこなう、新世代の4WDシステム「INTRAC(イントラック)」を採用するなど、先進的な機能も盛り込まれました。
また、高剛性モノコックボディや、外装のフラッシュサーフェス化により、走行時におけるロードノイズや風切り音が抑えられており、快適な乗り心地を実現。
内装では本革シートが設定され、上級グレードにはクラス初のパワーシートを装備し、フルオートエアコンも選択可能でした。
コンチェルトはヨーロッパの伝統とホンダの技術を融合した、プレミアムコンパクトの先駆け的存在でしたが、販売的には成功したとはいえず、1992年に後継車の「ドマーニ」が登場したことで、コンチェルトの名前は一代限りで消えてしまいました。
●ダイハツ「ミラジーノ」
かつて、ダイハツの軽自動車の主力車種といえば「ミラ」で、初代は1980年に発売された軽ボンネットバンの「ミラクオーレ」です。
その後ミラは代を重ね、1997年に4代目をベースにしたクラシカルなイメージの「ミラ・クラシック」を発売し、1999年には5代目ミラの派生車として「ミラジーノ」が登場。
かつての名車「コンパーノ」をモチーフにしたといわれる丸型ヘッドライトのフロントフェイスや、メッキバンパーなど、外観はクラシカルな演出が図られています。
2004年には、ミラとボディを共用しないオリジナルデザインとなった2代目ミラジーノが登場。シャシは6代目ミラと共通でしたが、フロントウインドウの角度を立ててリアピラーの傾斜をなだらかにしたことで、よりクラシカルな雰囲気となりました。
そして、2005年に高級車をイメージさせる「プレミアムX」グレードを新設。
プレミアムXは内装に本革とスエード調フルファブリックを組み合わせたシート、ウッド調インパネとシフトノブ、MOMO製ウッドステアリング、文字をメッキで加飾したクラシカルなメーターなどを装備し、かなり本格的なつくりでした。
実際には軽自動車で高級車はありえませんが、シックな内装は軽自動車のイメージを超えていたといえます。
■英国を代表する高級スポーツカーメーカーがコンパクトカーを販売!?
●アストンマーティン「シグネット」
高級スポーツカーメーカーとして長い歴史のある英国のアストンマーティンは、現在、高級かつ高額な大型2ドアクーペを主力商品として販売しています。
一方で、かつては1.3リッター直列4気筒エンジンを搭載する3ドアハッチバックを販売しており、それが2011年に登場した「シグネット」です。
シグネットはトヨタ「iQ」をベースにしたモデルで、iQの完成車をトヨタから購入して分解し、専用設計のボディパーツや内装パーツが手作業で組み替えられていました。
外観のフォルムはiQと大きな違いはありませんが、アストンマーティン伝統のフロントグリルやボンネットのエアインテーク、フロントフェンダーのエアアウトレットなどで、アストンマーティンらしさを表現。
内装もシートやトリムに本革をふんだんに使用し、アストンマーティンの誇るクラフトマンシップによって豪華に仕上げられています。
エンジンやサスペンションなどはiQそのものでしたが、各部に遮音材の追加や、エンジンとトランスミッションのマウントを変更することで静粛性を向上させていました。
なお、シグネットは日本にも正規輸入され、価格は475万円(消費税8%込)からと、じつにiQの3倍近い値段でしたが、現在は希少性から中古車が新車価格を上まわるプレミア価格となっています。
※ ※ ※
ホンダが誇るスーパーカーである2代目「NSX」は、超高性能ながらも優れた乗り心地やドライバーを柔らかく包み込むシートなど、まるで少し前の高級セダンのような印象です。
初代NSXも普段使いができることをアピールした新時代のスーパーカーでしたが、高性能さと引き換えに乗り心地など多少は犠牲になっていた部分もありました。
現代のスーパーカーはただ速いというだけではなく、高級車としての基本的な部分も押さえていなければ、世界のライバルとは戦えないということでしょう。
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みんなのコメント
IQのレクサス版?
アストンディーラーない所はレクサスディーラーで診て貰えたんだよね
EFのシビックベースのセダンだったので低く座るポジションでダッシュボードも低いデザインで、この当時はガラスエリアも広かったのでキャビンは明るかったです。
4WDも生活4駆としては充分な性能でした。