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新SUV時代に挑むトヨタ、ミツビシ、シボレーの全15チームに対し異例の“ドラフト制”で布陣が確定/SCB

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新SUV時代に挑むトヨタ、ミツビシ、シボレーの全15チームに対し異例の“ドラフト制”で布陣が確定/SCB

 先の週末に2024年最終戦『スーパー・ファイナルBRB』が開催され、ガブリエル・カサグランデ(A.マティス・フォーゲル/シボレー・クルーズ)が連覇を決めたSCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”は、その数時間後のアウトドローモ・インテルナシオナル・ホセ・カルロス・パーチェにて、シリーズの未来を見据えた「歴史上、前例のない取り組み」を実施。新型SUVストックカーの『シボレー・トラッカー』に『トヨタ・カローラクロス』、そして『ミツビシ・エクリプスクロス』の3車種が登場する新時代に向け“ドラフト制”のプロセスを推進し、この3メーカーを使用する全15チームを選抜する異例のスタートが切られた。

 サンパウロのインテルラゴスで幕を閉じた2024年シーズンだが、その直後の同地では北米のNBA(米ナショナル・バスケットボール・アソシエーション)やNFL(同ナショナル・フットボール・リーグ)など、有名スポーツリーグに触発された“ストックカー・ドラフト”が開催され、来季2025年から競合する自動車メーカー3社の代表が集結した。

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 このカテゴリーが誕生した1979年以来、ストックカーの歴史をともに刻み、事実上のヒストリー全体に存在するシボレーがドラフト指名の優先権を持って望み、続いてトヨタ陣営のTOYOTA GAZOO Racingブラジル、そして来季グリッドに復帰するミツビシが続いた。

 一方、初のドラフトに挑んだ参戦チーム側は、ルーベンスとドゥドゥのバリチェロ親子も所属する強豪フルタイム・スポーツとカバレイロ・スポーツの新規連合サテライトチームに加え、スクーデリア・バンデイラスや、既存チームとのジョイントで参戦するカー・レーシングKTFなど、新しい顔ぶれを含む全15チームが揃った。

 この厳正なるドラフト会議の結果、新たに『シボレー・トラッカー』を走らせるのは、2024年に自身SCB参戦以来過去最高のシーズンを過ごしたフェリペ・マッサ擁するTMGレーシングを筆頭に、王者カサグランデ所属のA.マティス・フォーゲル、さらにカバレイロ・スポーツ、スクーデリア・キアレリ、スクーデリア・バンデイラスの計5チームに決定した。

 同じくTOYOTA GAZOO Racingブラジルの『トヨタ・カローラクロス』は、2024年にフェリペ・バプティスタとエンツォ・エリアスの新進気鋭若手ペアで躍進したクラウン・レーシングが陣営内に残留し、同じく歴代2位の勝利数記録を達成したチアゴ・カミーロ擁するイピランガ・レーシングと、フルタイム・スポーツも引き続きトヨタ製モデルを使用。そのサテライトたるフルタイム・カバレイロと、新規参入カー・レーシングKTFの布陣となった。

 そして注目の『ミツビシ・エクリプスクロス』を使用する5チームは、今季もトヨタ・カローラでタイトル候補として争ったリカルド・ゾンタ所属のRCMモータースポーツを筆頭に、シリーズ3連覇経験者ダニエル・セラ率いるトップチームのユーロファーマRCが電撃的スイッチを成し、惜しくも史上最年少王者フェリペ・フラーガの離脱が発表されているブラウ・モータースポーツや、KTFスポーツ、そしてニューフェイスのウォッキン・ガラ・レーシングの顔ぶれとなっている。

■帝王カカ・ブエノが“キャリアの新たな一歩”を踏み出すことを表明
 この結果を受け、シリーズに君臨してきた現役最多5冠のチャンピオン記録を持つ“帝王”カカ・ブエノ(KTFスポーツ/シボレー・クルーズ)は、キャリアの新たな一歩を踏み出すことを表明。来季はKTFスポーツを離れ、新たにスクーデリア・キアレリが走らせる2台の『シボレー・トラッカー』のオーナーとして、シリーズに関与することになった。

「私自身はストックカーに残るが、KTFを離れることになる。チーム全員に感謝している。私が特別な旅に出るのは、ワークショップを立ち上げていないとしても、そのいずれかに参加することになるからだ。つまり、私はキアレリの組織の一部になって空席のひとつに座り、マーケティング、商業、コミュニケーション分野に注力する一方、チームは技術面とスポーツ面を担当する」と語った帝王。

「もうすぐやって来る2025年を楽しみにしている。例年より少し遅れてシーズンが始まる予定だが、私たちは新しいクルマを作るために集中的な作業をするつもりだ」

 そのSCBでシリーズプロモーターを担うVicar(バイカー)のコントローラーであるリンカーン・オリベイラも、カカ・ブエノのこのカテゴリーへの取り組みを称賛する言葉を残した。

「カカはストックカーレースの歴史の中でもっとも重要な名前のひとつだ。そして、彼のようなキャラクターがこのカテゴリーの未来と一致しているのを見るのは特別なことだ。カカはドライバーであるだけでなく、ストックカーでの優れた起業家でもあるんだ。それが我々のグリッド上にあるという事実は、ストックカーの将来に非常に関連している。彼の成功を祈っている」

 同じくブラジルのカート界でもっとも成功を収めたチームのひとつであるカー・レーシング・スターリングは、先のとおりKTFとのジョイントでブラジル最高峰カテゴリーへの挑戦を決めたのと同時に、その『トヨタ・カローラクロス』を託す最初のドライバーにTCR規定ツーリングカーでも活躍を演じるラファエル・レイスを起用するとアナウンスした。

「カー・レーシング・スターリング・イン・ストックカーの登場により、モータースポーツで新たな一歩を踏み出すことができてうれしく思っている。私たちはこの瞬間に到達するために何年もかけてチームを編成したが、すべてがうまくいったのが非常に喜ばしい。ドライバーのひとりとしてレイスを迎え、来年可能な限り最高のデビューができるよう努力するつもりだ」と、チーム責任者のレアンドロ・レイス。

 同じく前出のバイカー所属オリベイラも、この新チームの到着を歓迎する。

「我々としても、カー・レーシングがストックカーに参入したことに非常に満足しており、2025年以降の新しいプロジェクトに対する新規チームの信頼を強化できた証だ。モータースポーツに軸足と拠点を置く数十のチームの総合的な能力と水準を直接知っているし、彼らはカートと500マイル耐久ではサンパウロとブラジルのタイトルを獲得しており、今年のツーリスモ・ナシオナルではデビューイヤーですでに勝利を収めている。このSCB挑戦は、彼らの新たな成功の旅の始まりになると確信している」

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