北米のクルマ、といえばやはり「ピックアップトラック」だろう。いま世界的にSUVがブームとなっているが、北米ではもともとピックアップトラックを中心に、SUVの需要が高い。
日本でも最近、「武骨ルック」が流行の兆しを見せているが、北米で販売されているSUVは、この武骨ルックのお手本ともいえるほど、ハードでカッコいい。
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北米トヨタが販売する、北米専用のフルサイズSUV「セコイア(Sequoia)」もそのひとつだ。今回は、ランクルを遥かに凌駕する巨大戦艦「セコイア」について詳しくご紹介していく。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA、写真AC
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ランクルがすっぽりと隠れるほどの巨体
セコイアは、2000年に初代モデルが発売、現行モデルは2007年の発売だ。すでに13年を経過しているクルマだが、イヤーモデルとして毎年の様にアップデートがなされており、セーフティ性能の向上や、運転支援技術の追加など、その時代に応じた新たな装備が採用されている。
ライバルは、シボレー・サーバーバンやフォード・エクスペディション、リンカーン・ナビゲーター、キャデラック・エスカレードといったSUVたちだ(写真は、セコイア2021年モデル)
ちなみに、セコイア(Sequire)とは、アメリカに生息するスギ科の巨木のこと。樹齢1000年を超える個体もあり、大きいもので高さ100メートル以上にも達するという。トヨタが、このクルマの名前に採用した気持ちがよく分かる。
世界最大級のセコイアの木 人間の大きさと比べてみてほしい(Photo/写真AC)
セコイアは、北米トヨタが製造するタンドラをベースとし、ボディサイズは5210×2029×1956(全長×全幅×全高mm)という巨漢だ。
参考に、日本のトヨタのSUVのなかで最も大きなランドクルーザーのボディサイズは、4950×1980×1870(全長×全幅×全高mm)。あの大きなランクルが、セコイアの中にすっぽりと隠れてしまうサイズ感だ。
セコイアは7人乗り、もしくは8人乗りの3列シートだ。最上級グレードの「Platinum」のみに設定される7人乗り仕様は、2列目シートがキャプテンシートになる。移動中には、乗員全員が快適に過ごせるよう、大きなシートや後席用ブルーレイプレーヤーモニタ、14個のスピーカーシステムなど、各種装備も備わっている。
パワートレインは、レクサスLX570にも搭載されている、5.7リッターV型8気筒(381ps/kgfm)と6速ATの組み合わせだ。駆動方式はフルタイム4WDと、後輪駆動の2WDとが選べる。この手のクルマでFRらしさを求めるのも酷だが、車両価格と燃費を求める方にとっては、ひとつの選択肢となっているようだ。
自重を越えるものも牽引できる
セコイアの魅力のひとつが、トーイング性能の高さだ。北米では、こうしたSUVやピックアップトラックには、小型のボートやジェットスキー、トレーラーハウスを牽引する性能が求められる。
クルマの後ろに、四角くて貫通穴が開いたトーイング用のヒッチレシーバーはもはや必須であり、牽引のポテンシャルを示すトーイングキャパシティ(単位はlb:ポンド)も重要だ。
トレーラーハウスを引っ張り旅に出る こうしたライフスタイルが根付いている北米で、フルサイズSUVやピックアップトラックの需要があるのは納得だ
セコイアのトーイングキャパシティは7000lt、つまり約3175kgの荷物まで牽引できる。ちなみにセコイアの車重は5730lb(約2600kg)なので、自重以上の荷物を牽引することも、可能なのだ。
グレード構成と燃費は?
グレード構成は、エントリーモデルの「SR-5」、装備を充実させた「LIMITED」、最上級の「Platinum」、そしてレースシーンで活躍するTRDの熱狂的なファンに向け、TRD専用スプリングやビルシュタイン製ショックを装着した「TRD SPORT」と、さらにオフロード走破性を向上させた「TRD PRO」という構成だ。
TRD専用スプリングやビルシュタイン製ショックを装着した、セコイヤTRDプロ2021年モデル
価格は、SR5の4万9980ドル(約531万円)からPlatinumの6万6020ドル(約702万円)。価格だけをみるとなかなかの高額車だが、ボディサイズを考えると、安くも感じてくる。
カタログ燃費は、市街地走行が13MPG(約5.5km/L)、高速走行は17MPG(約7.2km/L)、市街地と高速走行の複合モードで15MPG(約6.3km/L)と、とても誉められた数字ではないが、この手のクルマでは妥当なレベルだ。
日本でも人気
セコイアは北米専用車だが、逆輸入をして販売している業者もあり、日本でも購入希望者が多くいる。誰もが知っているトヨタの、ほとんどの日本人が知らない大型SUV、という希少価値がセコイアにはあるのだろう。
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