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1990年代カスタムバイク回顧録・カスタムマシン編【Heritage&Legends】

掲載 更新 23
1990年代カスタムバイク回顧録・カスタムマシン編【Heritage&Legends】

あの頃、1990年代のブームを支えたバイクのカスタムマシンは、どれも荒削りながらも個性や独創性にあふれていた。ネット環境はまだ整っておらず、スマートフォンが普及していなくても魅力的なマシンが生まれれば話題になったものだ。ここではそんなマシンの代表格を振り返ってみる。

オリジナリティとルックスをアイデンティティに突っ走った
1990年代、ブーム時のカスタム車両は確かにどれも個性的で、時代に先駆け、新しい風を吹かせた。ネット環境は一般には広まっておらず、スマートフォンもなく世界がまだ広かった頃、海外のパーツは魅力的で、未知へのわくわく感も大きかった。

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でも、ここでマシンを紹介するのは単にそれらを振り返って「昔は良かった」なんて言うためではない。むしろ、前を向くきっかけなのだ。 簡単だが言っておこう。熱意は生まれ、渦を巻き、大きくなる。大きな渦は成長すると、その後はいったん沈静化する。

アイドルグループだって、流行りのタピオカだってそうだ。すぐ会いに行けるはいつの間にか雲の上に行き、次々出てくる新人や新味はひねりすぎて小粒、苦労が足りない……。次々と似たようなものが出てきてどれがどれだか分からない。じゃあもういいか……。

でも、歴史は繰り返す。そんな沈静化の中に、次の新しい種はあり、それが芽吹いてくる。あの頃のカスタムブームだって、そうやって起こってきた。ネイキッドって何だ? ゼファー? という中に、かっこいいってこういうことだと旗を揚げたショップやプライベーターがいた。そこに火が付き……ということだった。

今は規制やコンプライアンスがまず先に立つような難しい時代だけれど、その中にもう、新しい波はある。そこへ向けて、進むのだ。

YS COMPANY GPZ900R


YSカンパニーのGPZ900Rは当時のカスタムアイコンとなった1台。倒立フォークや補強スイングアームに加えてGPZ-R後継の最強モデル、ZZR1100エンジンを搭載。そのためピボット部を強化しダウンチューブでエンジンを支え、フレームのたわみを防ぐサイド3点サポートを作った。

WHEELIE 750SS
九州のウイリーが手がけた750SSはマービック前後18インチホイールやフォルセラ・イタリアφ42mmフォーク(ステムはワンオフ)に加え、オリジナル製作の右湾曲/左ブレース入りスイングアームで走りを大きく強化。海外製品と自製パーツで大きくアップデートしている。

CLASS FOUR Z2
1980年代末のZ2=750RSの価格高騰も、海外Z1買い付けの動機となった。その中であえてZ2を元にした1台。エンジンはヨシムラパーツ、足まわりはGSX-R流用で仕立て、塗装で個性化。

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YELLOW CORN GPZ900R
イエローコーン車はアップハンやリザーバー別体マスターなど後の定番をいち早く使用した。

BIKE&SPIRIT GSX1100S
バイク&スピリットのカタナは13カ所の車体補強で各所カスタムに対応。

RUDY’S Z1000Mk.II
ロング&ローのチョッパーを日本で、Z系で行ったルーディーズ。外装はZ1に変更し1105cc+ターボ化、きちんと走ることも視野に入れた。

CHASE CB1100F
1982年デイトナ100優勝のフレディ・スペンサー車再現の草分け、チェイス製F。元の情報は少なく、1枚の写真から起こしたという逸話も。

WORKS GSX1100S
既に当時10年落ちとなっていたカタナを元にしたワークス製カスタム。フレームはめっき処理。当時のマグホイール(鋳造)は10年保たないとして信頼性から純正流用を選択、GSX-Rパーツで固めた。

TAVAX Z
市販車ではレプリカ用だったアルミフレームだがタバックスはZ用に1984年に製作、それを公道用に1990年に仕立てたのがこの車両。スイングアームなどもハンドメイドで、ブームを超越した1台。

