メルセデス・ベンツ日本(MBJ)は2018年6月20日、新型「Sクラスクーペ」および新型「Sクラスカブリオレ」を発表し、全国の正規販売店ネットワークを通じて発売を開始した。
SクラスクーペはSクラスセダンと同様に「最高の自動車」を目指して開発されている。時代の最先端を行くインテリジェントドライブ(=知能を備えた革新的テクノロジー)とモダンラグジュアリーの融合をコンセプトに、安全性と快適性、効率性など自動車に求められる、あらゆる要素を高次元で究めた最高級スポーティクーペだ。一方のSクラスカブリオレはSクラスクーペをベースに開発され、2016年にW111以来44年ぶりに復活した、ラグジュアリー4シーターオープンモデルだ。
メルセデス・ベンツ 新型Sクラス試乗記 48V電動化されたS450詳細
今回は、安全性と快適性、効率性を高次元で融合するインテリジェントドライブがさらに大きく進化した、クルマが通信機能を持って利便性を飛躍的に向上させるMercedes me connect(メルセデス・ミー・コネクト)を導入、新開発のパワートレインの導入や、リヤコンビネーションランプに有機ELを採用するなど、安全性と快適性、効率性など自動車に求められるあらゆる要素を高次元で究めて、装いも新たに生まれ変わった。
■デザイン
新しいSクラスクーペとカブリオレは官能的でダイナミックなシルエットはそのままに、フロントおよびリヤのデザインを刷新。より革新的でスポーティな印象を加えた。フロントには大型のエアインテークを備えたバンパーを採用し、ワイドでスポーティな印象を強めた。またAMGラインを選択すると左右のエアインテーク部がさらにダイナミックなデザインとなり、クローム加工を施した2本のフィンが装着される。
リヤには非常に薄い有機物の層をガラスプレートに印刷した、片側33枚の有機ELパネルをリヤコンビネーションランプに初めて使用。ランプ内で浮いているような先進的なデザインになっている。また解錠・施錠時にはリヤコンビネーションランプの各ランプが流れるように点灯するカミングホームファンクション機能も備えている。この有機ELリヤコンビネーションランプは全方向に均一な発光をするほか、周囲の状況に合わせて照度を調整するなど、機能性も兼ね備えている。
インテリアは美しいカーブを描くダッシュボードからドア、シートまで流れるような一体感のあるデザインコンセプトは継承。大型のコックピットディスプレイや、タッチコントロールボタン付きのマルチファンクションステアリング、カラーがゆっくりと変化し続けるマルチカラーアニメーションを搭載したアンビエントライト(64色)などの装備により、エレガントでエクスクルーシブな室内空間とした。またグレードによっては、最大9種類のインテリアと最大7種のインテリアトリムという幅広いバリエーションから選択可能だ。
Sクラスクーペのエクステリアはロングノーズ&ショートデッキ、スリークなルーフライン、フレームレスウィンドウといった大型クーペの典型的なプロポーションに、彫刻的でシャープな輪郭と滑らかな面構成による官能的でダイナミックなデザイン要素が与えられている。またSクラスカブリオレに採用されるソフトトップは3層構造で、閉じた状態ではボディとソフトトップのカラーコンビネーションにより豊かな表情を持ち、開けた状態では、伸びやかなカブリオレのスタイルが目を引く。またヘッドライトには、片側47個のスワロフスキークリスタルを組み込んだ専用LEDハイパフォーマンスヘッドライトを採用。丸みを持つ円柱状の30個のクリスタルをウインカーに、さらに17個のカットクリスタルをポジションライトに配置し、揺らめく炎状の輝きがラグジュアリーな表情を与えている。
■インテリジェントドライブ
すでにSクラスセダンに採用され、自動運転の実現に向けてさらに大きく一歩前進したインテリジェントドライブの機能を今回、
新型Sクラスクーペとカブリオレにも採用している。これはレーダーセンサーやステレオマルチパーパスカメラ、超音波センサーによって自車の周囲を常に監視する複合的なセンサーシステムで、先行車両/横切る車両/後方車両/対向車/歩行者などを検出し状況を判断。アクセル/ブレーキ/ステアリングを自動でアシストすることで、ドライバーの負担を軽減して安全性と快適性を向上させるものだ。
