コンセプトカーでありながら走行可能!
「トミーカイラZZ」のEV化や、4ドア4シーターのEVスーパースポーツコンセプト「GLM G4」を手がける京都大学発のEVベンチャー・GLMと、大手化学品メーカーの旭化成は、スポーツカーの高いデザイン性とSUVの快適性を融合した次世代EVのコンセプトカー「AKXY(アクシー)」を共同開発。5月17日に正式発表した。
アクシーは、車体などに旭化成グループが開発・製造する自動車関連部材を使用しながら、内部は「トミーカイラZZ」のプラットフォームを活用して開発されている。そのため、アクシーはコンセプトカーながら実際に走行することが可能だ。
新豊洲Brilliaランニングスタジアム (東京都江東区)で開催された発表会では、内外装を確認するのみならず、その走りを確認することができた!
アクシーの名称は「Asahi Kasei × You(旭化成×お客様)=AKXY」という意味。ボディサイズは全長4685mm×全幅1813mm×全高1562mmで、225kWの出力を発生するモーターを搭載する。乗車定員は運転席1名、リヤに2名の3名だ。
アクシーには、金属の代わりに軽量化のためのエンジニアリング樹脂や、カーシート用人工皮革、さらには音声処理技術を利用した社内コミュニケーション技術など、旭化成がもつ部材やシステムなどが27品目採用されているという。これらの多くはコンセプトカーのみならず、量産車へ導入することが可能とのことだ。
最近の自動車では重要視される最先端デバイスも搭載されており、ドライバーの脈派を人間に機器を繋がずに無意識下で検出する「非接触バイタルセンシングシステム」、車内の空気環境を測定する「CO2(二酸化炭素)センサー」など、安全面で今後重要になるであろう技術が注目される。
さて、 GLMは、複数に分割されたモジュールを車両のサイズやタイプに応じて組み合わせられる構造のプラットフォームを開発。現時点では「2シータースポーツカータイプ」と「4シーターグランドツアリングタイプ」、「スモールビークルタイプ」、3種類のプラットフォームを設定している。
このプラットフォームそのものや一部分、また設計技術などノウハウを販売することで、自動車メーカー以外でも比較的容易にEVを共同開発することを可能とするビジネスモデル「プラットフォーム事業」の展開をかねてより計画していたが、今回のアクシーを機に、そのビジネスを本格化させる。
EV事業に新規参入し、自社オリジナルのEVを開発・販売したいと考えている、IT企業や電気メーカー、EVを使ったモビリティ(移動手段)を事業に組み込もうとしているサービス事業者など、国内外の企業に提供し、他社の量産車両の開発にまで踏み込んだ事業を展開していく計画なのだ。
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