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ランボルギーニ・ウラカン、最終章へカウントダウン 「テクニカ」が示した先進性・普遍性とは

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ランボルギーニ・ウラカン、最終章へカウントダウン 「テクニカ」が示した先進性・普遍性とは

「世界最高峰」と「技術革新」への決意

ランボルギーニが、約10年間という期間において、過去最高となる生産台数を記録したガヤルドの後継車として、ウラカンを発表したのは2014年のことだった。

【画像】ウラカン・テクニカの機能美と、日本の美【じっくり見る】 全51枚

先日そのウラカンの歴史に幕が引かれるという話を耳にした時、“なぜそんなに早く”というのが自分自身の率直な感想だったのだが、考えてみればウラカンもまたガヤルドと同様の生産期間の中で、明らかにそれを超える生産台数を実現した、ランボルギーニにとっては成功作の1つとなっていたのだ。

この間、世界の技術的な潮流はCO2排出量ゼロを目指すための電動化へと変わり、ランボルギーニもまた、2021年5月には「ディレッツィオーネ・コル・タウリ(コル・タウリに向かって)」なるタイトルのもと、将来誕生するランボギーニ車、そしてサンタアガタ・ボロネーゼの本社施設の脱炭素化を目差す中期計画を発表している。

コル・タウリは牡牛座で最も明るい恒星。

電動化を進めても、ランボルギーニは世界最高のパフォーマンスとドライビングダイナミクスを持ち続けるという決意、そしてそのための技術革新を続けていくことが主張されている。

ランボルギーニから、初のフル電動化モデル(BEV)が誕生するのは2020年代の後半になると予想されているが、それ以前にはハイブリッドモデルが続々と市場に送り出されることになるだろう。

テクニカ、ステラート その先は?

一説にはウルスのマイナーチェンジでPHEVのシステムが導入されるのではという噂もあったが、残念ながらそれは実現しなかった。

そうなると考えられるのはウラカンの後継車であり、純粋に自然吸気エンジンのみを動力源とするスポーツカーは、ウラカンの生産中止によって幕を閉じることになるわけだ。

ここではランボルギーニがウラカンのファイナルモデル的な意味合いを込めて(実際には車高を高めたオフロードタイプのウラカン・ステラートが11月末に登場する予定となっているが)発表した「ウラカン・テクニカ」の詳細を解説しながら、ほぼ10年にわたるウラカンの進化、そしてランボルギーニの魅力とは何かを解説していくことにしようと思う。

ウラカン・テクニカのデビューに先立って、ランボルギーニは特にサーキット走行にフォーカスした「STO」を発表している。

そのエクステリアのフィニッシュ等を見れば明らかなように、テクニカとSTOはその狙うべきベクトルが互いにまったく異なるモデルといえる。

同じ640psという最高出力、57.6kg-mの最大トルクを持ちながらも、そのシャシーの味つけさえも確実に異なる。

テクニカはオンロードからサーキットまで、オールマイティな使い方ができるモデルに仕上げられているのだ。

革新と普遍性 響き合う「美しさ」

その美しさ、そして端正な佇まいは、今回撮影のロケーションに選ばせていただいた高級旅館、山梨県甲府市の常磐ホテルのエントランスにも実に良く似合う。

この旅館の庭園は、アメリカの日本庭園情報誌で常に上位にランキングされ、日本庭園ランキングで2012年、2013年には3位の座に輝いた実績がある。

デザイナーのフィリッポ・ペリーニは、ウラカンやアヴェンタドールのデザイン時に、常にその鋭いシェイプを生み出すために、日本の「折り紙」を意識していたというから、今回のウラカン・テクニカも、折り紙の鶴の如く、この景色にはぴったりとくるのが当然といえば当然なのだろう。

その基本デザインをテクニカのために見直したのは、現在のチーフ・デザイナーである、ミーティア・ボルケート。

先日ペブルビーチ・コンクール・デレガンスの場で会った彼の話によれば、リニューアルの基本コンセプトはより伸びやかなデザインを意識させること。

そのためにフロントバンパーの造形やカーボンファイバー製のエンジンフード、固定式のリアウイング等々を新たにデザイン。リアクオーターパネルのパネルも取り外すなど、さまざまなリニューアル策を施している。

もちろんこれらの作業はエアロダイナミクスの向上にも貢献しており、テクニカのダウンフォース量は最大値で35%増加しているということだ。

切り取りたい、感性に訴える“ひとコマ”

インテリアのフィニッシュも、スポーティな感覚に持ち溢れている。

装着されるスポーツシートは、その座り心地もホールド性も十分に満足できるもの。ボディカラーと同色のアクセントカラーがシートやトリムに入るのも、キャビンを明るく演出してくれる大切な要素。

メーターパネルは、ANIMA=ドライブモードを変化させることでそのデザインも同時に変わる趣味性の強いものだ。

ミドに搭載されるエンジンは、おそくはウラカンの後継車には継承される可能性が低いと思われる、5.2L仕様のV型10気筒。

その歴史を振り返れば、ガヤルドのファーストモデルの5L仕様で、わずか500psの最高出力で始まったこのエンジンだが、途中排気量拡大などのチューニングを受け、このテクニカにおいては前でも触れたとおり640psを発揮。

それに7速DCTを組み合わせ、後輪のみを駆動するところが、これもまたテクニカのドライブにおける大きな楽しさといってよいだろう。

V10自然吸気ランボ、クライマックスへ

ミドのV型10気筒エンジンの発する官能的なサウンドを存分に味わうことは、今回は残念ながらできなかったが、それでも耳はいつまでもその力強くビートを刻むBGMを忘れることはない。

電動化によって、ランボルギーニはより高いパフォーマンスも、そしてより高い環境性能を得ることもできるだろう。

唯一の不安はそのサウンドがどのように変わってしまうのか。

ガヤルド、そしてウラカンで親しんだV型10気筒自然吸気、そしてアヴェンタドールで体験したV型12気筒自然吸気。それらのみを搭載したミドシップスポーツの時代はまもなく終わりを告げる。

ランボルギーニの次なる一歩。

おそらくは来年以降、続々と誕生してくるだろう新世代のファイティングブルに、今はまず大きな期待を寄せようではないか。

ウラカン・テクニカは、その佇まい、そしてそこから発せられるオーラの中で、それを我々に強く訴えかけてくれるモデルだった。

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みんなのコメント

2件
  • ウラカンもこの後プレミア付くので売却せず持っていようと思う。
    V10が終わってV8、V6になったらつまんないね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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