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宿願!! ジムニーに5ドアを!! シエラならアリか可能性を全力で検討する

掲載 更新 19
宿願!! ジムニーに5ドアを!! シエラならアリか可能性を全力で検討する

 スズキの軽SUVのジムニーと小型SUVのジムニーシエラは2018年7月のデビューだから、すでに登場から1年半が経過しようとしているが、その人気は衰え知らず。その結果、今でも長い納車待ち状態が続いている。

 好調の背景には当然ながらSUVブームがあるが、扱いやすいサイズ、タフな4WD性能、武骨ながら雰囲気抜群のエクステリアデザインなど、人気の要因は多岐にわたる。特にシエラは、旧型の1.3Lから1.5Lに排気量アップしたことで走行性能に余裕が生まれたことも見逃せない。

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 そのジムニー&ジムニーシエラは、今では数少ない3ドアボディを採用しているのだが、利便性を高めた5ドアが追加されるという噂は絶えず存在している。まぁ、願望に近い噂でもあるのだが。

 本稿では、ジムニー&ジムニーシエラの販売の最前線について見ていくと同時に、5ドア追加の可能性について考察していく。

文/渡辺陽一郎、写真:SUZUKI、平野学、池之平昌信

【画像ギャラリー】武骨なデザインはそのままに実用性を付加!! ジムニー&ジムニーシエラの5ドアを完全捕捉&3ドアモデルをフルチェック!!

納期はいまだに1年半!?

右がジムニー、左がシエラ。ジムニーシエラは大型バンパー、オーバーフェンダーにより、全長は155mm長い3550 mm 、全幅 は170mmワイドな1645 mm

 最近はSUVの人気が高い。魅力的なクルマが登場するのは嬉しいが、そんななか、買いたくても買えないSUVがジムニーだ。軽自動車のジムニー、小型車のジムニーシエラについて、納期をスズキの販売店に尋ねると、以下のような返答だった。

「ジムニーの納期は、今でも長く、1年半と申し上げています。以前に比べると生産規模が増えて、小型車のジムニーシエラは10カ月程度に縮まる傾向も見られます。しかし再び伸びる可能性もあり、両車ともに契約は可能ですが、正確な納期はお伝えできません。ご迷惑をおかけしないように、1年半と申し上げています」。

 納期が1年半になると、ユーザーは購入計画を立てられない。

 現在使っているクルマの車検期間が1年以内に満了する場合など、取り敢えず改めて車検を取り、納車される時に引き渡す中途半端な乗り替えになってしまう。また納期が1年半も先では、離れた場所に転勤している可能性もあるだろう。

シエラは旧型の1.3L(88ps/12.0kgm)から1.5L(102ps/13.3kgm)になったことで走りに余裕が生まれ、大幅に魅力アップ

日本仕様は確実に増産されている

 届け出や登録の状況を見ると、以前に比べてジムニーの国内仕様を増産していることは確かだ。

 現行ジムニー&ジムニーシエラは2018年7月に登場しており、ジムニーの場合、2018年10月の届け出台数は1851台だった。それが1年後の2019年10月には2172台だから、1.2倍に増えた。2020年10月は4406台で、前年の2倍以上だ。

 小型車のジムニーシエラは、2018年10月の登録台数が519台だったが、2019年10月は698台、2020年10月には1555台へ急増した。

旧型のジムニーシエラは、モデル末期は100台未満の月販だったことを考えると日本の割り当てぶんが少ないのも仕方ない。新型で大幅に販売増はスズキにとってうれしい悲鳴

 一般的なクルマの売れ方は、発売直後が最も多く、次第に下がってくる。ジムニーとシエラは需要に生産が追いついていないから、増産体制により、時間が経過するほど台数も増えた。

 英国で販売するジムニーが終了したことも、国内向けの増産に影響を与えているだろう。

 これからジムニーが毎月4000台以上、ジムニーシエラも1600台前後というペースで納車できれば、少しずつではあるが受注のストックが減って納期も短縮に向かう可能性がある。

ジムニー&ジムニーシエラは2018年7月5日から販売を開始したため、2018年7月は若干台数の旧型が含まれる

シエラを5ドア化するのは比較的簡単

シエラはボディサイズに制限がないため、ロングボディ化して5ドアを追加しやすい。5ドアが追加されればさらに売れること間違いなし(画像は予想CG)

 そのいっぽうで「ジムニー5ドア」の登場も噂されるようになった。

 全長とホイールベースを拡大して、5ドアボディにするものだ。販売店では「ジムニーの5ドアボディについては、現時点でメーカーからなんの話も聞いておりません」という。

 それでも、ジムニーは後輪駆動をベースにした4WDを搭載する悪路向けのSUVだから、ラダーフレームの延長版を開発して5ドアボディを架装すれば、ランドクルーザーをコンパクトにしたようなレイアウトになる。

ジムニーのオフロード性能を決定づける要素でもあるラダーフレーム。モノコック構造のクルマに比べてロングボディ化はコストもかからず比較的簡単

 小型車のジムニーシエラについては、ロングボディを開発することも可能だろう。

 ジムニーシエラの全長は3550mm、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2250mmだから、それぞれ250mm拡大する。つまり全長は3800mm、ホイールベースは2500mmだ。全幅は1645mmで変更する必要はない。

