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豪州SC:第5戦パースで19番手から怒涛の大逆転劇演じたDJRペンスキーが2連勝

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豪州SC:第5戦パースで19番手から怒涛の大逆転劇演じたDJRペンスキーが2連勝

 オーストラリア大陸のツーリングカー選手権、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの第5戦パース・スーパースプリントが5月4~6日に開催され、DJRチーム・ペンスキーのスコット・マクローリン(フォード・ファルコンFG-X)が見事2連勝。レース2では19番グリッドからの大逆転劇を飾ってみせた。

 パース近郊に位置するバルバガロ・レースウェイにチャンピオンシップリーダーとして乗り込んできたマクローリンは、土曜予選からその好調さを存分に発揮してポールポジションを獲得。スタートでも「マシンは充分にスピードがあり、とても速いと感じていたので、最初から引き離したいと思っていた」と語るとおり、チームメイトのファビアン・クルサード(フォード・ファルコンFG-X)を従えてぐんぐんとギャップを拡大していく。

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 その後、最初のストップで後輪の交換に手間取ったクルサードは8番手までドロップするも、マクローリンは後続よりピットタイミングを引っ張る戦略を採り、さらにマージンを手にする巧みなレースマネジメントを披露。

「もちろん、ライバル勢がみんなアンダーカットを狙っているのは理解していた。ステイアウトしても僕らのタイヤにはペースがあると判断し、うまくギャップを作れた」と、2位マーク・ウインターボトム(ティックフォード・レーシング/フォード・ファルコンFG-X)、3位シェーン-ヴァン・ギズバーゲン(レッドブル・レーシング・オーストラリア/ホールデン・コモドアZB)に対し、それぞれ6秒、9秒の差を持ってトップチェッカーをくぐった。

 一方、マクローリンにとって選手権最大のライバルである“セブンタイムス・チャンピオン”こと現王者ジェイミー・ウインカップは、表彰台に上ったRBRAのチームメイトとは異なりタフなレース展開を強いられ、14番グリッドからの戦いで5番手にまでポジションを挽回してフィニッシュ。

 しかし、レース中のピットでティックフォード・レーシングのチャズ・モスタート(フォード・ファルコンFG-X)に追突し、彼をスピンに追い込んだとしてレース後に5秒加算のペナルティ裁定を受け、11位のリザルトに終わっている。

 しかし日曜83ラップのレース2に向け、失地挽回の予選を展開したのはそのRBRAのトリプルエイト・レースエンジニアリング勢。午前のアタックでウィンカップ、SVGの2台がQ2に進出するとそのまま2台がフロントロウを独占。対照的に、前ラウンドの第4戦から数えて3連勝中の前日勝者マクローリンはQ1敗退となり、19番グリッドからの苦しいレースとなることが予想された。

 ポールシッターの王者ウインカップは盤石のスタートで首位をキープし、その背後には後方グリッドからジャンプアップを果たしたモスタートのフォードが2番手に浮上する。しかし序盤4周目にギャリー・ロジャース・モータースポーツ(GRM)のジェームス・ゴールディン(ホールデン・コモドアZB)がコースオフし、早々にセーフティカー(SC)導入の展開となる。
 その間、19番グリッドからの発進となったマクローリンは、チームメイトのクルサードをターン5で仕留めるなどオープニングラップで16番手にまで這い上がると、ホームストレートではインサイドの芝生にマシンを落としながらティックフォードのリッチー・スタナウェイ(フォード・ファルコンFG-X)をパス。SC導入直前までには12番手に浮上した。

 その後、リスタートと同時に最初のピットウインドウを迎えた車列が一斉にピットへとなだれ込むと、何台かが作業待ちとなる大混乱のなかで7周目には5番手までポジションアップに成功。その後もQ2未走行で温存されていたフレッシュタイヤで強力なラップタイムペースを刻み、セカンドスティント終了の27周目には4番手にまで進出する。

 サードスティントに入るとマクローリンを含む大勢を占める3ストップ勢に対し、SVGやニッサン・モータースポーツのリック・ケリー(ニッサン・アルティマ)のように4ストップ戦略のマシンとが入り乱れ、トラック上でペースの大きく異なるマシンが混在する中、上位を走っていたモスタートがピットストップでの給油トラブルで大きく後退。

 この時点で首位に立っていたエレバス・モータースポーツのデビッド・レイノルズ(ホールデン・コモドアZB)に対し、60周目にショートストップを敢行したマクローリンが逆転での首位浮上に成功する。

「なぜ彼が前を走っているのか理解できなかった」と語ったレイノルズは、終盤に怒涛の追い上げで2秒前後にまで首位マクローリンとのギャップを縮めるも、残り2周でバックマーカーの処理を誤り、最終コーナーでブレーキロックアップからコースオフ。なんとかトラックに戻ったものの、そのままのポジションでフィニッシュとなった。

 タイヤデグラデーションの大きいバルバガロでの新記録となる19番グリッドからの大逆転劇で、マクローリンが4連勝となる今季5勝目をマーク。2位にレイノルズ。そして3位表彰台には、マクローリンをなぞるようなレース展開で25番グリッドからスタートし、72周目にニッサンのアンドレ・ハイムガートナー(ニッサン・アルティマ)、ファイナルラップ目前の82周目にジェームス・コートニー(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド/ホールデン・コモドアZB)をパスしたオートバーン・ラウンズ・レーシングのクレイグ・ラウンズ(ホールデン・コモドアZB)が入っている。

 一方、ホールデンのファクトリーチームであるRBRAは、ファーストスティントで首位を走行したウインカップが6位。2016年王者のSVGが5位に終わっている。

 これでランキング2位に158ポイント差の大量リードを築いたマクローリンは、次戦5月18~20日にウイントン・モーターレースウェイで開催される第6戦のスーパースプリント戦に5連勝をかけて挑むこととなる。

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