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「自動運転」安易な呼称は危険 英研究機関が指摘 各メーカーが声明

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「自動運転」安易な呼称は危険 英研究機関が指摘 各メーカーが声明

もくじ

ー 技術の過大評価に繋がる呼称
ー あいまいな自動運転レベルの定義
ー ドライバーの過信による事故も

自動運転、クルマ好きの敵か グーグル傘下「ウェイモ」中心人物に聞く

技術の過大評価に繋がる呼称

英国保険協会やザッチャム・リサーチは、運転支援技術を「自動運転」と呼ぶことが危険を招いているとの見解を発表した。

このふたつの団体によれば、「自動運転」という呼称により、ドライバーがそれらの技術を過信しがちだとのことだ。これにより、本来ならば回避可能な事故への対応が遅れる傾向にある。

ザッチャムが発表したレポートによれば、「いくつかの運転支援技術に関連したグレーな呼称」に触れている。たとえば、テスラのオートパイロットや、日産のプロパイロットなどだ。これらはドライバーがあらゆる状況での自動運転に対応していると誤解する可能性があるとのことだ。

ザッチャムのトップを務めるマシュー・アヴェリーはいう。「われわれはドライバーの自動運転についての誤解が原因となる実際の危険な場面を調査しています。特に、困難な状況においてドライバーが自らの操作が必要とされていることをよく理解していないことによるものに注目しています」

あいまいな自動運転レベルの定義

運転支援技術はここ最近急激に進歩している。たとえば、メルセデス・ベンツSクラスではアクセルやブレーキの操作を自動化し、30秒間までのハンドル操作もおこなうことができる。しかしアヴェリーによれば、「A地点からB地点まで完全に独立した制御で移動することができるクルマの登場は、まだまだ先のことになるでしょう」という。

彼は付け加える。「その時まで、ドライバーは運転に完全な責任を持つ必要があります。そして現在の技術を過大評価すべきではありません」

多くのメーカーの自動運転技術は現在レベル2(手を放せる)、レベル3(目を離せる)、レベル4(意識を放せる)の段階に位置している。トヨタ研究所のジル・プラットは以前AUTOCARの取材に対し、この3つのレベルが示すニュアンスの違いにより、開発競争が混乱しているとの見解を示した。

「メーカーによる自動運転レベルの評価の違いによる混乱を避けなければなりません。レベル4は特にその場の環境に左右される要素であり、注意深く確認する必要があります」と彼はいう。

日産のスポークスマンはザッチャムのレポートに対する声明を発表した。「プロパイロット・アシストは単なる運転支援装備であり、手や目を離すことはできません。そして高速道路や複数車線の道路での使用を想定しています。このことは販売時に確実にお伝えしています。このシステムは常にドライバーの操作を必要としており、ステアリングから手を離すと解除されるようになっています」

ドライバーの過信による事故も

テスラのスポークスマンもAUTOCARに対しコメントを出した。「われわれの顧客からのフィードバックによれば、彼らはオートパイロットの機能についてよく理解しています」

「オートパイロット使用時には、ドライバーに対しすべての状況下で運転に責任があることを継続的に警告しています。これはドライバーの誤解を防ぐための措置であり、現存する同様の機能の中でもっとも強力なセーフガードです。テスラはオートパイロットがすべての事故を回避できるわけではないことを明示しており、ザッチャムの指摘はあたりません」

テスラは2016年に、ドライバーの誤解を原因とする死亡事故で批判を浴びた。最近でも、ウーバーのテストカーがアリゾナで歩行者と衝突するなど、自動運転技術に関わる事故が数件発生している。

英国での同様の事故を防ぐため、ザッチャムは自動運転技術を搭載した車両についてテストを行い、消費者向けのガイドラインを提供する方針だ。

「この目的はひとびとの安全を確保するとともに、ドライバーがメーカーの想定以上に運転をクルマ任せにしないよう注意喚起することです」とアヴェリーはいう。「運転支援装備をどのように名付けるかは重要な問題です。技術を過大評価するような名称は避ける必要があります。運転をクルマに任せ、ドライバーが他のことをしていられる時代はいずれやってきます。ただ、それは今ではないのです」

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