ルイス・ハミルトンは、メルセデスとの契約が2020年に切れることもあり、残留するかどうかに注目が集まっている。しかしチーム代表のトト・ウルフは、彼が決断するより前に他ドライバーへ声をかけるようなことはしないと語った。
F1の2019年シーズンが幕を閉じた直後ではあるが、既に2021年のドライバーズマーケットが動き始めており、“先物市場”と言えそうな状況となっている。
■F1王者は“2021年”にどこへ行く? メルセデス代表「ハミルトン移籍の可能性は25%」
引き金となったのはアブダビGP中に流れたハミルトンのフェラーリ移籍という噂だ。ハミルトンがフェラーリ会長のジョン・エルカーンと今年既に2度会っているという情報を、イタリア系メディアがハミルトン移籍と結びつけたのだ。
こうしたハミルトンの動きについて、ウルフ代表はコメントを求められた。しかし彼は「全く問題ない」と語り、重要なことは透明性を持って将来へ向けた話し合いを持つことだと指摘した。
2020年末はハミルトンのほか、バルテリ・ボッタス(メルセデス)やセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)など、トップドライバーの契約が切れるタイミングとなっている。
そして、ハミルトンが仮にメルセデスから離脱した場合、フェルスタッペンが有力な後任候補になると見られている。しかし、ウルフ代表はハミルトンが何をするか決めるまで、他のドライバーに移籍を打診することは考慮していないと話している。
「チーム内で最も重要視していることは誠実さや、公正であることなんだ」と、ウルフ代表は言う。
「ルイスの立場や目標は理解しているし、それは我々がどんな決定をするにあたっても、鍵となるものだ」
「だから我々はルイスと話し合う前に、他のドライバーを“釣る”ようなことはしない。そしてそれ(話し合い)はまだ行なわれていない。なぜなら我々はシーズンをまとめ上げることを望んでいたからだ。これからどうなるかを見ていくつもりだ」
「我々は合意に基づく関係なため、両方が満足する必要があるんだ」
だが、ハミルトンの離脱が現実のものとなり、かつ他のドライバーが進路を定めていた場合、メルセデスにはあまり多くの選択肢は残されていない可能性がある。しかし、ウルフ代表は結論を急ぐ必要はないと感じているようだ。
「早急に結論へ至らなくとも、特にダメージは負わないと思う」と、彼は言う。
「もちろん可能な限り強力なラインアップを2021年に揃えたいが、まだ丸1年間あるんだ」
「シリーシーズンがもうすぐ始まって、話し合いが始まると思う。だが、我々がいつドライバーラインアップを知るかは重要じゃないんだ」
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