ウイリアムズ・レーシングのCEO兼チーム代表ヨースト・カピートは、アレクサンダー・アルボンの2022年活動について、レッドブルは干渉する権利を持たないとして、完全にウイリアムズの管理下に置くと述べている。また、パワーユニット(PU)サプライヤーであるメルセデスのボス、トト・ウォルフは、アルボンと契約するというウイリアムズの決断を受け入れたという。
9月8日、ウイリアムズは2022年のドライバーラインアップとして、ニコラス・ラティフィの残留と、現在レッドブルのテスト&リザーブドライバーを務めるアルボンの加入を発表した。この際、レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、「彼の今後の進歩をしっかりと見守っていくつもりだ」と発言。また、スポークスパーソンは、「アレックスが2022年にウイリアムズ・レーシングのドライバーになるため、彼を解放しました。ですが、将来の選択肢を含め、彼との関係は維持しています」とコメントした。
アルボンを手放したレッドブルF1「ウイリアムズ移籍後も関係は維持」
オランダGPの週末、メルセデスのチーム代表トト・ウォルフは、アルボンのウイリアムズ・メルセデス加入の可能性について聞かれ、「アレックスがF1に戻って来るのであれば非常にうれしい。彼はF1にふさわしいドライバーだからだ。だが、(ウイリアムズに加入するには)レッドブルとの契約から離れる必要がある。我々はライバルチームと技術情報を共有したくはないからね」とコメントしていた。
アルボンとの契約発表を行った数時間後、彼のレッドブルとの今後の関係について聞かれたカピートは、こう答えた。
「私に言えることは、彼は2022年にはウイリアムズのドライバーであるということだ。どうとるかは皆さん次第だが、レッドブルに聞いてもらう方がいいかもしれない。ただ、我々のなかでは、彼はウイリアムズのドライバーだ。単純にそういうことだ」
その直後にカピートは、2022年に関してはレッドブルはアルボンを無条件で取り戻す権利は持っていないと示唆した。2022年にレッドブルかアルファタウリが自身のドライバーの代役を探さなければならなくなった場合、ホーナーかフランツ・トストからアルボンの貸し出しを依頼されたらどうするか、という質問がなされた時、カピートは「彼はウイリアムズのドライバーだ。彼が何をして、何をしないかについては、我々が決める」と答えた。
ウォルフはレッドブルと関わりのあるドライバーをメルセデスエンジンで走らせることについて懸念を抱いていたほか、メルセデスのフォーミュラEドライバー、ニック・デ・フリースのためにウイリアムズのシートを得ることを望んでいた。
カピートは、ウォルフは、最終的にはウイリアムズがアルボンを選んだことを理解してくれたと述べている。
「トトとの付き合いは長い。私がフォルクスワーゲンにいたころからの付き合いだ。我々は互いに尊敬し合っているし、彼は我々が何を必要としているのかを承知している」
「ニックはトトがフォーミュラEで起用しているドライバーだ。トトはあと1年彼をフォーミュラEで走らせることに問題はないだろう」
「ニックはF1シートにふさわしいドライバーだと思う。それは間違いない。だが、我々にとっては、若さと経験のバランスをうまくとる必要がある。そういう意味でアレックスはニックより有利だ。来年F1で走った場合、ニックの方が劣っているという意味では全くない」
「トトは最終的には理解してくれている。我々はメルセデスのBチーム、あるいはサテライトチームではない。我々は自分たちにとって正しい決断をする必要がある。トトはそれを完全に尊重してくれた。アレックスの持つ能力を知っているし、アレックスがF1ドライバーにふさわしいという意見も持っている。そのため、彼は我々の決断を支持してくれた」
アルボンとの契約年数については、カピートは明らかにはしなかった。
「契約の詳細についてはコメントしない。繰り返しになるが、私に言えるのは、彼は(2022年の)ウイリアムズドライバーだということだけだ。来年何が起きるかは予想できない。彼が我々に満足するか、我々が彼に満足するか、それは来年見ていくしかない」
「ただ、普通なら私は、ドライバーを1年だけ雇ってすぐに放出するということは考えない。契約において、そういう状況は意味がない。我々はチームを長期的に構築していきたいと考えている。今の段階でアレックスは我々にとって適切なドライバーであるとみている」
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