フェラーリは6月29日、同社のスーパーカー『SF90 ストラダーレ』をベースとした公道走行可能なスペシャルモデル『SF90 XXストラダーレ』および『SF90 XXスパイダー』を発表した。
フェラーリはこれまでに488ピスタや812コンペティツィオーネといったモデルを“跳ね馬”のベンチマークとして世に送り出す傍ら、20年にわたって“XXプログラム”の開発を行い、FXX-Kエボなどに代表されるサーキットユースを前提とした究極のモデルを発表してきた。
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ロードゴーイングカーと究極を目指すXXプログラム。このふたつの分野で得られた経験を活かし、両プログラムのコンセプトを最大限に実現した公道走行可能なモデルとして開発されたのがSF90 XXストラダーレだ。
V型8気筒ツインターボエンジンに3基のモーターを組み合わせたパワートレインの出力は1030psに達し、公道モデルとしては『F50』の時代以来となる固定リヤスポイラーを含めた空力パッケージは250km/h時に530kgものダウンフォースを発生させる。
オープントップモデルのSF90 XXスパイダーは、これにフェラーリお得意のRHT(リトラクタブル・ハードトップ)を備えており、オープンエア・ドライビングの喜びも味わうことができる。RHTは車速45km/hまでは走行中でも操作が可能となっており、アルミニウム製のパネルとカーボンファイバー製のルーフで構成され、わずか14秒での開閉を実現している。さらにSF90 XXスパイダーは、コックピット周辺の気流を制御し、ルーフを格納した際の快適性を確保するための開発も行われた。
ふたつのモデルに搭載される4.0リットルV型8気筒ツインターボエンジン、『F154FB』はSF90ストラダーレに搭載されているものがベースだが、吸排気ダクトのポリッシュに加えて燃焼室への特殊な機械加工と新ピストンによる圧縮比の引き上げなどを行い、797ps(586kW)を誇る過激なエンジンに仕立てられている。二次空気導入装置を排することでエンジンの重量を3.5kg軽量化している点にも注目だ。
このICEに組み合わされる3基の電気モーターは233ps(171kW)を発生する。3基のうち1基はV8ユニットとギヤボックスの間、2基はフロントアクスルに位置し、ICEが停止していてもフロントのモーターが135km/hの最高速度を保証できるという。バッテリー容量は7.9kWhでフル電動モードでの航続距離は25kmだ。
SF90 XXストラダーレおよびSF90 XXスパイダーは、“XXモデル”として初めて、ファクトリーのゲートを出て、跳ね馬が誇るサーキットでのテクノロジー、空力効率、パワーの頂点を公道に持ち込むモデルだ。フェラーリがF1に導入し、今やポピュラーなものとなったSダクトをはじめとするエアロダイナミクスや、『296 GTB』から採用されているABS EVOコントローラー、『デイトナSP3』で導入されたギヤボックスの変速ロジックなど、これまでに培われたフェラーリの技術が詰め込まれ、究極のロードゴーイングカーと呼ぶに相応しい仕上がりとなっている。生産台数は『SF90 XXストラダーレが』799台、『SF90 XXスパイダー』が599台のみの限定生産となる。
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