米ゼネラルモーターズのシボレーブランドはSEMAショーで、カマロのドラッグレース仕様「COPO カマロ」をEV化した「eCOPO カマロコンセプト」を披露した。
COPO(Central Office Production Order)は、シボレーの高性能特注仕様に与えられるネーミングで、ドラッグレースに参戦するプライベーターにもスペシャルモデルを提供してきた。それにEVを示す「e」をプラスし、「eCOPO カマロコンセプト」とネーミングされた同モデルは、メーカーとEVドラッグレースのパイオニア、ハンコック&レーンレーシングとのコラボにより製作されたもの。
開発チームはレコードホルダーやハイスクールの技術プログラムの協力も得て開発を実施し、その結果、エンジンの代わりに700馬力と813Nmを発揮するツインモーターを搭載するモンスターが誕生した。そのあり余るパワーはレース仕様AT「ターボ400」を介してリアタイヤに伝えられ、0-400m加速は9秒台を叩き出すとのことだ。
ハイパワーモーターに電力を供給するのは、約80kgの200Vバッテリー4個で構成されるバッテリーパック。800Vという電圧は「シボレー・ヴォルト」の実に2倍超だ。バッテリーのうち2つはリアシートスペースに、残りはトランクに搭載され、44対56というややリアヘビーな重量配分がスタートダッシュに一役買っている。
いかにも戦闘力の高そうなeCOPO カマロコンセプトだが、注目すべきは、EVへのコンバージョンにあたってトランスミッションやドライブシャフトなどのコンポーネントには手を入れていないこと。これは、ボルトオンでEV化が可能なことを意味し、メーカーでは将来的に、EV化を望むプライベーター向けにモーターキットを市販することも視野に入れているようだ。
起動と同時に最大トルクが立ち上がるEVは、ドラッグレースにおいて大きなアドバンテージとなる。ドラッグレースといえば爆音が付き物で、その迫力のサウンドを聞けないのはややさみしい気もするが、大出力モーターの高鳴りが新たなファンを引きつける可能性も秘めている。eCOPO カマロコンセプトは、エコに取り組むメーカーの真面目さと、大人になりきれないクルマ好きの遊び心が同居した1台だ。
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