「BMW S 1000 RR」のDTC(ダイナミック・トラクション・コントロール)は秀逸です。ハンドル角や速度やタイヤのスリップ状態など、さまざまな情報からマシンの走行状態を把握し、同時にアクセル開度やブレーキング圧力などからライダーの意志に忠実にコンピューターが演算、減速時にはブレーキングドリフトをコントールするというのです。タイヤのスリップを抑えて安定させるのではなく、絶妙なスライド状態をキープさせると言うのだから、これはもう競技の世界です。
加速時も同様に、ドリフトしながらのコーナー脱出を可能にしてくれるというのだから素晴らしいですね。ただコケなければいいのではなく、motoGPライダーが演じるような、極限の走りをコンピューターが可能にしてくれるのです。そこまで攻めることのできるライダーがどれほどいるのかは別として……。
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じつは、僕(筆者:木下隆之)がニュルブルクリンク(ドイツ)で走らせているレーシングカーも同様に、電子制御に依存しています。2023年はスープラGT4で戦っていますが、ブレーキ制御のABSも加速制御のトラクションコントロールも装備しています。しかも、それぞれの制御の強弱やタイミングを約10パターンで好みに合わせて選択できるのです。
「えっ、レースなのにコンピューターまかせなの?」
「軟弱ですね」
「腕の差がつかないのでは?」
驚かれる方も多いでしょう。そう感じられたのであれば、すべて正解です。
最近のレーシンクカーは、ほとんどがコンピューター制御に依存しています。ですからスピンしづらい、タイヤが白煙を撒き散らすことも稀です。
そしてもちろん、ドライバーがミスに対してきつく叱るような「お仕置きモード」ではなく、「BMW S 1000 RR」のように「速い電子制御」なのです。僕はレース中、サスペンションのセッティングやタイヤの状態などの変化に合わせて、電子制御の強弱をダイヤルでアジャストさせながら戦っています。
ドライバーのミスを救ってくれますから、確かに軟弱でもあります。ABSが組み込まれているので、繊細なブレーキコントロールは大胆になりました。ドカンと岩を踏みつけるような感覚でブレーキペダルを蹴り込みます。それでもタイヤロックはしません。
確かに腕の差も少なくなりました。すべてを電子制御が救ってくれるので、コントロール能力の甘いドライバーにとってはありがたいでしょう。
ですが、プロドライバーの名誉のために付け加えるならば、それでもテクニックの優劣は現れます。電子制御システムをいかに巧みに扱うのかもテクニックのひとつです。高度なDTCが組み込まれている「BMW S 1000 RR」であっても、誰もが300km/hでドリフト進入ができないでしょうから。
ともあれ、ライダーにとってもドライバーにとっても、歓迎されるべくシステムには違いはありません。
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みんなのコメント
個人的にはスピード感って、持って生まれたもの+子どもの内に育ったもの、だと思ってる。
誰しもレーシングスピードで走れる訳ではないのは、そういう事なんじゃないかな、と。
「何でも電子制御」を肯定はしづらいけど、出来るだけ破綻を避けたいから、って考えが根本にあると思う。
ただ、それを使えば速く走らせられる事も可能、ってだけで。
そういう領域のバイクなんだろう、と思う訳です。
俺には、そんな高級でハイパワーなバイクは無縁ですけど〜