2007年の衝撃的なデビューから今年で11年目を迎えたR35型GT-R。現行モデルはGT-Rの歴代モデル(スカイラインGT-R時代から)としては初めてグローバルで販売されているのだが、その値段やスペックなどは日本仕様とはどう違うのか? 日本を代表するスーパースポーツの、世界戦略の様子を追ってみた。
※各国の円換算レートは2018年4月24日現在のものです。
文・写真:ベストカー編集部
初出:ベストカー2018年6月10日号
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■なんとタイでは約4600万円(日本の3倍)!!
スーパーGTのタイラウンドで2014~2015年と連覇を果たしたGT-R。ご当地タイでもGT-Rは熱狂的なファンを持つ人気マシンとなのだが、残念ながらこれまでタイでの正規販売はされていなかった。
しかし、今年3月にタイで開催されたバンコクモーターショーにGT-Rが出展され、タイでの正式販売決定がアナウンスされた。プレスデー当日には開発責任者の田村宏志氏がステージに上がり、プレゼンテーターを務めた。
タイ仕様のGT-Rは現地でのガソリン事情に合わせて15psほどエンジンパワーを落としているという。また、タイ仕様は足回りに関しても2018年モデルに近い乗り心地を考慮したセッティングになっているようだ。
で、注目はその価格。1350万バーツのプライスがついており、日本円に換算するとなんと4657万5000円! 日本での「トラックエディションエンジニアードバイNISMO」(1396万9800円)のなんと3倍以上、もはやロールスロイスなみの超高級車。
というのも、タイでは自国の自動車産業育成のため、輸入車に高額な税金を課けているのだ。タイ政府が乗用車に対して課している物品税は実に17%。さらにASEAN(東南アジア諸国連合)以外からの輸入車には高額な関税を課しているのだ。
右端が田村氏。輸入車に高い関税をかける国では超高額車。日本人は幸せなのかもしれない!?
■日本以外で販売されている国でのGT-Rの価格と仕様
まずは日本仕様のGT-Rについておさらいしておこう。現在販売されているのは昨年11月に発表された2018年モデルで、5つのグレードが設定されている。下から「ピュアエディション」(1023万840円)、「ブラックエディション」(1213万9200円)、「プレミアムエディション」(1170万5040円)、「トラックエディションエンジニアードバイNISMO」(1396万9800円)が標準モデルの4グレード。最上位に位置するグレードの「GT-R NISMO」が1870万200円。
エンジンスペックの違いは標準モデルが最高出力570ps/最大トルク64.5kgmで、NISMOは最高出力600ps/最大トルク66.5kgmにパワーとトルクが向上している。
■アメリカ仕様
約983万~1912万円
(9万9990~17万5490ドル)
エンジンスペック:最高出力572~608ps、最大トルク64.5~66.5kgm
米国仕様は計4グレードが設定。ピュアが9万9990ドル、プレミアムが11万490ドル、トラックエディションが12万8490ドル、そしてNISMOが17万5490ドル。スペックもほぼ日本仕様と大差なし
■イスラエル仕様
約2728万円
(8万8000イスラエルシュケル)
エンジンスペック:最高出力570ps、最大トルク64.5kgm
イスラエルでは「クーペ ブラックエディション」の1グレード設定。価格は日本のブラックエディション(1213万9200円)の倍以上となる8万8000イスラエルシュケル(約2728万円)だから驚き!
