噛み締めるほど美味。ホンダZR-Vは走り好きを魅了する個性派代表である！

ZR-VはこれからのSUVの道しるべである

　ホンダ期待のZR-Vの正式発売時期が公表された。2023年4月21日である。
　ラインアップは上級のZと、充実装備のXの２グレード構成。パワーユニットは、ハイブリッドが2リッター（141ps／182Nm）＋２モーター（184ps／315Nm）の新開発e:HEV。ガソリンは1.5リッターℓVTECターボ（178ps／240Nm）。ともにシビックと共通だが、重量アップと大径タイヤ装着を考慮して各部のチューニングを最適化している。駆動方式はFFとリアルタイムAWDを設定する。

　ZR-Vは、開発陣が「これからのSUVの道しるべを創造したいと考えた」と語る自信作。SNSの普及で個人と社会の関係が重視される中、SUVはクロカン譲りのタフなイメージが好まれる一方で、より凛々しく、もっとスマートに社会とつながりたいと思うニーズが高まっている、と分析したという。

　ZR-Vの開発コンセプトは「異彩解放」。力強い存在感を大切にしながら、上質な色気を放つ新SUV像を追求。都会に似合う佇まいと、オンロードからオフロードまで「意のまま」と感じさせるドライバビリティの実現を掲げる。

　エクステリアは「グラマラス×エレガント」を基調にした造形。ワイド＆ローなスタンスに加えて、キリっとした精悍さがプラスされたフォルムが魅力的だ。ボディサイズは全長×全幅×全高4570×1840×1620mm。マツダCX-5（同4575×1845×1690mm）と比べ、全長と全幅はほぼ同等。全高は70mm低い。実車は数値以上に引き締まった印象で、エクステリアには国産車には珍しく、ほとんどクローム加飾がない。適度な抑揚でボリューム感を表現した手法は新鮮である。

　ボディカラーには、森林をイメージしたノルディックフォレストパールと、艶やかなプレミアムクリスタルガーネットメタリックの新色2タイプを含む全7種を設定。全車モノトーン仕上げで、2トーン仕様は未設定。

　インテリアは開放的な水平基調。インパネ造形はシビック似だが、個性的なブリッジ式センターコンソールが先進イメージを演出する。実際に運転席に座ると、SUVならではのアイポイントの高さとまるでスポーティカーのような運転姿勢に驚く。実はこれもZR-Vの個性。SUVを忘れる走行感覚を実現したポイントのひとつだ。パッケージングの合言葉は「セダンライクなSUV」。ZR-Vは、ヒールポイントとヒップポイントとの高低差を少なくすることで、走りに最適な運転姿勢を実現した。一方、3人掛けのリアシートは独立2座のようなパーソナルな空間。ルーフ部にタッチ式LEDのスポットライトを採用するなど。細部へのこだわりも万全だ。

　シャシー回りはシビックと同じグローバルプラットフォームを基本にリアに上級のCR-V用を組み合わせた。サスペンションは前ストラット／後マルチリンク。タイヤは全車サマータイヤで、18インチアルミを装着する。

ドライバーを魅了する走りが個性。操る歓びが実感できるスポーツSUVだ！

　短時間ながらクローズドコースで試乗した印象は鮮烈だった。テスターの山本シンヤ氏は、「1.5リッターターボはシビックで感じたターボラグが薄れ、フラットなトルク特性と大排気量NAのような余裕が印象的。販売主力のe:HEVはモーター駆動を活かした力強さと、〈直結感〉の高さ。雑味のないエンジンサウンドが心地いい。エンジン車以上に対話できるハイブリッドに仕上がっている」と絶賛。

　ハンドリング面は「フットワークで驚くのは、ボディやステアリング系の高い剛性感。SUVとは思えないほどカッチリしている。サスペンションはロール／ピッチが抑えられ、荒れた路面ギャップを綺麗にいなす高い吸収性も持ち合わせている。フロントの回頭性と絶大な安定感を持つリアとのバランスは絶妙。エスケープゾーンがほとんどない道でも、手に汗握ることなく安心して走ることができた」と興奮ぎみに答えてくれた。

　山本氏は駆動方式による走り味にも言及。「AWDのハンドリング性能はFF以上。リアをより効果的に使うトルク制御で4輪を一段と上手に活用している。まるで道幅が広くなったと錯覚するくらいコントロールの幅が広い。リアルタイムAWDは実用性重視のシステムと思われがちだが、ZR-Vのそれは「スポーツAWD」と呼んでもいいだろう」と分析している。

　ZR-Vは、運転好きを魅了するSUVの代表。コンセプトの異彩解放に込めた思いは「クルマを自在に操ることで自分らしさを解放し、新たな行動のきっかけになること」だと感じた。

ホンダZR-V主要諸元

グレード＝e:HEV・Z（FF）
価格＝389万9500円
全長×全幅×全高＝4570×1840×1620mm
ホイールベース＝2655mm
トレッド＝フロント：1590／リア：1605mm
最低地上高＝190mm
車重＝1580kg
エンジン＝1993cc直4DOHC16V（レギュラー仕様）
最高出力＝104kW（141ps）／6000rpm
最大トルク＝182Nm（18.6kgm）／4500rpm
モーター最高出力＝135kW（184ps）／5000～6000rpm
モーター最大トルク＝315Nm（32.1kgm）／0～2000rpm
WLTCモード燃費＝22.0km／リッター（燃料タンク容量57リッター）
（WLTC市街地／郊外／高速道路：19.4／24.7／21.7km／リッター）
サスペンション＝フロント：ストラット／リア：マルチリンク
ブレーキ＝フロント：ベンチレーテッドディスク／リア：ディスク
タイヤ＆ホイール＝225／55R18＋アルミ
駆動方式＝FF
乗車定員＝5名
最小回転半径＝5.5m
※発売は2023年4月予定

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Comments

ホンダの個性派って発売終了してから値がつく

オプション、諸費用込みで450万くらい？
たけーな