1980年代、「クロカン」ブームを支えた4WDが、各自動車メーカーから続々と発売された。この連載企画では、今でいうSUVとは、ひと味もふた味も異なる「泥臭さやワイルドさ」を前面に押し出したクロカン4WDを紹介する。第20弾は「初代パジェロ」だ。
レジャーユースを強く意識したコンセプトモデルを次々に発表
トヨタ ランドクルーザーがまだ40系だった時代、エアコンやパワーステアリングなどの斬新な機能を備えた三菱自動車「パジェロ」のデビューは、オフロード4WDの歴史に一石を投じることになった。
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三菱自動車は、国産本格4WDの最高峰として「ジープ」を所有していたが、米国ウイリスとのライセンス契約により輸出することができなかった。すでにオフロード界の二大巨頭として君臨していたランドクルーザーや日産パトロールなどは、レジャーカーとしての使い勝手も重視していた。
その流れに乗るべく三菱自動車も、独自の新ジャンル開発を進めていた。そして1977年の東京モーターショーで、ジープJ52をベースにレジャーユースを意識したコンセプトカー「パジェロ1」を出展した。
そして2年後の東京モーターショーでは、パジェロ1とはまったく違なる近代的なスタイルの「パジェロ2」を発表。ピックアップトラックのフォルテ4WDのシャシに角目2灯のFRP製オープンボディを架装したデザインスタディモデルだ。
さらに81年の東京モーターショーでは、2.3Lディーゼルターボを搭載したパジェロを発表し、翌82年に販売を開始した。また前回の東京モーターショーで展示された「パジェロ2」は、リデザインされ「メタルトップ」、そして「キャンパストップ」としてラインナップされた。
先にも紹介したが、初代パジェロのベースはジープではなく、ピックアップトラックの「フォルテ4WD」を採用し、このラダーフレームに前ダブルウイッュボーン+トーションバー、後リーフリジッドを備えた。そのオフロード性能は、パリダカの実績などで周知のとおりだ。さらにハンドリングや安定性などシティユースでも優れたポテンシャルを発揮した。
オフロード4WDとして初めてワゴンを設定した初代パジェロ
発売当時のボディタイプは、2ドアのクローズドボディの「メタルトップ」と、幌をまとった「キャンバストップ」の2種のみだった。翌83年には、メタルトップにオフロード4WDとしては初のワゴンを設定。さらに5ドアのロングボディに「エステート」も追加した。
エステートはサードシートを備えた7人乗りで、フルフラットシートにもできることで注目を集めた。86年には、のちの主力となるロングボディにルーフを高めた「ミッドルーフ」をラインナップした。
当初の搭載エンジンは、2346cc直4ディーゼルターボ(4D55型・最高出力95ps/最大トルク18.5kgm)と同型エンジンの自然吸気(最高出力75ps/最大トルク17.8kgm)、そして1997cc直4のガソリンエンジンG63B型(最高出力110ps/最大トルク16.7kgm)の3基を設置した。翌83年、メタルトップに145psを誇るガソリンターボを搭載し「国産クロカン4WD最速」と言われるようになった。
84年6月の改良で、ワゴン全車にディスクブレーキ化を実施して制動性能を高めてた。85年にはディーゼルターボ車に4速ATを追加。さらに88年には、2476cc直4インタークーラー付ディーゼルターボ(4D56型・最高出力94ps/最大トルク23.0kgm)と2972cc V6(6G72型・最高出力150ps/最大トルク23.5kgm)ガソリンエンジンを搭載した。当時のオフロード4WDといえばトルクフルでローコストのディーゼル車が人気だったが、パジェロは先見の目でガソリン車も拡充させていった。
3ナンバーのワイドボディを設定し、さらに人気が増した
そして1988年のビッグマイナーチェンジで、リーフリジッドだったリアサスペンションを3リンク式コイルリジッドに変更した。さらに翌年、ミッドルーフワゴンとメタルトップワゴンに3ナンバーのワイドボディを設定し、L系の集大成を飾った。
しかし、一部のコアなクロカンファンからは、乗用車化に流されて行くパジェロの方向性を疑問視する意見も多かった。しかし、パジェロはデビュー翌年の83年から世界一過酷と言われるモータースポーツ、ダカールラリーに参戦し、完走62台中総合11位・クラス優勝を獲得。そして続く84年には総合3位・クラス優勝。1985年にはプロトタイプで参戦し、総合1-2フィニッシュを飾るなど、パジェロの強靭なタフさを知らしめてきた。
さらに「キャメルトロフィー」や「ファラオラリー」などで活躍した初代パジェロは、それぞれの参戦マシンモデルをモチーフとした特別仕様車「キャメルスペシャル(87年・限定150台)」や「ロスマンズスペシャル(88年・限定200台)」を発売し話題になった。
こうしてマルチな実力が幅広い層に認められ、国内だけでなく、世界中にパジェロブランドをアピールすることに成功した。名声とともに販売台数もどんどん増加し「国産4WDのレジェンド」へと初代パジェロは上り詰めていったのだ。
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