 このボディサイズは、(こちらは前輪駆動のSUVではあるが)スズキのクロスビーに近い。

 クロスビーは前輪駆動によって広い室内を備えるファミリー指向のコンパクトSUVだ。

 対するジムニーシエラ5ドアは、アクティブな悪路向けのコンパクトSUVと位置づければ、ボディサイズが同程度でもまったく異なる商品特性を与えられる。

スズキは5ドアの小型SUVとしてクロスビーをラインナップしているが、ジムニーシエラが5ドア化されてもキャラクターはまったく被らない

5ドア化で快適性は確実に向上する

 ボディとホイールベースを250mm伸ばしたうち、150mmを後席の足元空間に充当したと仮定しても、居住性は大幅に向上する。

 今のジムニーとジムニーシエラに身長170cmの大人4名が乗車した場合、後席に座る同乗者の膝先には、握りコブシが入らない。腰が落ち込んで膝が持ち上がる窮屈な姿勢になってしまう。

ボディ寸法はジムニーに比べて大型化されているジムニーシエラだが、室内は基本的にジムニーと同じため、リアシートの居住性は同クラスでは厳しい

 それが全長とホイールベースの拡大で、後席の居住空間に余裕が生まれ、5ドアボディになるから後席の乗降性も向上する。後席を畳めば、荷室長も250mm拡大されて積載性が一層向上する。

 以前、スズキのエンジニアに、ジムニーシエラを拡大した5ドアボディの可能性を尋ねたことがあった。

 その返答は、「ジムニーはラダーフレームを採用しているので、ストレッチさせるのは困難ではないでしょう。エスクードもありますから、マーケティングにもよりますが、開発することは可能です」であった。

 また従来型ジムニーの海外仕様には、3ドアボディではあるが、ホイールベースと室内空間(主に荷室)を拡大したタイプがある。今後ジムニーシエラの5ドアが登場する可能性はあるだろう。

リアシートを倒せば広大なスペースが生まれるが、後席に人が乗るとラゲッジは広くない。ロングボディ化して5ドア化すれば実用面での満足度も高くなる

ジムニーの5ドアはほぼ不可能!?

ジムニー&ジムニーシエラが5ドア化されると、メルセデスベンツGクラスのような雰囲気になる。シエラにはその可能性が大きくある

 しかし軽自動車のジムニーで、5ドアボディを成立させるのは困難だ。ジムニーはすでに全長が軽自動車規格いっぱいの3395mmに達している。軽自動車の規格を守りながら、さらに全長を伸ばすことはできない。

 そしてジムニーはエンジンを縦方向に搭載する後輪駆動のレイアウトだ。エンジンを横向きに搭載するハスラーのように、ボンネットを短く抑えて有効室内長を広げ、5ドアボディに変更することはできない。

ジムニーのボディサイズは、全長3395×全幅1475×全高1725 mmで、全高を除いて軽自動車規格いっぱいのためサイズアップは望めないため5ドア化は厳しい

 つまり軽自動車のジムニーでは5ドアボディは成立せず、ハスラーもあるから、開発する必要も乏しいと判断されるだろう。

 軽自動車では、むしろかつてのKeiのように、前輪駆動をベースにした5ドアハッチバックとSUVの中間的な車種があるといい。

 独立した車種を用意するのが困難なら、アルトの最低地上高をイグニスと同等の180mmに高め、アルト・ギアのように仕立てる方法もある(足回りとボディ底面の補強は必要だが)。スポーツモデルも含めて、アルトの世界観を広げる発想だ。

軽自動車SUVとしてハスラーは利便性を高めた5ドアとなっている。ジムニーは3ドア専用で開発、デザインされているため5ドア化はまずないだろう

5ドアのシエラが登場するための条件

 ジムニーシエラ5ドアに話を戻すと、可能性は十分にあると思うが、そのためにはまず現在販売しているジムニーとジムニーシエラの納期を適正にすることが不可欠だ。その上でジムニーシエラ5ドアを投入すれば、ユーザーには大いに歓迎される。

 たとえばトヨタのライズは、前輪駆動ベースのSUVではあるが絶好調に売れている。その理由は、5ナンバーサイズに収まる5ドアボディのコンパクトSUVで、悪路向けSUV風の野性味も感じさせるからだ。

 デザインの似ているRAV4の人気も高く、最近のSUVは、原点回帰の売れ方を示すようになってきた。

 そこを踏まえると、ジムニーシエラはまさにSUVの原点だ。5ドアボディを加えれば、実用的で外観もカッコよく、注目を集めるに違いない。

5ドアが出る可能性があるのはジムニーシエラだが、納期が長期化している間はユーザーの混乱を招かないためにもモデル追加の可能性は低いだろう

【画像ギャラリー】武骨なデザインはそのままに実用性を付加!! ジムニー&ジムニーシエラの5ドアを完全捕捉&3ドアモデルをフルチェック!!

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みんなのコメント

19件
  • 何故「ジムニーやシエラの5ドアバージョンを!!」と言っている連中はエスクードの存在を無視するのだろうか?
  • カートップは理論的に否定していたぞ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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