発売から18年が経過した三菱「デリカD:5」が、2025年も販売絶好調である。2024年は三菱登録車でトップとなる1万9886台を販売し、月平均1657台という驚異的な数字を記録。この“超熟成モデル”がなぜこれほど売れ続けるのか、その背景を解き明かす。
文/写真:ベストカーWeb編集部
18年目でも三菱「デリカD:5」が大ヒット! SUVミニバンが月販2100台超えで売れ続ける理由
【画像ギャラリー】18年目でも大人気! 三菱「デリカD:5」が売れ続ける理由を大解剖(7枚)
異例の販売ペース! 18年目でも月販2100台超え!
三菱デリカD:5の車両価格は422万2900~468万8200円。2019年のビッグマイナーチェンジでクリーンディーゼルエンジンに一本化した戦略も当たった
通常の車種は5~10年でモデルチェンジし、販売が下降線をたどる。しかし、デリカD:5は違う。
2024年は年間販売台数1万9886台、月平均1657台を販売したが、2025年は6月時点で1万3164台(1~6月合計)を販売、月平均は昨年を上回る月平均2194台という驚くべき数字をたたき出している。これは、トヨタのクラウンスポーツやヴェルファイアなどの新型モデルと肩を並べる好成績だ。
三菱の販売網規模を考慮したうえで、2024年の数字を見てみると、トヨタ換算で月平均1万4000台に相当する勢いである。この販売実績は“古さ”どころか“熟成の強み”を示しており、長寿モデルとしては異例中の異例と言える。
さらに、中古車市場でも需要が高く、リセールバリューも高止まりしている。新車が売れ、中古も値崩れしない――市場全体が好調さを裏付けている。
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他にない価値が支持を生み続ける
2.2Lディーゼルターボエンジンは、オフロード走行だけで光るものではなく、フル乗車&フル積載の状態でも余裕の走りを提供してくれる武器となっている
好調の理由は、デリカD:5が持つ唯一無二のキャラクターにある。最大8名乗車のミニバンでありながら本格SUVとしての悪路走破性を備え、さらに2.2Lディーゼルターボによる力強さと燃費のよさが両立している。
・最低地上高185mm+全車4WDで雪道・悪路も安心
・2.2Lディーゼルターボ(145ps/38.7kgm)による余裕の走行性能
・WLTC燃費12.6km/L+軽油優位で経済性も高い
ライバル不在の「ミニバン×SUV×ディーゼル」という独自性が、アウトドア派やファミリー層の強い支持を集めている。販売が長く続くなかでも、新規顧客が絶えず流入しているのは、この独自価値が刺さっているからだ。
リセールバリューのよさもデリカD:5の魅力
7~8名乗車が可能なデリカD:5。残存価値も高く、子どもが小さい時だけでなく大きくなってからでも対応できる懐の深さから、乗り継ぐユーザーも多い
販売店によると、「デリカD:5は個性の強いミニバンで、中古車市場でも人気が高い。数年間使った後でも高値で売却できる。そのためにデリカD:5を何台も乗り継ぐお客様も多い」という。
ベストカーで渡辺陽一郎氏(カーライフジャーナリスト)が、デリカD:5の残価設定ローンの3年後の残価(残存価値)を算出したところ、新車価格の55%、5年後でも43%に達すると出た。ライバルと比較しても、この数字はかなり高く、この売却時における好条件もデリカD:5の好調を支える要因のひとつになっていると考えられる。
熟成の積み重ねで“今が買い”のモデルに
18年の間に改良を重ね、特に2019年のビッグマイナーチェンジで性能とデザインを大幅刷新したことで、現行モデルは実質的に“熟成された新型車”といえる完成度を誇る。三菱最新の先進安全装備も全車に標準装備するなど、古さを感じさせない内容を維持している。
ユーザーからは「信頼できる熟成感」と「どこへでも行ける安心感」が高評価を得ている。快適性や装備面で次期モデルへの期待はあるものの、現行モデルのコストパフォーマンスは依然として高い。
ベストカーでもお届けしている次期デリカD:5は、電動化への対応もあり三菱得意のPHEVシステム搭載が有力視される。ディーゼルターボエンジンを搭載した現行モデルは、“今買うべき”熟成車と言えるだろう。
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