11月15~18日に中華人民共和国マカオ特別行政区の市街地を一時的に封鎖した公道コース、1周6.120kmのギア・サーキットで開催された第65回マカオGP・FIA-F3ワールド・カップ。参加28名のうち9人が日本人ドライバーで、果たして彼らがどれだけの成績を残せるのかが注目された。
全日本F3勢では今季王者の坪井翔と宮田莉朋はトムス、阪口晴南と大湯都史樹は戸田レーシング、笹原右京はスリーボンド、DRAGONはB-Max、実質的にはすでにF3卒業生の関口雄飛もB-Max。全日本F3勢ながら片山義章は欧州にシートを求めてカーリン、欧州F3の佐藤万璃音はそのままモトパークからとそれぞれ参戦した。
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最終結果はともかく週末を通して眺めた限り、モトパークの佐藤とモトパークの技術を導入したB-Maxの関口やアレックス・パロウ以外は、残念ながら欧州勢と対等に渡り合えたとは言えなかった。見方を変えると、欧州と日本のチームの技術格差がさらにはっきりしたと言える。
日本人ドライバーの力量を疑問視する声もあるが、少なくとも全日本F3の上位数名が欧州でそれなりに走り込めば、能力は発揮できるはずだ。今回のマカオGPで証明されたとおり、今季の欧州F3では4位が最高位に終わった佐藤でも、マカオGPではプレマの王者ミック・シューマッハーに先んじて見せた。
欧州勢と日本勢の格差はダラーラ製の車体に関する熟成度の違いだ。欧州勢は車両技術規則の解釈で明確に禁止されていない灰色領域でも徹底的に突き詰め、FIA指導の下、車両の性能向上に努める。一方、FIAのそうした解釈を知らない日本勢は、JAFの解釈で灰色領域に関しては多くがNGとされる。
実例を挙げよう。スリーボンドが欧州F3に参戦していたTスポーツの車両を購入して日本で走らせた際、全日本F3の車両検査では複数個所が違法とされた。しかしFIAでは合法の車両だ。具体的には排気管や空力に及ぶ部品がJAFから違法と指摘され、触媒の抵抗を極力減らした排気管は交換を余儀なくされた。
全日本F3は一応FIA-F3規格に則ってはいるものの、最新のFIA基準からはかけはなれたものであり、このあたりはJAFや日本のF3協会の力量が試される。マカオGPが全日本F3にとっても晴れ舞台と言うのならば、欧州基準やFIA基準にしっかりと合わせるべきだろう。全日本F3勢はそもそも、欧州F3勢と同じ舞台には立てていないのである。
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