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ボードトラッカーとは? 100年前から現在までを紐解きます

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ボードトラッカーとは? 100年前から現在までを紐解きます

■木の上を走る!?ボードトラッカーって何?

 ボードトトラッカーを語る上で欠かせないのがボードトラックレースでしょう。競輪のような自転車競技が1900年代のアメリカで行われていました。このコースは競輪のコースのような楕円に角度ついたもので、路面には木の板つまり「ボード」が使われていました。

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 そして、練習で自転車を牽引するためにバイクを使っていました。1910年代、いつしか自転車ではなくそのバイクを改造してこのコースで走らせる競技に発展していきました。これがボードトラックレースの始まりとされています。そして、そのボードトラックを走るバイクの意味からボードトラックレーサーと呼ばれるようになりました。

 では、そんなボードトラックレーサーにはどんな特徴があるのでしょうか。まず、細長いガソリンタンクに、低い角度で付けられたバーハンドル、フロントやリアにもサスペンションはありません。トラックレースなので左にしか曲がることはなく、そのためマフラーは右側の低い位置についていました。大排気量のエンジンにも関わらず、クラッチもブレーキもありません。これらのモンスターマシンは時速150キロ近くで木の上を走っていました。スポーツスターのチェーンが右側にあるのは、左回りのレースが由来となっています。

 ボードトラックレースは、世界恐慌やマシンのメンテナンスが難しいことから徐々に衰退します。しかし、豪快なスピードと熱狂はダートトラックレースやフラットトラックレースに受け継がれていきました。

 このトラックレースがアメリカのバイク史に多大な影響を与えたと言えます。フラットトラックレースは学校の校庭のトラックのような土のコースを走る競技です。コースの土を巻き上げながら荒々しいドリフト走行をする姿は圧巻と言えます。

 歴史の中でも、ハーレー「XR750」は半世紀以上に渡ってトラックレースで活躍してきた名トラッカーです。この「XR750」はあまり聞いたことがない方も多いのではないでしょうか。なぜなら、このバイクはハーレーがレース専用として設計したマシンなのです。当然公道を走ることはできません。ですが、レースで培ったノウハウやデザインは、スポーツスターシリーズなどに反映されていることが伺えます。

■今でも受け継がれている意志! 現代版のトラッカーとは?

 そんな「トラッカー」ですが、現在ではどのようなスタイルになっているのでしょうか。

 先ずはハーレー「XG750R Rev X」をご紹介します。同社の「ストリート750」と「ストリートロッド」をベースに競技車としてカスタムされたバイクです。特徴として、ライト類、フロントブレーキが外されています。そして、ラジエターからシート、フェンダー類、ベルトドライブからスポーツ向けのチェーンドライブなどに変更されています。さらにスイングアームや、サスペンションもダブルではありません。エンジンの水冷化とキャブレターをインジェクション化した現代版「XR750」と言ってもいいでしょう。

 そして、フラットトラック界に新たな名車として君臨しているのがインディアン「FTR750」です。インディアンはアメリカ初のバイクメーカーでした。当然、ボードトラックレースにもインディアンのバイクは使われていました。つまり、この時代からハーレーとインディアンの戦いの歴史があったのでしょう。そんなインディアンの現代版競技用トラックレーサーが「FTR750」です。

 さらに、インディアンから「FTR1200」がラインナップに加わっています。インディアンと聞くとクルーザータイプのラインナップが多いですが、こちらは全く違う個性的なデザインと言えます。競技車である「FTR750」の血統を受け継ぎつつ、トラスフレームやLEDライト類、ABS、タッチパネルスクリーンなどを装備し、公道でも走れる現代版トラッカーとして登場しています。

 また、日本のバイクもレースに参加しています。例えば、ヤマハ「MT-07」もトラックレーサーとして活躍しています。ヤマハUSのワークスマシンとして排気量も750ccまでにボアアップされており、フレームに関して競技専用の設計のものが使われています。また、カワサキでは「Ninja650」も活躍しています。おそらく殆どの方が「Ninja」と言われるまで気が付かない外見でしょう。日本のロードスポーツバイクが、ダートコースを走るのは中々珍しい光景ではないでしょうか。

※ ※ ※

 トラッカーと呼ばれるバイクの歴史は、アメリカのボードトラックレースが深く関わっていました。後に、フラットトラックレースやダートトラックレースに姿を変えていきます。同じようにトラッカー達もその時代に合わせて姿を変えていきました。現在でもその文化は途絶えることはなく、トラックレースの聖地であるアメリカではアメ車対世界のバイクの戦いが繰り広げられています。

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