ポルシェが誇るスポーツSUV“マカン”。思えばデビューから3年以上が経過している。それだけに今こそ、その熟成度を試すべきだと思うのは、ポルシェファンなら分かるはずだ。昨今、数多く溢れるスポーツSUVの中、本物の資質とは何かを探る意味でも再考したい。REPORT◎野口 優(Masaru Noguchi)PHOTO◎小林邦寿(Kunihisa Kobayashi)
最も輝いていた1台!新型プジョー508がカッコいい![ジュネーブ・モーターショー2018]
今や定番とも言えるSUV。そのほとんどのモデルがスポーツSUVと“決め台詞”のように謳われているが、本当の意味で“スポーツ”なのか疑問が残るSUVは少なくない。その点、スポーツカーメーカーが造るSUVとなれば説得力が増すのだが、これも最近では微妙になりつつあって、多くのメーカーが本格的なスポーツカーをラインナップするようになってしまったから、何が本当のスポーツなのか、よく分からなくなってしまっている。
しかし、ポルシェは違う。生粋のスポーツカーメーカーというプライドがあるだけに、例えSUVであっても手を抜いたりはしない。それを再考する意味でも、今回「カマンS」を連れ出し、敢えてウインターテストを決行した。その理由は、熟成度を確かめるため。かねてからポルシェは、年を追うごとに“しれっと”細部に手を入れてくることで知られるメーカーだ。この末っ子SUVでもそうした傾向が見られるのか、実感として得たかったのである。
久々に乗るマカンSは、乗り出し早々から好印象だ。優れた電動パワーステアリングのおかげで、街中でも取り回しが良く、比較的コンパクトなボディと相まって狭い路地でも楽に走ることができる。日常の足として使うにも十分で、ノーマルモードであれば快適そのもの。不快感など一切見られない。
だが、これがスポーツモードを選択すると“ポルシェ”が顔を出し始める。そう思い始めたのが、東北を目指すために高速道路に乗った時からだ。3リッターV6エンジンから発せられるエキゾーストノートは迫力が増し、エンジンレスポンスも俊敏になり、如何にもポルシェという実感が得られるようになる。
無論こうした演出は、他車でも見られるのだが、決定的にポルシェが違うと思わせるのは、さらにその先にあるトラクション性能。アクセルを深く踏みつけると確実に応えてくれるそのフィーリングは、紛れもなく911などのリアルスポーツカーから受け継がれるDNA。それを感じずにはいられなかった。
しかも、それを決定づけたのは、目的地に到着し、とあるクローズドコースで全開走行を試した時だった。スポーツモードのまま、ESCを切って攻め始めると、以前にも増してコントローラブルに感じる。PTM(ポルシェ・トラクション・マネージメントシステム)による制御は見事で、前後トルク配分を状況に応じて変化させるうえ、電動パワーステアリングも舵角を最適化するとあって、完全に乗り手が何をしたいのかを読みとって完全制御しているのが明らかとなった。
だから、こうして大きくスライドさせても狙った方向に素直に向いていく。しかもアクセルコントロールに対する応え方も完璧だ。足まわりの動きも良いから派手なアクションを試してみても確実にドライバーの意図通りに進んでいく。さすがはポルシェ!と思わず叫びたくなったくらいである。
そう思わせる要因のひとつは、タイヤサイズが前後異径ということもあるのだろう。ここにスポーツSUVとしてのポルシェらしい解釈が見られるのも確かで、リヤ側で確実にトラクションを稼ぎ、フロントはターンインの優位性を狙っている。それでいて高い直進安定性まで維持しているのだから恐れ入る。ましてやボディ剛性は相変わらず強靭。事実上の兄弟車からスポット補強しているだけあり、全開で攻めていてもビクともしない。にも関わらず、快適性は失っていないと思うと、もはや脅威としかいいようがない。
デビューから3年以上が経過した今、あらためてこのマカンSと向き合って思ったのは、恐るべきポルシェの思想。つまり、如何なる状況、如何なる車両においても、ポルシェの理念を貫いていることだ。そして、スポーツカーメーカーだからこそ完全制御できるという自信もそれに加わる。最初に乗った時よりも確実に今回のほうが良く思えたのは紛れもない事実である。
《GENROQ 2018年3月号より転用》
【SPECIFICATIONS】
ポルシェ マカンS
■ボディサイズ:全長4699×全幅1923×全高1624mm ホイールベース:2810mm ■車両重量:1865kg ■エンジン:V型6気筒DOHCツインターボ 総排気量:2997cc 圧縮比:9.8 最高出力:250kW(340ps)/5500~6500rpm 最大トルク:460Nm(46.9kgm)/1450~5000rpm ■トランスミッション:7速DCT ■駆動方式:AWD ■サスペンション形式:前5アームウイッシュボーン 後トラベゾイダルウイッシュボーン ■ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク ■タイヤサイズ(リム幅):前235/60R18(8J)後255/55R18(9J)■パフォーマンス 最高速度:254km/h 0→100km/h加速:5.4秒 ■環境性能(EUモード) CO2排出量:212~207g/km 燃料消費率:9.0~8.8★/km ■車両本体価格:841万円(税込)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?