現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > およそ20年の時を経て復活!発表当時誰もが待ち望んだフルオープンモデル、ポルシェ911カレラ3.2 カブリオレ

ここから本文です

およそ20年の時を経て復活!発表当時誰もが待ち望んだフルオープンモデル、ポルシェ911カレラ3.2 カブリオレ

掲載 更新
およそ20年の時を経て復活!発表当時誰もが待ち望んだフルオープンモデル、ポルシェ911カレラ3.2 カブリオレ

日に日に日照時間が短くなってきていることを実感する、ドイツの秋。首都ベルリンにおける10月半ばの日没時間は18時半前後で、21時でも明るかった真夏と比べると、ずいぶんと日の出ている時間が短くなってきました。長く暗い冬が目前に迫っていることをよく知っていて、かつカブリオレやロードスターに乗っているドイツの人々は、雨が降っていなければ積極的に屋根を開け放ってドライブしています。

今回ご紹介するのは、幌を閉じた状態ではありましたが、現在でも日本人のみならずドイツ人にとっても憧れのフルオープン・スポーツカー、ポルシェ911カレラ3.2 カブリオレです。

レストモッドは「罪」なのか?では、オリジナルに忠実なことが正義なのだろうか?

古くは356の時代から

ポルシェのオープンエア・ドライブについてのこだわりは相当なもので、2018年10月現在のラインナップを見てもそれは明らかです。718ボクスターはもちろん、911にいたってはカレラ、カレラS、カレラ4、カレラ4S、カレラGTS、カレラ4 GTS、ターボ、ターボSにカブリオレ・モデルを設定。また、タルガ・モデルとしてタルガ4、タルガ4S、タルガ4 GTSが用意されています。他のメーカーとは比べものにならないほど、オープンエアを楽しむための選択肢が数多く用意されているのです。

歴史をたどると、ポルシェ最初の市販車・356にも比較的初期からオープントップ・モデルが用意されていました。プリAと呼ばれる1950年代半ばから、カブリオレやスピードスターといったモデルをラインナップ。その後もコンバーチブルDを発表、のちにロードスターにバトンタッチします。結局、356は1965年に生産を終了するまで、オープントップ・モデルをラインナップから外すことはありませんでした。ところが、1964年に登場した後継車・911には、しばらくオープントップ・モデルの設定はありませんでした。1967年にタルガ・モデルは発表されるものの、カブリオレに関しては1983年の復活まで、およそ20年という長い時間を待たなければならなかったのです。

およそ20年の時を経て復活したカブリオレ

今回撮影した911カレラ3.2 カブリオレは、リアのトランクリッド上のロゴが「Carrera」となっていることや、すでに「Hナンバー」を取得していることから、1984年から1988年の間に生産された個体と考えられます。本国仕様で231hpを発生する3.2リッター水平対向6気筒エンジンは、もちろんリアに搭載。ドイツで見かける古いポルシェは、総じてコンディション良好な個体が多いですが、この個体も例に漏れず非常に良い状態を保っていました。

カブリオレの復活を待ち望んでいたのは、ポルシェ・ファンだけではなく、ポルシェの社内にも数多くいたのかもしれません。ポルシェ356の設計者であり、フェルディナント・ポルシェの長男であるフェリー・ポルシェも、911カレラ3.2 カブリオレのスポルトマチック(セミオートマチック)仕様をプライベートで愛用していた、と伝えられています。1988年には、ついに911ターボにもタルガとカブリオレが選択できるようになりました。そして、後継車・タイプ964にバトンタッチする直前の1988~1989年に、スピードスターが2,102台のみ限定生産され(台数については諸説あり)、タイプ930はその歴史に幕を下ろすことになるのです。

生産総数の70パーセント以上が今も現役

空冷911の価格高騰が伝えられて久しいですが、2018年現在、ドイツにおける930型(自然吸気エンジンモデル)の価格はおよそ5万~8万ユーロ(650万~1,040万円)で推移しています。ドイツの中古車検索サイトを見る限り、登録車数もかなり多く、現在も活発な取引が行われているようです。優れた走行性能と高い実用性を兼ね備え、ムダのない美しいエクステリアと愛嬌のある顔立ちを持つ911は、ドイツの人々にとってスポーツカーの歴史的アイコンであり、今後もそれは変わっていくことはないでしょう。

2017年に累計生産台数100万台を達成し、さらに生産総数の70パーセント以上が走行可能な状態で現存していると言われるポルシェ911。次期型の登場も間近と言われていますが、古いモデルについてもこれからも変わらず、長く愛されていくに違いありません。

[ライター・カメラ/守屋健]

