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「手引き」か「足踏み」か「電子」か? 3種が混在する「パーキングブレーキ」はどれが優れているのか考えてみた

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「手引き」か「足踏み」か「電子」か? 3種が混在する「パーキングブレーキ」はどれが優れているのか考えてみた

 この記事をまとめると

■レバー式サイドブレーキと電子パーキングブレーキを比較

動いてなくても減る? パーキングブレーキのパッドやシューは交換が必要な消耗品か

■それぞれにメリット・デメリットがある

■今後は電子パーキングブレーキの普及が進むだろう

 いま電子パーキングブレーキが主流に

 クルマのパーキングブレーキは、昭和のスティック式、そしてレバー式、足踏み式を経て、今では電子パーキングブレーキが主流になってきた。とくに最新の電動車はほぼ電子パーキングブレーキを採用している。

 今でも最新の日産フェアレディZなどにも残っているレバー式サイドブレーキは、運転席と助手席の間にあり、レバーを引き上げてサイドブレーキをかける仕組みだが、構造的にシンプルかつ軽量で、MT車の場合、坂道を発進するときなど、クラッチ操作との連携がしやすく、また、ちょっと特殊な使い方ではあるけれど、ジムカーナ走行、サイドブレーキターンなどのマニアックな走行には不可欠と言っていいものだ。

 ただし、サイドブレーキをかける際、しっかりと引き上げないと作動が甘かったり、整備を怠っていると、ワイヤーが伸びてサイドブレーキの利きが悪くなったりする(これは大問題である)。車種によってはレバーを引き上げる操作が重く、相当な力が必要になり(高齢者は辛いだろう)、さらに多くの場合、運転席と助手席の間にセンターコンソールとともに配置されるため、場所をとるし、運転席から助手席へ移動しての降車(逆の乗車も)が可能になるサイドスルーが不可能になるデメリットもある。

 ちなみに足踏み式ブレーキは、運転席と助手席の間にスペースを取らないため、空間効率重視、実用性重視のミニバンや軽自動車への採用例が多いタイプ。左足での操作でサイドブレーキが作動するため、レバー式より力が要らないのもメリット。が、2ペダルのクルマでも、左側に足踏み式ブレーキのペダルがあるため、足もとスペースのスッキリ感ではレバー式や電子パーキングブレーキに劣ってしまう。

 で、最新の電子パーキングブレーキだが、これはモーターを使用して、小さなスイッチ一つ、力いらずでサイドブレーキの作動、解除ができるシステム。レバーや足踏み式ペダルが不要のため、スペース効率にも優れている。

 今後レバー式サイドブレーキは絶滅の一途を辿るだろう

 電子パーキングブレーキのメリットはまだまだある。たとえば、シフターをPレンジに入れると自動で作動、発進時、アクセルペダルを踏むと自動解除してくれる車種は、パーキングブレーキが全自動ということになり、これは便利である。が、なかには、解除はアクセルペダルで行うことができても、作動はドライバーのスイッチ操作が必要な車種もある。中途半端な気もするが、開発者に聞くと、「ドライバー自らにパーキングブレーキをかけさせ、それを認識させるため」との答えである。ちなみに、一般的には、手動でも行える電子パーキングブレーキのスイッチは、引いて作動、押して解除の例が圧倒多数なのだが(レバー式と同じ方向)、5代目ホンダ・オデッセイは何故か、その逆。筆者も作動に戸惑うことがあった。ホンダのミニバンに足踏み式ブレーキが採用されていたことから、その名残りかもしれない。

 電子パーキングブレーキの最大のメリットと言えるのが、自動運転の入り口にある機能でもある、高速走行で威力を発揮してくれるACC(アダプティブクルーズコントロール)との連携だ。電子パーキングブレーキが備わっていれば、いわゆる全車速域、渋滞対応、停止保持機能が付けやすく、渋滞時の自動停止保持、解除(自動追従発進)が可能になる。車種によって停止保持は数秒から、さらに長い間停止保持してくれる便利さがあり、高速走行時の渋滞での足腰の疲労を大きく低減してくれるのだが、それも電子パーキングブレーキありきのメリットと言っていい。

 それだけじゃない。一般道の走行でも、電子パーキングブレーキに付随するメリットがある。それは、電子パーキングブレーキとセットで機能するオートブレーキホールド機能だ。信号待ち、スーパーマーケットなどの料金所で一時停止する際、オートブレーキホールド機能をONにしておけば、ブレーキペダルを踏み続けることなく、ブレーキが作動。一般道の渋滞時を含め、ブレーキを踏むための力、ストレスが低減し、それこそ靴底の減り!? まで減少するメリットがあるのだ。筆者は電子パーキングブレーキ最大のメリットだと感じているほどだ。

 と、メリット絶大の電子パーキングブレーキだが、デメリットとしては、コストアップ(しかし今では搭載車が増えているのでほぼ解消。軽自動車への採用例も多い)、モーターなどの電子機器追加による車重増、そして、バッテリーが上がってしまうと、電子機器なので作動しなくなる点がある。が、どれも多大なるメリットと比べれば、どうということはない……とも言えるのだ。たとえスポーツカーであっても、これからの電動車時代には、クラシックなレバー式サイドブレーキは絶滅の一途を辿り、ユーザーメリットの多い電子パーキングブレーキに置き換えられていくことは間違いないところだろう。

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