今月初め、F1はスペインGPの開催地を、2026年から同国首都のマドリードに移すことを発表した。しかし現在のスペインGP開催地であるカタルニア・サーキットは、5000万ユーロ(約79億3000万円)をかけた施設の改修がまもなく完了する予定であり、F1開催継続に自信を見せた。
スペインGPの新たな開催地となるマドリードのコースは、複合施設IFEMAを中心とした常設区間と公道区間を繋ぐハイブリッド型のサーキットとなる。同地での契約は2026年からだが、現在のスペインGP開催地であるカタルニア・サーキットも2026年までの開催契約を有しているため、同年はスペイン国内で2レースが開催されることになるとみられる。スペインで2レースを開催するのは、バレンシアGPが開催されていた2012年以来のこととなる。
■F1にはストリートサーキット多すぎる? スペインGPのマドリード移転に対する懸念は”妥当”なのか
F1のCEOであるステファノ・ドメニカリは、スペインGPの開催地がマドリードに移るものの、これがカタルニア・サーキットでのF1開催の終焉を意味するものではないと強調した。しかし、現在のF1は開催を希望する地が世界中にあるため、両立はかなり難しいというのも間違いないところだ。
にもかかわらずカタルニア・サーキットのレース主催者は、F1開催継続について強気な姿勢を貫いている。5000万ユーロをかけた改修作業がまもなく完了する予定で、このことにより同地でのF1開催を継続できると考えている。
カタルニア・サーキットは、これまで設備の老朽化が批判の対象となってきた。2022年には大勢の観客が来場したことで混乱。売店やトイレは大行列となり、周辺ではひどい渋滞が発生した。公共交通機関もパンク状態だった。
これについてGPのプロモーターは謝罪。F1はこのアクセスの問題を改善するよう要求した。
motorsport.comも出席した非公式の記者会見でサーキットとカタルニア州政府の関係者らは、サーキットの大規模改修によって問題の一部が軽減されるはずで、このことがF1開催継続に向けた後押しになると主張した。
この改修プロジェクトは2年以上前に開始されており、今年6月に予定されているスペインGP前に完了する予定。ピットの施設が改修され、パドッククラブを収容するための新しい屋根付きピットビルディングテラスも建設されている。また新しいコントロールタワーも建設。パドックとスタジアムセクションを繋ぐ、バックストレートを横断するための新しい歩道も完成する予定だ。
なおスペインGPがマドリードに移ることは決まったため、カタルニア・サーキットでのF1が継続したとしても、グランプリの名称は変更されることなる。その場合はバルセロナGPもしくはカタルニアGP、あるいはヨーロッパGPになるものとみられる。
2027年以降に向けては、F1誘致に名乗りを上げている地が多く、開催継続に向けてカタルニア・サーキットは、熾烈な競争に直面することになる。
最近では、メルセデスのスポンサーであるペトロナスが、クアラルンプールでのマレーシアGP復活に熱心だという報道もある。また大阪も、F1開催計画を立ち上げたことを正式に表明している。
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