太陽を追い駆けろ! パンアメリカで列島横断往復1000km:SSTR(サンライズサンセットツーリングラリー)2021〈前編〉
2021年のSSTR(サンライズサンセットツーリングラリー)に『ウィズハーレー』の青木編集長が参加した件は既報のとおりだ。東京湾から石川県千里浜まで、列島横断1000kmのロングライドを悠然とこなしたわけだが、本記事ではそれを支えたタイヤに注目。青木編集長のハーレーダビッドソン パンアメリカ1250スペシャルと、同行した『BMW BIKES』櫻井編集長のBMW R1250GS、ともにタイヤサイズはフロント120/70R19/リヤ170/60R17でまったく同じで、両車ともにミシュランタイヤを装着。アドベンチャー向けながらも性格の違う2種を紹介する。
●文:青木タカオ ●写真:関野 温、宮下豊史 ●外部リンク:日本ミシュランタイヤ ハーレーダビッドソンジャパン BMWジャパン SSTR運営委員会 BMWBIKES編集部
パンアメリカ装着「スコーチャーアドベンチャー」:アドベンチャーモデルに求められるオールマイティな性能
アドベンチャーモデルの魅力は、幅広い使い勝手。高速クルージングが快適で、ワインディングも苦にしない。大きな荷物が積載でき、タンデムでも操作性へ及ぼす影響が少ない。さらに未舗装路も走れるなど、道を選ばないタフなオールラウンダーであることが求められる。
しかし高速道路/峠道/オフロードといったまったく違うシチュエーションでは、当然ながらタイヤに求められる性能が異なってくる。高速では直進安定性/静粛性、ワインディングでは旋回性、ダートではブロックパターンの配置や溝の深さなどで走破性に差が出る。ウェット路面でのグリップも気になるところだ。
ミシュランはハーレーダビットソンと共同開発することによって、パンアメリカの持つオンロード/オフロードを問わない軽快かつパワフルな走りと、高速走行でも安定したステアリングフィールを可能とするため、タイヤの基本構造から見直し最適化を図った。それが新車装着用タイヤとして採用される「スコーチャーアドベンチャー」だ。
市街地での低速走行でもゴツゴツ感がなく、オンロードタイヤと比較しても遜色のないスムーズさ/転がりの良さを感じる。停止寸前の極低速時でも車体がグラグラせず、非常に安定していることも報告しておきたい。足の長いアドベンチャーモデルでは、発進や停止前後の挙動が安定していることが安心感を生み、ありがたいとしか言いようがない。
高速道路でもロードノイズや振動がなく、車体は落ち着き、直進安定性の高さが際立つ。道路のつなぎ目など段差で衝撃をくらっても、サスペンションとともにタイヤがしなやかに吸収してくれる。
列島横断の旅では山岳路を避けることはできないが、ワインディングもロードタイヤ並みのグリップ力と安心感があり、アグレッシブに駆け抜けることができた。
ダートについては、千里浜なぎさドライブウェイの他、復路で引き締まった砂利の林道も走行したが、ゆっくりと流すなら十分なグリップ性能を発揮。トラクションコントロールも介入するから、唐突に動いたときの滑り出しさえ気をつけていれば、不安はほぼ皆無と言っていい。オールマイティな設定で、どんなステージでも不満なし。さすがはメーカー純正採用の標準タイヤと唸るばかりだ。
―― 【MICHELIN SCORCHER ADVENTURE】オン/オフ性能を両立しつつも耐久性は犠牲にせず、ウェット性能や安全性を向上。さまざまな路面に適合したトレッドパターンを採用し、フロントは優れたハンドリング性能を、リアは優れたトラクションとスタビリティを実現している。
R1250GS装着「アナキーワイルド」:卓越したダート性能が際立つ
R1250GSのほうには、『BMW BIKES』誌・櫻井編集長の好みでオフロードファンから高く評価される「アナキーワイルド」を選択した。ブロックタイヤ然としたトレッドパターンを見てわかる通り、際立つのは卓越したダート性能。路面をしっかり捉え、アクセルをより積極的に開けていける。電子制御をオフにし、アクセルを大きく開ければ後輪が横へ流れ出すが、過渡特性に優れコントロールしやすい。オフロードをガチで走りたいという人も言うことなしだ。
それでいて、舗装路でも腰砕け感がなく、旋回時のスタビリティもしっかり確保されている。ブロックの間にブリッジを配置することで剛性を高め、さまざまな路面に適合したトレッドパターンを採用。マルチパーパスタイヤとして、妥協なきオンロード性能を両立した。
―― 【MICHELIN ANAKEE WILD】
トータルパフォーマンスに優れたミシュランタイヤは、選択肢がよりどりみどり。来年のSSTRはどれを履いていこうか、もう迷ってしまう。自分の好みや用途にベストマッチするタイヤで、アドベンチャーツーリングがますます面白くなる!
※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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