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FIA、マクラーレンの“ミニDRS”は検査に合格と強調も、詳細な調査を実施、追加措置の必要性を検討へ

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FIA、マクラーレンの“ミニDRS”は検査に合格と強調も、詳細な調査を実施、追加措置の必要性を検討へ

 マクラーレンのリヤウイングの柔軟性について、ライバルたちが注目するなか、FIAは、このデザインはすべてのテストに合格しており、規則に則ったものであると述べた。一方で、詳細な調査を行っており、今後、追加の対策が必要かどうかを検討する意向であることも示した。

 前戦F1アゼルバイジャンGPで優勝したマクラーレンだが、MCL38のリヤウイングが合法なのかどうか、議論が持ち上がっている。マクラーレンのリヤウイング構造の上部フラップは、高速走行時に後方に倒れ、それによりスロットの隙間が広がることが、ビデオ映像において判明した。これは、空気抵抗を減らし、トップスピードを上げる効果をもたらしているように推測される。

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 これはドラッグリダクションシステム(DRS)に似た機能だが、ドライバーが作動させるものではない。

“ミニDRS”とも呼ばれるこの機能は、すぐにライバルチームの注目を集め、このウイングの柔軟性について、合法なのかどうか、説明を求める声が上がった。

 FIAはこうした懸念を受け、すべてのマシンの柔軟性を注意深く監視していると改めて確認するとともに、バクーで収集したデータを精査して、マクラーレンによるデザイン、あるいは他チームの同様のデザインについて、介入が必要かどうか判断すると示唆した。

 今週末のシンガポールGPを前に、FIAは現在の立場を説明する声明を発表した。

「FIAはすべてのマシンのボディワークの柔軟性を注意深く監視しており、シーズン中いつでもチームに修正を要求する権利を留保している」と声明には記されている。

「しかし、チームがすべてのたわみテストに合格し、レギュレーションと技術指令書に忠実である場合は、完全に準拠しているものとみなされ、それ以上の措置が取られることはない」

 マクラーレンのマシンは標準的なピットレーンでのたわみテストに合格している。しかし、それだけではこのデザインが、ウイングの柔軟性に関するFIAのより広範なガイドラインに沿っていると保証されるわけではない。

 技術指令書TD34に関連して、懸念が生じている。この指令書は、静止状態にあるFIAの検査時とコース上とで、ウイングのたわみ特性が異なっていてはならないと規定したものだ。

 この指令書では、「構造特性が二次的パラメータによって変更され、静止状態で行われるFIAの検査時と異なるたわみ特性を(トラック走行中に)生み出す」デザインは、合法とはみなされないとされる。

 これらの二次的パラメータの例には、温度や空力負荷などの要因が含まれている。

 現在マクラーレンがこの論争の中心となっているが、他のチームも同様のリヤウイングの挙動について調査を受けている可能性があることを、FIAは示唆している。

 FIAは進行中の調査の一環として、潜在的な抜け穴に対処するために新たな規制措置が必要かどうか評価を行っている。

「FIAは現在、バクーでのグランプリで明らかになったデータと追加証拠を調査しており、将来実施する緩和策を検討している」とFIAは、今回発表した声明において述べた。

「これは技術的な合法性を精査する際の標準的なプロセスの一部であり、FIAは必要に応じてシーズン中に規制変更を導入する権限を保持している」

 シーズンが進み、競争が激化するなかで、FIAの調査結果は、デザインとパフォーマンスの限界を押し広げようとしているチームにとって大きな影響をもたらす可能性がある。

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