こんな記事も読まれています

メルセデスベンツ、アップルウォッチで車両情報を確認可能に
メルセデスベンツ、アップルウォッチで車両情報を確認可能に
レスポンス
製造期間わずか[10カ月]!? 初代[シビック]のスポーツモデルである[シビック1200RS]が想像以上にヤバい
製造期間わずか[10カ月]!? 初代[シビック]のスポーツモデルである[シビック1200RS]が想像以上にヤバい
ベストカーWeb
同乗者が12歳未満だらけなら7人乗りミニバンに10人乗れるってマジ!? 安全面で問題のある道交法の「乗車定員」の考え方は見直すべきだろ!
同乗者が12歳未満だらけなら7人乗りミニバンに10人乗れるってマジ!? 安全面で問題のある道交法の「乗車定員」の考え方は見直すべきだろ!
WEB CARTOP
トランプ再選で「台湾軽視」加速? 日本企業3000社以上進出、有事リスクをどう捉えるべきか
トランプ再選で「台湾軽視」加速? 日本企業3000社以上進出、有事リスクをどう捉えるべきか
Merkmal
「すごい横転事故…」 首都高羽田線が一時「通行止め!」 東品川の“合流部”で「衝突事故」発生 「完全ストップ」で2車線ふさぐ… 湾岸線や海岸通りも大混雑に
「すごい横転事故…」 首都高羽田線が一時「通行止め!」 東品川の“合流部”で「衝突事故」発生 「完全ストップ」で2車線ふさぐ… 湾岸線や海岸通りも大混雑に
くるまのニュース
ソニー・ホンダの次世代EV『AFEELA』にZoom導入、車内会議が可能に
ソニー・ホンダの次世代EV『AFEELA』にZoom導入、車内会議が可能に
レスポンス
トヨタ、WRCマニュファクチャラー選手権4連覇。エバンス今季初優勝、全3台がラリージャパンの上位占める
トヨタ、WRCマニュファクチャラー選手権4連覇。エバンス今季初優勝、全3台がラリージャパンの上位占める
AUTOSPORT web
レッドブル&HRC密着:バトルよりタイヤ温存を優先。ノリスの前でフィニッシュするための戦略を遂行したフェルスタッペン
レッドブル&HRC密着:バトルよりタイヤ温存を優先。ノリスの前でフィニッシュするための戦略を遂行したフェルスタッペン
AUTOSPORT web
マーベリック・ビニャーレスの最新レプリカモデル「RX-7X マーベリックオークリー」がアライヘルメットから登場!
マーベリック・ビニャーレスの最新レプリカモデル「RX-7X マーベリックオークリー」がアライヘルメットから登場!
バイクブロス
ガッチリ固定・ワイヤレス充電「スマートフォンホルダー +e」がデイトナから発売!
ガッチリ固定・ワイヤレス充電「スマートフォンホルダー +e」がデイトナから発売!
バイクブロス
ワゴン専用になったVW『パサート』、524万8000円で日本発売 PHEVはEV航続142kmに
ワゴン専用になったVW『パサート』、524万8000円で日本発売 PHEVはEV航続142kmに
レスポンス
「“新型”スカイライン」登場はいつ!? 北米では「次期型」を示唆! 67年・13世代続いた「老舗ブランド」の刷新で「ニッサン復活」を目指せ!
「“新型”スカイライン」登場はいつ!? 北米では「次期型」を示唆! 67年・13世代続いた「老舗ブランド」の刷新で「ニッサン復活」を目指せ!
くるまのニュース
シンプルなデザインが光る新製品「RAPIDE-NEO 46works/ラパイド・ネオ 46ワークス」がアライヘルメットから12月下旬発売!
シンプルなデザインが光る新製品「RAPIDE-NEO 46works/ラパイド・ネオ 46ワークス」がアライヘルメットから12月下旬発売!
バイクブロス
「大人レゴ」にマンセルのウィリアムズF1マシン登場、価格は1万2480円
「大人レゴ」にマンセルのウィリアムズF1マシン登場、価格は1万2480円
レスポンス
[NAでFR]のロードスターと[ターボでFF]のスイフトスポーツを比べてみた
[NAでFR]のロードスターと[ターボでFF]のスイフトスポーツを比べてみた
ベストカーWeb
ペレス「マックスのすごさを実感した一年。ベストのマシンがないときでも卓越した仕事をし、チームの推進力となった」
ペレス「マックスのすごさを実感した一年。ベストのマシンがないときでも卓越した仕事をし、チームの推進力となった」
AUTOSPORT web
いすゞの「“4人乗り”和製スーパーカー」! 4.2リッター「V8」×MTの「MRマシン」に反響多数! 超カッコイイ「4200R」が「欲しい」「憧れる」と話題に
いすゞの「“4人乗り”和製スーパーカー」! 4.2リッター「V8」×MTの「MRマシン」に反響多数! 超カッコイイ「4200R」が「欲しい」「憧れる」と話題に
くるまのニュース
F1に導入されるドライバー冷却キットはどんなモノ? 初年度の2025年はクールスーツだけど……チームに独自開発許される
F1に導入されるドライバー冷却キットはどんなモノ? 初年度の2025年はクールスーツだけど……チームに独自開発許される
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村