動く映画館 イタリアからスーパーSUV登場
イタリアと米国のEV新興メーカー、アエラ(Aehra)は、クルマを移動映画館に変える「ホームシアターモード」を搭載した新型SUVを発売する予定である。価格は18万ユーロ(約2500万円)から。
【画像】先鋭的なイタリアン・スーパーSUV、2025年生産開始なるか【アエラの電動SUVをライバルと写真で比較】 全81枚
ダッシュボード上部の大型モニターを搭載し、駐車時にフロントガラス全体を覆うように上方に伸びる仕組みとなっている。映画鑑賞だけでなく、ラウンジやミーティングモードも備わっているという。いずれも停車中にのみ使用できる。
全長3mのモノボディシャシーとショートオーバーハングによって室内空間を確保し、そのスペースを最大限に活用することを目指している。平均身長2m弱のNBAバスケットボール選手4人が「快適」に乗れる大きさだという。
アエラはこの新型車について、最高出力800psと800kmの航続距離を持つ電動SUVであり、BMW iXやメルセデス・ベンツEQS SUVなどの「超高級車」市場を揺るがすモデルであると語っている。
容量120kWhのバッテリーを使用し、3基のモーター(フロントアクスルに1基、リアに2基)を搭載する四輪駆動となる。
なお、車名は公表されていない。アエラは、「(セグメントを)狭めてしまうような車名にはしたくない」と述べた。
ユニーク装備盛り込み 2025年生産へ
アエラのチーフデザイナーであるフィリッポ・ペリーニは、ランボルギーニのデザイン責任者としてウルス(新型SUVのデザインのインスピレーションを得たようだ)の制作などに携わった。新型SUVの車体形状は、空気抵抗の低減、ブレーキやバッテリーの冷却性、効率性を考慮したものとなっている。
ペリーニは、次のように述べている。
「当社はこのSUVで、従来のSUVの基準を大きく超え、スタイルと快適性の新しいベンチマークを設定します」
「かつてイタリアで広く採用されていたものの、今ではスーパーカーにしか使われないモノボディ構造を採用しました。SUVのデザイン、走行特性、効率において中心的な役割を果たすエアロダイナミクスについても、同様に先鋭的なアプローチをとっています」
4枚の上開きシザードアや、レーシングカーのようなサイドミラーカメラ、フロントとリアのアクティブエアロなど、個性的な装備も特徴の1つ。
一部のEVでは、加速時などに車載スピーカーから音を出すモデルもあるが、デザイン担当者のアレッサンドロ・セッラは、「(音を)追加する必要はない」としている。
アエラによると、現在公開されている性能やデザインが実現できるかどうかは、サプライヤーとのパートナーシップ次第だという。しかし、「95%」はこのまま実現可能だとしている。
納車は2025年に開始される予定。また、アエラは2台目のモデルとして電動セダンを4月に公開する予定で、両モデルとも年間最大2万5000台を生産する計画だという。
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