■カナダ仕様
約1068万~1269万4000円
(12万5600~14万9700カナダドル)
エンジンスペック:最高出力572ps、最大トルク64.5kgm
カナダ仕様のGT-Rは2グレード展開となっており、プレミアムが12万5600カナダドル(約1068万円)、トラックエディションが14万9700カナダドル(約1269万4000円)。エンジンスペックも両グレード共通で、ほとんど日本仕様と変わっていないのだ
■メキシコ仕様
約1581万~1658万円
(263万6300~276万4100ペソ)
エンジンスペック:最高出力572ps、最大トルク64.5kgm
メキシコでは2017年モデル(263万6300ペソ=約1581万円)と2018年モデル(276万4100ペソ=約1658万円)が併売されている。エンジンスペックは共通であるため、最高出力は565hp(572ps)、最大トルクは467lb-ft(64.5kgm)とカナダ仕様と共通だ
■オーストラリア仕様
約1564万~2475万円
(18万9000~29万9000オーストラリアドル)
エンジンスペック:最高出力570~600ps、最大トルク64.5~66.5kgm
4グレード展開でプレミアム(18万9000オーストラリアドル=約1564万円)、プレミアムラグジュアリートリム(同19万5000=約1614万円)、トラックエディションエンジニアードバイNISMO(同22万7000=約1879万円)、そしてNISMO(同29万9000=約2475万円)
■南アフリカ仕様
約1931万~1980万円
217万~225万ランド
エンジンスペック:最高出力563ps、最大トルク64.5kgm
南アフリカ仕様は2グレード展開となっており、プレミアムエディションが217万ランド(約1931万円)、ブラックエディションが225万ランド(約1980万円)のスターティングプライスに。エンジンスペックは563ps/64.5kgmと若干日本仕様よりパワーダウン
■イギリス仕様
約1238万円~2310万円
(約8万1995~15万1995ポンド)
エンジンスペック:最高出力570~600ps、最大トルク64.9~66.5kgm
5グレードを設定。ピュア(8万1995ポンド=約1238万円)、ピュアにレカロシートを装着したレカロ(8万4995ポンド=約1291万円)、さらにタンレザーなどがあしらわれたプレステージ(8万5995ポンド=約1307万円)、トラックエディションエンジニアードバイNISMO(9万4995ポンド=約1443万円)、NISMO(15万1995ポンド=約2310万円)
■中国仕様
約2767万円~
162万8000人民元~
エンジンスペック:最高出力555ps、最大トルク64.5kgm
2016年の広州ショーで公開された中国仕様の2017年モデルは1グレード展開で、スターティングプライスは162万8000人民元(約2767万円)から。日本仕様の最もベーシックなピュアエディションの約2.5倍! エンジンスペックは555psとややダウンする
■台湾仕様
約2250万~2390万円
625万~665万台湾ドル
エンジンスペック:最高出力572ps、最大トルク64.5kgm
台湾仕様は2グレード展開。プレミアムエディションが625万台湾ドル(約2250万円)、レカロシートと軽量カーボンウイングを装備したブラックプレミアムエディションが665万台湾ドル(約2390万円)
上記の国以外の各国で販売されているGT-Rのスターティングプライスは、次のとおりだ。
■ニュージーランド…20万5000ニュージーランドドル(1599万円)
■アブダビ&ドバイ…48万5000ディルハム(1406万5000円)
■インド…2124万ルピー(3398万円)
■シンガポール…58万シンガポールドル(4756万円)
■ロシア…687万5000ルーブル(1238万円)
■スペイン…10万8050ユーロ(1426万円)
■フランス…9万9911ユーロ(1319万円)
■オーストリア…12万4750ユーロ(1647万円)
■ドイツ…9万9900ユーロ(1319万円)
■ハンガリー…3170万フォリント(1268万円)
■イタリア…10万1900ユーロ(1345万円)
■ポルトガル…16万5900ユーロ(1876万円)
■スウェーデン…96万9000クローネ(1240万円)
■スイス…11万9900スイスフラン(1325万円)
■オランダ…16万5900ユーロ(2190万円)
■海外セレブはGT-Rがお好き?
圧倒的なパフォーマンスを持つGT-Rだが、ほかのスーパースポーツたちに比べてその性能のわりにリーズナブルなのが特徴。そこに魅入られたセレブたちも多いのだ。
あの“世界最速の男”、ウサイン・ボルトもそのひとり。2012年モデルをベースにボディカラーをゴールドに仕立てたモデルが日産から贈呈されたのだが、実はそれより以前の2009年からGT-Rオーナーという筋金入り。
また、元メジャーリーガーで通算555本塁打を誇るマニー・ラミレス(元インディアンス、レッドソックスほか)は昨年(2017年)、日本の独立リーグ「四国アイランドリーグ」の高知ファイティングドッグスに入団したが、日本に来る前からGT-Rを所有。岡山のショップに改造を依頼していたんだそうな。
日産からウサイン・ボルトに寄贈されたゴールドのGT-R 2012年モデル。チャリティーオークションにかけられ、約1900万円で落札された
2007年12月の現行型GT-R登場時、最もリーズナブルなグレードは777万円だった。性能に比べてその価格は大特価セールだと感じたものの、翌年の仕様変更では861万円に、さらにその翌年は869万円に値上がりし、ついに現在はベースグレードでも1000万円を超える。
「高くなっちゃったなぁ……」と、買えるわけでもないのになぜだか切ない思いを胸に抱くファンも多いと思うがしかし、こうして海外事情を眺めてみると、日本で生まれ、日本で作られるGT-Rが(まだ比較的)手頃な価格で手に入れられる日本人は幸せなのかなと思ったりもしませんか。
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