前日に実車が初めてお披露目されたスーパーGT、ホンダの2024年GT500新型マシン、シビック・タイプR-GTが7月25日、岡山国際サーキットでシェイクダウン走行を行った。シビック・タイプR-GTは今回の岡山での走行がまったくの初走行。多くのホンダ、そしてHRC関係者が見守る中、順調に周回数を重ねる姿が見られた。
2日間の予定で行なわれた今回の3メーカー合同テストでは、3メーカーそれぞれが2024年型のマシンを走行させるテストとなった。ホンダのシビック・タイプR-GT、そしてトヨタはGRスープラ GT500、ニッサンはNissan Z GT500をそれぞれ各1台ずつ走行させた。
5ドアベースでもポテンシャルは低くはない。前面投影面積の小さと、NSXと比べたシビックの利点
シビック・タイプR-GTのシェイクダウンのステリングを握ったのは、山本尚貴。ピットウォールでは野尻智紀の姿も見られ、今回は山本と野尻のふたりのドライバーが担当するようだ。
セッション開始から少し経ってコースインしたシビック・タイプR-GTは、アウトラップを経てストレートを通過。その姿をHRC渡辺康治社長含め、多くのホンダ、HRC関係者が見守った。
シビック・タイプR-GTは走り始めからGRスープラ、ニッサンZと同等のタイムで走行。前日の取材時には「今回はシェイクダウンですので、NSXとはかなり違っているシミュレーションの数値と実走の数値の確認が主な作業になる」(徃西友宏HRC車両開発担当責任者)、「大量の計器類を搭載していて重いので、テストでの(他社比較の)タイムは気にしていません」(佐伯昌浩HRCスーパーGTプロジェククトリーダー)と話していたが、初日午前のセッションでは3車が10周~15周を走行した時点でタイムシートのトップに立つなど、ライバルと遜色ないタイムで走り出している姿が見られた。
一方のGRスープラ、そしてニッサンZは基本的には今季と同じパッケージをベースに走行している模様だが、Zは6月に北米日産で発表されたニスモバージョンに変わっている模様で、コースサイドからはフロントノーズ、グリル形状に変化が見られた。現在のGT500車両規定、そして現在のモノコックの使用が2024年まで1年延長されており、基本ベースは変わらないが、各社、今回のテストでは新しい空力パーツのテストなどを行うことが予想されている。
午前のセッションでは走行40分を過ぎたあたりでGRスープラがアクシデントかトラブルがあったか、最終コーナー手前のマイクナイト・コーナーで飛び出し、アウト側のタイヤバリアにクラッシュ。赤旗中断となり、約15分後にセッションは再開された。GRスープラはその後、午前のセッションではガレージで修復作業を続けることになった。シビック・タイプR-GTは午前のセッションで33周の周回数を重ねている。
今回のテストは一般客も入場できることから、平日の昼にも関わらずスタンドにはちらほら観戦するファンの姿も見られた。 J SPORTSでもテスト初日はライブ中継が行われるなどスーパーGTファンの注目を集めているが、パドック内やピットレーンでの撮影が規制されるなど、GT500らしい緊張感の中で2日間のテストが行われている。
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