MotoGPは2020年最初のテスト(2月7~9日/セパン・サーキット)を間近に控えているが、アプリリアは非常に悩ましい状況に置かれている。
レギュラーライダーのアンドレア・イアンノーネにドーピング疑惑が浮上し、暫定的な資格停止処分を受けたことがその原因だ。イアンノーネは一貫して自身の潔白を主張しており、2月4日にはFIMの国際懲戒裁判所の審理に出席すると見られている。
■ドーピング疑惑のイアンノーネ、再検査も陽性か。食品の汚染が原因と弁護士主張
コンセッション(優遇措置)の適用を受けているアプリリアは、2月2~5日に行なわれる新型マシンのシェイクダウンにもレギュラーライダーを参加させることができる。しかし、イアンノーネがFIMの処分決定を待つ状況では、チームは貴重なテストの機会を棒に振る事態となりかねない。
さらにアプリリアは全面的に再設計を行なったV4エンジンを搭載する、全く新しいマシンをテストへ持ち込むとしているだけに、従来型でシーズンを戦った経験を持つレギュラーライダーの欠席は、大きな痛手となるはずだ。
アプリリアレーシングCEOのマッシモ・リボラはイタリアの新聞『Corriere della Sera』のインタビューに応え、イアンノーネの潔白を信じていると語った。ただ、制裁が長期間に及んだ場合、イアンノーネとの契約を破棄することを示唆した。
「アプリリアは彼と非常に緊密な関係がある。人間というのはいろいろなモノの影響を受けるものだ。『彼は下着の広告に出ていて、“鍛えられた"体を晒している……ドーピング陽性でも不思議じゃない』とね。でもそんなことはないんだ」
「去年、アプリリアに加入した彼を体重計に載せた際、私は『アレイシ(エスパルガロ)は10kgも君より軽い。ダイエットする必要があるな。トレーニング内容を変えるんだ』と話した。そして彼は懸命に取り組み、7月には6.5kg絞ってきた。それなのになぜ体重を増やす蛋白同化ステロイドを摂る必要があるんだ?」
「もし彼が1年、2年の出場停止処分を受けたなら、我々の関係は終わりに向かうだろう。もしも懲戒や3カ月の制裁なら、“無罪”とみなすことになると思う」
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