道路を歩いていれば、見かける機会の多い横断歩道。しかし、横断歩道は雨が降っていると滑りやすくなり、実際にバイクなどがスリップで転倒するような事故も少なくはありません。
そんな危険性もある横断歩道は、なぜ滑りやすいようになっているのでしょうか。
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道路のあらゆる場所に使われる白線はなぜ滑りやすいのか? 横断歩道などに使われる塗料は、ただのペンキではありません。横断歩道を含め、道路に白線を引くときは、基本的に「JIS」(日本産業規格 ※2019年7月1日に「日本工業規格」から改称)に定められた規格の塗料「JIS K5665(路面表示用塗料)」を使用しなければなりません。ちなみにこの塗料のことを「トラフィックペイント」といいます。
トラフィックペイントは、一般的にアスファルトに比べて滑りやすいといわれています。データにおいてもそれは裏付けされており、路面表示材メーカー団体の路面表示材協会は、次のように説明しています。
「舗装面と自動車のタイヤなどの間に発生する摩擦抵抗値を滑り抵抗性といい、滑り抵抗数値(BPN)は40BPN以上が望ましいとされています。
一般的に、湿潤時のアスファルトの滑り抵抗性は、40BPNから70BPNなのに対し、トラフィックペイントは40BPNから50BPNといわれ、滑りやすいのは確かなようです。ちなみに、雨でもっとも滑りやすいマンホールのフタは、BPN値20BPNから40BPNです」
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また、トラフィックペイントを踏むすべてのものが滑りやすいわけではないようです。同協会の資料によると「湿潤時において、四輪車では走行や制動に与える影響は少ない」「二輪車はトラフィックペイント上で急ハンドルや急ブレーキをかけたときにとくに滑りやすい」「歩行者はゴムサンダルのようなものでは滑りやすいが、一般的靴底では影響が少ないと」されています。
では、なぜトラフィックペイントは滑りやすいのでしょうか。滑りやすさについてはさまざまな要件が考えられ、明確な答えがないのが現状のようです。
しかし考えられる原因としてもっとも大きいものは、雨水などの影響によるものと、トラフィックペイントの老朽化による表面の平滑化と推察されていますが、なぜ改善されないのでしょうか。
同協会でもトラフィックペイントの滑りやすさは昔から課題といわれ、対策として有効なのは摩擦係数を高くすること、すなわちトラフィックペイントの表面をザラザラさせればいいと良いのですが、簡単にできないといます。
理由としては、摩擦係数をあげると、ざらついた表面が削られやすくなりトラフィックペイントの劣化が速くなるのです。
また、JISが求める性能からも大きく外れてしまうことにもなりかねません。なにより引いた白線がすぐに消えるのは、交通安全上一番の問題点になります。
滑りにくさよりも、白線に求められる最も大切な性能とは そもそも路面表示材に最も求められる性能はなんでしょうか。それはどんなときにも「見える」ことです。トラフィックペイントは、数十トンのトラックに絶えず踏まれても、エンジンオイルなどのケミカル類が撒かれても消えない耐久性と視認性が求められます。
摩耗や雨風の影響によって塗料が剥がれている横断歩道 そして良好な視認性を確保するため、トラフィックペイントには「ガラスビーズ」というガラスの粉末が含まれています。このガラスビーズが反射することにより、夜間や悪天候時での被視認性を向上させています。さらにこのガラスビーズは、トラフィックペイントの摩擦係数を高めるのにも一役買っています。
白線の滑りやすさについて、トラフィックペイントのメーカーは、対滑り性を向上させるため素材の研究や実験を繰り返し、実際に市販もされています。
滑りにくさはそのまま安全に関わるため、メーカーもかなり重要な問題と考えています。その上でコストパフォーマンスだったり、環境性能だったりと、白線に求められる性能はじつに多岐にわたるのです。
同協会が公表している論文には、「トラフィックペイントが平滑である限り、スリップを防ぐことは難しい」と記載しています。
しかし、メーカーはその論文を放ってはおかず、素材や設置方法などを日夜研究し、より安全な白線を開発しています。
そして我々が出来る対策としては、しっかりと溝が残っている、あるいは気象状況に合致した安全なタイヤを履いていることや、危険な速度で交差点などに侵入しないといった基本的なルールやマナーを守ることが重要といえます
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