DAISHIN RZ250
大真工業製RZは、1982年時点で並列2気筒の間に1気筒を加えて3気筒化。左右は後方排気、中央が前方排気で完成。その後写真の前方排気仕様に改めた。

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MIHARA GPZ900R turbo
ミハラスペシャリティのGPZ-Rはアメリカ・ミスターターボ製ストリートターボキットで1.4kg/cm2過給時に200psを狙って公道での加速を重視。

UENO R&D GSX-R1100
ビッグレプリカGSX-R1100は足まわりが純正流用に活用されたが、ウエノR&Dのお客さん、下川さんはそのカウルを外したストリートファイターの元祖的車両を製作。30kg以上軽くなった。

HI-BEAT GPz1100
北海道というロケーションで現れる多彩な走行ステージで心配のないようにとチューニング方向で足まわりを作り上げたハイビート製カスタム。130Wフォグランプは意外でありつつ実用的。

RED MOTOR RZ250
RZ250にTZR250各車やXJR400等のパーツを使い前後17インチ化、TOF(現TOT)用に仕立てたレッドモーターRZ。リヤのリンクサス化フレーム加工も今で言う“エア治具”で位置を考えた。

HI-BEAT RZ250R
オランダのビルダー、ニコ・バッカーが手がけたアルミフレームRZ-Rとして輸入された完成車をベースにハイビートがワンオフ外装等をセットしたユーロカフェ・カスタム。

MUSASHI GSX750S
メンテフリーで速いバイクがあったら面白い、とIII型カタナにGSX-R400R足まわり、750turboのタービン、トヨタのインジェクターとハルテックフルコン等を装備して実用性も獲得したムサシ車。

CLASS FOUR GSX-R750R


“ハリウッドエクスプレス”と名付けられたGSX-R750Rは足まわりノーマル、外観はしっかり仕立てたUSスタイル。アルミフレームもバフ仕上げで魅せた。

DAISHIN ZEPHYR1100
大真工業のゼファー1100はバイクはむき出しで機能パーツもルックス向上になるとして、乾式クラッチやダイレクト式の右片側モノサス、左1本出しマフラーと独自性を追求。

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D&J SPORT CB750Four
1990年当時で20年経過のCB750Fourはパーツがない問題に直面。D&JではZ650ピストンで760cc仕様を作りFZR750ステムやアクロンリムなどのカスタム化でその不安を解決していった。

YELLOW CORN Z1-R”HAM STEAK”
Zカスタムの究極を狙った最高速車&レーサー。カワサキZ1開発時のコードネーム“ニューヨークステーキ”をもじった“ハムステーキ”を呼び名としたZ1-R改。車体は3.50-17/4.50-17サイズのダイマグホイールにφ43mmヤマハワークス用フォーク、エンジンはドラッグ並みの1497cc(MTCφ[66→]85mmピストンによる)で297km /hを記録。

YELLOW CORN ZZR1100
イエローコーンZZRはターボ+NOSで実測320.91km/h。

YOSHIMURA TORNADO1200 BONNEVILLE
トルネード1200ボンネビルはヨシムラが1987GSX-R1100を元に1108cc化など行ったコンプリート車。

WORKS CB1000SF
ワークスは当時登場したばかりのCB1000SFを前後18→ 17 インチ化し自製パーツを装着。

OVER XJR1200
オーヴァーも1994年のXJR発売直後にアルミサイドカバー等を発表と、ボルトオン時代も見えた。

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部
※本企画はHeritage&Legends 2019年10月号に掲載されたものです。

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みんなのコメント

23件
  • あんまりこれ見よがしなカスタムは好きじゃないな
    白のRZと750SSは好み
  • イエローコーン、ワークス、三原スペシャリティ、タバックスエンジニアリング、ダイシン工業、ルーディーズプロジェクト、チェイスモーターサイクル、クラスフォーエンジニアリング、ってとこかな?
    当時は125馬力も出てれば充分で145馬力なんてのはバケモノ扱い、今じゃ市販で200馬力!凄いね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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