BMW流 先進技術の活用方法
新型BMW 7シリーズを取り巻く話題の多くは、そのルックスに集中しているが、見えないところで電気駆動技術は進化を続けている。
【画像】BMWの最新フラッグシップEVセダン【新型i7をライバルEVと写真で比較】 全96枚
当初発売されるi7 xドライブ60は、既存の第5世代eドライブ・システムを搭載するが、回生ブレーキ機能などを改良して効率を高めている。
第5世代eドライブは、ローター(モーターの回転部分)の永久磁石とその材料であるレアアースを使わないドライブモーター・ジェネレーター技術をベースにしている。
高出力磁石の材料となる酸化ネオジムの価格は、2019年に2倍以上に跳ね上がった。供給の90%は単一の供給源(中国)から来ているため、その使用を避けることでEVの持続可能性を高めるとともに、将来の供給に関する懸念を払拭できる。
代替案としてBMWが選択したのは、ローターの永久磁場を電気によって生成する同期モーターだ。この場合、ブラシとスリップリングを介してローターに電気を供給しなければならない(ブラシレスではない)ため、従来は不利と考えられていた。しかし、今のところ、i7においては効果的に作用している。
四輪駆動のEVでは今や常識だが、i7はこの電気モーターを前後車軸に1基ずつ計2基搭載し、さらにiXやi4に使われているアダプティブ回生システムの最新版を採用している。これはナビの位置情報から、道路状況の変化に応じて回生ブレーキシステムを最適化するものだ。
従来のシステムでは、回生ブレーキのレベルを調整したり、クルマを惰性で走らせたりするが、i7では下り坂も考慮するほか、信号認識機能を活用してエネルギー回生の最大化を図っている。また、ナビを使用していない状態でも、システム全体が作動するようになっている。
急速充電の際は、バッテリーの冷却量を変化させ、セルの温度が下がり過ぎず上がり過ぎないように調整する。
ドライバーが使い慣れた急速充電ポイントに近づいても、充電が予定されていることをクルマが「知らない」場合、バッテリープレヒートを手動で選択し、最速充電に必要なレベルまでセルを温めることが可能だ。このようなプレヒート機能を搭載する以前は、充電開始時に冷えたバッテリーを温める必要があり、時間がかかっていた。
BMWによると、バッテリーが満充電に近づくと、充電速度を段階的ではなく直線的に低下させ、充電プロセスを加速させるという。また、駆動システムおよび車載システムと統合し、最も効率的な方法で加熱・冷却させるヒートポンプを備えている。
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