6月23日、アメリカ・カリフォルニア州モントレーにあるウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカにて、2024年NTTインディカー・シリーズの第8戦『ファイアストン・グランプリ・オブ・モントレー』の決勝が行われ、チップ・ガナッシ・レーシングのアレックス・パロウがポール・トゥ・ウインで今季2勝目を飾った。
第8戦の舞台となるラグナ・セカは、全長3.6kmを11のコーナーで繋ぐロードコース。アップダウンが大きく、名物コーナーの『コークスクリュー』がある伝統のコースだ。
全95周で争われる決勝レースは、気温19度、路面温度54度の晴れ空のもと、ポールシッターのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)を先頭にローリングスタートが切られた。
迎えたスタートでは1コーナーから、2番手カイル・カークウッド(アンドレッティ・グローバル)が先頭パロウに並びかけ、アウトからオーバーテイクに成功。早くもレースリーダーに躍り出る。
さらにはアレクサンダー・ロッシ(アロウ・マクラーレン)が4番手、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が7番手にポジションを上げ、クラッシュ等のないクリーンなスタートが切られた。
先頭集団のタイヤ選択はハード寄りのプライマリータイヤ(通称ブラック)となったが、周回を重ねる首位カークウッドはうまくペースを上げられない様子。先頭集団は僅差のまま、23周目に4番手のロッシが先行ピットインを選んだ。
ロッシはソフト寄りのオルタネートタイヤ(通称レッド)に交換し、ペースアップを図る。この動きを見た上位勢は4周以内に次々とピットへ向かうも、ロッシはアンダーカットを成功させて首位に立った。2番手にはハータが続く。
35周目には後方を走っていたルカ・ギオット(デイル・コイン・レーシング)が単独スピンを喫し、ここで1度目のフルコースコーションが導入。このタイミングでパロウ以外の上位勢が次々とピットインし、ハータ、ロッシ、カークウッドの順で隊列に復帰する。
40周目には、パロウを先頭にリスタートするもノーラン・シーゲル(アロウ・マクラーレン)が単独スピンアウトを喫して再度フルコースコーションが導入され、43周目に2度目のリスタートが切られた。
ここでピットタイミングをずらした首位パロウは、中団でピットイン組の先頭を走るハータに対して1周1.5秒ほど速いラップタイムで走行を開始。驚速ペースでぐんぐんとリードを広げ、55周目には約20秒を築いて2度目のピットインを行った。
ハータ、ロッシの後ろの3番手で復帰したパロウは、新しいレッドタイヤでプッシュし2台をスムーズに攻略。64周目にはトップに返り咲いた。68周目になるとハータ、ロッシらが3度目のピットインを選択し、70周目にパロウもタイミングを合わせて3度目のピットへ向かう。
先頭集団は順位変動なくコースに戻り、95周のレースは終盤戦へ突入。しかし、ここから展開はさらなる荒れ模様となり、75周目にマーカス・アームストロング(チップ・ガナッシ・レーシング)がコースオフして3度目のフルコースコーションが導入される。
再開後も82周目にジャック・ハーベイ(デイル・コイン・レーシング)がエンジントラブルを起こし4度目、90周目にはキッフィン・シンプソン(チップ・ガナッシ・レーシング)とグラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン)の接触により5度目が導入されるなど、レースはリスタートを繰り返すことに。
残り4周のタイミングには最後のリスタートが切られ、抜群の蹴り出しで首位を守ったパロウがハータとのスプリント対決を制してポール・トゥ・ウインで今季2勝目を飾った。
2位はハータ、3位には今季初表彰台のロッシが入り、ノンハイブリッドエンジンでのラストレースはホンダのワン・ツーフィニッシュとなった。
2024年NTTインディカー・シリーズの次戦は、7月5日から7日に『ホンダ・インディ200・アット・オハイオ』として開催される第9戦ミド・オハイオ。オハイオ州のミド・オハイオ・スポーツカーコースを舞台に、ハイブリッドエンジン導入初戦として行われる第9戦からインディカーは新時代に突入する。
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