2024年のWEC世界耐久選手権にBMW MチームWRTから参戦するシェルドン・ファン・デル・リンデはSportscar365に対し、今回WECのハイパーカークラスにステップアップすることを“大きな特権”と表現し、兄のケルビン・ファン・デル・リンデ(アコーディスASPチーム)と同時にル・マン24時間にデビューすることについても喜びを語った。
シェルドン・ファン・デル・リンデは、BMWがチームWRTとともにトップカテゴリーでのWECデビューを果たすための準備を進めるなか、2024年シーズンを戦う20号車BMW MハイブリッドV8のファーストドライバーに決定したばかりだ。
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その名のとおりV8エンジンを搭載するLMDhカーでハイパーカーデビューを果たす南アフリカ出身の彼は、これまでDTMドイツ・ツーリングカー選手権やIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジをはじめとする数々のシリーズをともにしたBMWとの関係を世界選手権の舞台でも継続することとなる。
24歳のファン・デル・リンデは、9つのブランドが集う2024年シーズンのハイパーカークラスを争うドライバーの中でも特に若いドライバーのひとりとなる。彼より若いのはアルピーヌ・エンデュランス・チームのシャルル・ミレッシ(22歳)、ハーツ・チーム・JOTAのオリバー・ラスムッセン(23歳)、イソッタ・フラスキーニと契約したアレハンドロ・ガルシア(20歳)だけだ。
「来年ル・マンに参戦できることが大きな特権であることは明らかだ」とSportscar365に語ったファン・デル・リンデ。
「いつかル・マンでレースをするのは子供の頃からの夢だったんだ。正直なところ、こんなに早く実現するとは思わなかったね」
「僕はまだ24歳だけど、この4年間にBMWのすべてのマシンに乗ってきた。それはとてもクールな功績だし、彼らBMWからの信頼を得た特権でもあると言える」
「でも同時に、これは大きな挑戦でもあるんだ。カレンダーの80%は走ったことがないコースだから、学ばなければならないこともたくさんある」
■兄弟がふたり同時にル・マンに参戦
ファン・デル・リンデは、レクサスRC F GT3でLMGT3クラスに参戦するアコーディスASPチームに加入し、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・エンデュランスカップの王者ティムール・ボグスラフスキーとアーノルド・ロビンとともにレースを戦う兄ケルビンと、WECとル・マンのグリッドを分け合うことになる。
5つ年上のケルビンがレクサスに移籍したことについて、弟のファン・デル・リンデは「とても予想外だった」としながらも、他の主要イベントや選手権で成功を収めてきた兄のキャリアを継続させるというアイデアは気に入ったと付け加えた。
「彼が連絡を受けて数週間前に僕に伝えてくるまで、ふたり揃って来年のル・マンに参戦するなんて思ってもいなかったよ。ふたり同時にル・マンに参戦するなんて素晴らしいことだ」
「僕たちはほとんどすべてのレースで一緒に戦ってきたし、大きなレースはすべてそうだった。ニュルブルクリンク24時間もそうだし、今回のル・マンもそうだ。本当にクールだよね。ローレンスとドリス(のファントール兄弟)もそこにいると思うから、ふたつの兄弟が揃うんだ。僕らにとって間違いなくクールなことだよ」
■BMWと築いた信頼関係は世界選手権の舞台へ
ファン・デル・リンデはヨーロッパでのプロトタイプカーのドライブ経験はなく、未経験のまま今回のステップアップを迎えることとなった。
しかし彼は、2023年シーズンのIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権内の“ミシュラン・エンデュランス・カップ”で、コナー・デ・フィリッピとニック・イェロリーとともに3つのレースを戦っており、とくにセブリング12時間で2位を獲得し、BMWにとって初となるGTPクラスでの成功を収めたことがWECのドライバーラインアップに加わった大きな理由であると考えられる。
「この3年間、BMWは僕に充分な信頼を置いてくれた」とファン・デル・リンデは語り、WECデビューへの意気込みを述べた。
「今年はIMSAのエンデュランス・カップでこのマシンをドライブしたし、このマシンでの充分なレース経験も僕を助けるだろう。IMSAでの経験がなかったら、おそらくハイパーカーですぐにWECに参戦することはなかったと思う。だから、それは間違いなく助けになっていると思うんだ」
「でも、24歳でハイパーカーに乗るというのは、ドリス(・ファントール/BMW MチームWRT)と並んでグリッドでもっとも若いドライバーのひとりだと思うし、とても名誉なことだよ。楽しみにしているし、彼らのためにパフォーマンスを発揮して、僕に信頼を寄せてくれたBMWに報いたいね」
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