3月6日から開始されたMotoGPカタールテスト。その初日はアプリリアのアレイシ・エスパルガロがトップタイムをマークしたが、彼は新型RS-GPには多くの進化があったと感じている。
2021年シーズン、アプリリアは最高峰クラスへ参戦する6メーカーの中で唯一コンセッション(優遇措置)を受けているメーカーだ。そのため、新型コロナウイルスの影響を鑑みて開発が一部凍結されている中でも、2021年シーズンに向けた開発をより広範に行なうことができる。
■アプリリア、2021年のMotoGP参戦体制を発表。エスパルガロに加え、サヴァドーリを起用
公開された2021年型のRS-GPは空力に関しては大きな変更が施されていることが分かる。初日にトップタイムを記録したエスパルガロに2020年型と比較してどうなのかを訊いてみると、彼は次のように説明した。
「ああ、バイクに“革命”のようなモノは見えないけど、実際に乗ると極めて違っているんだ」
「特に安定性だ。バイクはより安定していて、ここで僕らは大きな一歩を踏み出した。空力面で凄く良い仕事をしてくれたよ」
「マシンは全く違うものになっていて、加速ではひとつ進歩をしたと感じられた。より多くのダウンフォースを備えたことで、バイクは去年と比べてフィジカルを要求するものになったと思う」
「安定性が増して加速が良くなったことはとても嬉しい。トップスピードでは多少失うところがあったから、バランスを探る必要があるし、バイクの強みと弱みを見つけて理解しないといけない」
「だけどこのマシンは僕のことをかなり気に入ってくれたみたいだ。つまり、僕らは素晴らしい仕事をしたってことだ。ストレートで一番遅いバイクだったのに、初日のラップタイムでは最速だったんだからね」
エスパルガロがそう語るように、アプリリアはトップスピードでライバルに後れを取っていることは事実だ。彼らは最高速でトップとなるドゥカティのジャック・ミラーからは、時速15キロも劣っている。
マシンを走らせているエスパルガロも、最新型は2020年型よりストレートスピードで劣ることを認めているが、その差は空力の面で影響を受けているからだと考えている。
「4~5年前からエアロダイナミクスによってMotoGPの新時代は少し複雑になっている」と、エスパルガロは言う。
「色んな事がより難しくなった。(最新型は)加速が今まで以上に良くなったと言うべきだけど、トップスピードでは明らかに改善が必要だ」
「(最高速は)とても低い。昨シーズンの僕らの最高速よりも低いし、ドゥカティからは時速15キロも離れている。ここには、改善の余地がある。だけどさっきも話したように、より良く曲がるのか、曲がらないのか、加速するかしないのか、最高速が伸びるのか伸びないのかをエアロダイナミクスが決めてくるんだ」
「だから今はそのバランスを見つける必要がある。初日はふたつの空力パッケージを試したんだ。まだ理解を進める必要があるけど、僕は最高速を上げたいと思っているよ」
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