すぐ手に入る「新車」は何？「プリウス」は約2年待ちでもトヨタ小型車は2か月で納車！ 軽・コンパクトが納期短めな訳

■納期が長すぎて受注停止するモデルも存在

　半導体不足などの影響で、新車の購入契約をしてから納車されるまでの納期は、昨今は解消されつつあるとはいえ、依然として長いです。
　
　時期によって大きく変わり、販売会社でも異なるために一概にはいえませんが、2023年4月中旬時点の人気車の納期はどうなっているのでしょうか。販売店に聞いてみました。

　まずトヨタは納期の長い車種が目立ちます。

「新型『プリウス』の売れ筋である2リッターエンジンのGやZは、納期が2年弱と長いです。プリウスのなかでもプラグインハイブリッドのZは短めですが、それでも約1年を要します。

『ノア』と『ヴォクシー』のハイブリッドも約1年かかります。

『クラウンクロスオーバー』は1年弱で、『ランドルーザー』『カローラクロス』『ヤリスクロス』は納期が大幅に伸びたこともあって受注を停止しています」

　日産は「『フェアレディZ』と『アリア』は納期が長引いた結果、受注を止めました」とのこと。ホンダは「『ステップワゴン』『シビック』『ZR-V』は少なくとも1年はかかります」と返答されました。

　メーカーの開発者はいわく、納期にはいろいろな条件が関係しており、世界各国で販売される車種では海外市場のニーズも影響するといいます。そのため、改良などが予定されている車種は事前に受注を停止することがあるのです。

　例えば納期が2年を要する車種が、1年半後に大幅な改良を控えているとすれば、現時点ですでに改良後のタイプを受注せねばなりません。

　しかし1年半前の時点で、改良モデルのデータや価格などは決まっていないため、まだ受注できません。そこで受注自体を停止するわけです。

　全体的な傾向を見ると、スポーツモデルやSUVといった趣味性の強い車種は納期が全般的に長いです。大量に販売されるクルマではなく、欲しいユーザーは納期が遅延しても気長に待ってくれる事情もあるからです。

■すぐに新車が欲しいなら軽・コンパクトがおすすめ

　一方で、軽自動車やコンパクトカーなど、価格が比較的安い車種は納期も短めです。ここでは納期が短く、購入しやすい車種を紹介しましょう。

　まずは軽自動車が挙げられます。ダイハツの販売店によると「軽自動車は納期が比較的短く、『タント』や「ムーヴ」であれば、3か月から4か月で納車できます。

『ムーヴキャンバス』などは、少し長いですが、6か月は掛かりません。このほかすぐに納車できる在庫車もあります」とのことです。

　スズキは「『ジムニー』と『ジムニーシエラ』は納期が依然として長く、1年以上掛かります。しかしほかの軽自動車は比較的短いです。

『スペーシア』や『ワゴンRスマイル』は5か月ほど掛かりますが、6か月までは延びません。在庫車もあります」と述べました。

　ほかのメーカーの軽自動車はどうでしょうか。ホンダは「小型車や普通車には、納期が1年に達する車種もありますが、軽自動車は短く、人気の高い『N-BOX』でも6か月以内に収まります。『N-WGN』はさらに短いです」とのことです。

　日産は「軽自動車では『ルークス』が2023年6月下旬にマイナーチェンジを実施するため、受注を止めていました。これを再開して、納期は今のところ約4か月です。また『デイズ』も4か月あれば納車できます」とのことです。

　ルークスと基本部分を共通化した、三菱の軽スーパーハイトワゴン「デリカミニ」はどうでしょうか。

　販売店に尋ねると「納期は約4か月ですが、人気が高いので、今後は延びるかも知れません」とのこと。約9000台を受注したことも話題になっている割には納期が短いようです。

　次はコンパクトカーです。トヨタの販売店は「『ヤリス』と『アクア』は約5か月ですが、『パッソ』は2か月から3か月と短いです」とコメント。日産は「ノート」が3か月程度、ホンダは「フィット」が今は6か月以上になるとの返答でした。

　スズキは「『エスクード』や『スイフト』も軽自動車と同様に納期は短めで4か月から5か月です」とのことです。

　このように、軽自動車とコンパクトカーは納期が全般的に短く、2か月から6か月で納車される車種が多いです。

　軽・コンパクトカーはコスト低減のために、エンジン、プラットフォーム、各種の装備が複数の車種で共通化され、普通車に比べると使われる半導体などの部品点数も少なく、そのために納期も短縮されるというわけです。

　なるべく早く新車が欲しいなら、軽やコンパクトカーは狙い目でしょう。即座に納車できる在庫車も選べます。

　逆にSUVは、コンパクトサイズでも納期が長いです。前述の通り、カローラクロスとヤリスクロスは受注がストップしており、ZR-Vや「ヴェゼルe：HEV」も約1年、あるいはそれ以上です。

　ミニバンはさまざまです。前述の通り、ノア・ヴォクシーのハイブリッドとステップワゴンは約1年ですが、日産「セレナ」は、ガソリン車が約4か月で、e-POWERは約6か月との返答でした。

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　納期には、カテゴリーによって一定の傾向がありますが、時期や販売会社によっても異なります。

　購入の候補車種が決まったら、最寄りの販売店で納期を確認して、変動することを前提に早めの段階で購入スケジュールを立てると良いでしょう。

Comments

今車を持ってるなら、無理に新車買わなくてもいいのでは？

トヨタの2022年度の生産台数は前年度比６・５％増の９１３万２４７台と過去最高を更新したはずなのに日本では納期の遅延がまだ続いてる。
どういうことなのか誰か説明してください。（特にメディア）