先行車との車間距離を維持するアクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(自動再発進機能付き)は、自動再発進機能も新たに備え、停止後30秒以内であればドライバーがアクセルを踏まなくても自動的に発進するようになった。操作方法においてもステアリング上にスイッチを配置したことで、より直接的に操作機能ができるようになっている。次にアクティブステアリングアシストも強化され、車線が不明瞭な場合や検知できない場合でも周囲の車両やガード゙レールなどを検知して、ステアリングアシストを行なう。さらに高速道路上での車線変更をアシストするアクティブレーンチェンジングアシストにより、一定の条件下でウインカーを操作すると行き先の車線に車両がいないことをシステムが確認した上で、自動で車線を変更してくれる。
また緊急時のステアリング操作をアシストする緊急回避補助システム、衝突時の衝撃音から乗員の耳を保護するPRE-SAFEサウンドなどの新機能を採用したほか、歩行者に加えて交差点での車両飛び出しにも自動緊急ブレーキが作動するアクティブブレーキアシスト(歩行者/飛出し検知機能付き)も備わり、全方位の安全性を高い次元で実現している。
さらに快適な乗り心地を実現するサスペンションシステムのマジックボディコントロールには、コーナリング時にバイクのライダーのように車体を内側に傾ける(最大2.65°)ことで、乗員に働く横加速度を軽減し、より安定した爽快なコーナリングを実現するダイナミックカーブ機能を従来から採用している。
■テレマティクスサービス Mercedes me connect
新型のSクラスクーペとカブリオレには、自動車が通信することにより顧客の利便性を向上する先進的なテレマティクスサービスMercedes me connect(メルセデス・ミー・コネクト)を搭載している。これは24時間緊急通報サービスなどを最長10年間無償で提供する「安心安全サービス」、駐車位置検索などを3年間無償で提供する快適サービス、メルセデス・ベンツ24時間コンシェルジュサービスを1年間無償で提供する「おもてなしサービス」の3つのサービスカテゴリーから構成されている。
■エナジャイジングコンフォート
新型のSクラスクーペとカブリオレに採用される「エナジャイジングコンフォート」とは、Freshness(フレッシュネス)/Vitality(バイタリティ)/Joy(ジョイ)/Comfort(コンフォート)/Training(トレーニング)の5つのプログラムから選択することで、音楽や空調、アンビエントライトやリラクゼーション機能を統合的にコントロールすることがでるというもの。例えばTrainingを選択すると、トレーニング動画が再生され、アンビエントライトの色は最適な色に変更され、空気清浄機能が稼働するなど、トレーニング最適な環境へと変更されるのだ。
■メルセデスAMG
メルセデスAMGの各モデルには、トップパフォーマンスモデルにのみ採用されるAMGパナメリカーナグリルを採用している。このグリルはモータースポーツに由来し、クロームメッキを施した15本の垂直フィンの基本デザインは、1952年にメキシコで開催された伝説の公道レース「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ」で優勝したレーシングカー、メルセデス・ベンツ300SLで初めて採用された由緒あるものとなっている。
新しいSクラスクーペとカブリオレにも、AMGモデルは4グレードを展開。まずはパワートレインに、AMGシリンダーマネジメントを採用した4.0LのV型8気筒直噴ツインターボエンジンを搭載し、トルク可変型4輪駆動システム「AMG 4MATIC+」を装備する、パフォーマンス志向の「AMG S63 4MATIC+ クーペ」と「AMG S63 4MATIC+ カブリオレ」の2グレード。そしてV12エンジン搭載のトップパフォーマンスモデルとなる「AMG S65クーペ」と「AMG S65カブリオレ」を設定している。
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