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ハ~イ、メルセデス! Aクラスはインスタ映えのするクルマだった。楽しい!メルセデス・ベンツ A class A180 style

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ハ~イ、メルセデス! Aクラスはインスタ映えのするクルマだった。楽しい!メルセデス・ベンツ A class A180 style

メルセデス・ベンツのエントリーカー、Aクラスが話題だ。いち早く上陸した1台「A180スタイル」にジャーナリスト、世良耕太が試乗。ハードウェア的にも見所は多いが、まずは「MBUX」と呼ばれるユーザーインターフェースに注目してみよう。試乗したのは、18:00から。MF.jp編集部がある新宿から大黒PAまでのナイトドライブである。※試乗車は正式発売前にナンバーを取得した並行輸入モデルとなり、プロトタイプの位置づけ。今後、全方位的にアップデートされたものが日本仕様として導入される予定であり、本来の日本仕様とは細部が異なる可能性があることをご了承ください(MF編集部)TEXT◎世良耕太(SERA Kota)

 そうじゃないかなぁと思っていたが、実際に乗ってみたら予想どおりで、メルセデス・ベンツAクラスはインスタ映えのするクルマだった。そんなことまったくもって予想していなかったが、AクラスはYouTuber向きのクルマでもあった。楽しい。

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 インテリアはギンギラギンである(さりげなくはない)。なにしろ、夜は空調のルーバーが光る。光らせて意味があるのかと問われれば、意味はない。でも、きれいだ。イルミネーション(メルセデスの用語ではアンビエントライト)の色は変えられる。光るだけでも意味はないのに、色まで変えられるなんて、さらに意味はない。でも、きれいだ。夜景を見て「きれいだな」と感じるように、きれいに光ることに意味がある。

 イルミネーションは空調ルーバーにとどまらず、ダッシュボードと前席ドアが同色でコーディネートされる。足元も妖しい光で満たされている。ルームランプは、ドレスで着飾った女性が応対してくれそうなお店の天井に吊り下がっていそうな意匠だ。そして、まばゆい。読書灯は別にあり、「どこで光っているの?」と調べてみれば、光源はルームミラーに内蔵されていた。凝った作りである。

 後席はどうなっているんだろうと振り返ってみれば、パワーウインドウのスイッチに照明が埋め込まれているという当たり前の装備にとどまらず、ドアノブ周辺がイルミネートされている。そればかりか、アーチ型をしたヘッドレストの内側がこれまた妖しく照らされており(実は前席も同様)、さながらホテルのラウンジがオーセンティックなバーのムードだ。前席も後席も、非日常感で満たされている。

 メータークラスターは従来の常識を打ち破った斬新な体裁だ。iPhoneがXXXになったらこうなるだろう(いや、ならない)というサイズの、タブレット端末を横倒しにしたようなメータークラスターが無造作に立てかけてある感じだ。ひょっとして取り外し可能? 電話かけられたりして(かけてみたい気もする)と思って持ち上げてみようとしたが、固定されていた(当たり前だ)。

 夜間にエンジンを始動すると(ダイヤルをAUTOの位置にしていれば)ヘッドライトが瞬時に点灯するが、単に前方を照射するだけでなく、サーチライトのようなビームを前方で交差させる動きをした後に、所定の照射に落ち着く。まるで光のショーを見ているようだ。





 レインボーブリッジ(東京)をお台場側から浜崎橋方面に向かって上がっていくと、ライトアップされた橋脚越しに、同じくライトアップされた東京タワーと周囲に広がるビル群の明滅する明かりが目に入る。こうした夜景に見とれる向きは、新型Aクラスの光のもてなしを歓迎するに違いない。ライトアップされた夜景と一緒にドライブする感覚だ。

 ところで。Aクラスを試乗するにあたっての最大の関心事は、自然対話式音声認識機能を備えたMBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)だった。「ハイ、メルセデス」と語りかけると(ステアリングホイール上のスイッチを押すことでも起動する)、すかさず「なにを行ないますか?」と返答してくれる。

 画面には「『ハロー、メルセデス』とお話しください」の表示が出るが、単に「メルセデス」と呼びかけるだけでも返事をしてくれた。試乗車は開発中の仕様が載っていたため、実際にユーザーの手元に届く仕様とは異なる予定(もちろん、精度と使い勝手は格段に良くなっている)。「メルセデス」の単語に反応するので、同乗者との会話で「最近のメルセデスはさぁ」などと言おうものなら、「なにを行ないますか?」と、MBUXが唐突に割り込んでくる。


「キャンセル!」のワードで封じ込めないと、エンドレスに話しかけてきて会話が終わらない(し、同乗者との会話は中断される)ので注意が肝要。しかも、「キャンセル」と言って会話を終了すると、ポンという機械音を鳴らしてMBUXは息を潜める。ときどき、会話の途中のはずなのにポンと音を鳴らして拗ねたようにいなくなることもあり、いじらしくなってくる。



 それはともかくMBUX、おもしろいし、使える。「暑い」と伝えると気を利かせてエアコンの温度設定を下げてくれることはさんざん宣伝されているが、試してみればそのとおりの反応を示した(当たり前だ)。おもしろいのは、温度を上げると空調ルーバーがふんわりと赤く光って反応し、温度を下げるとふんわり青く光ることだ。言葉でクルマとのやりとりが成立しているのを光の変化で体感できるのは新鮮だ。この新鮮さ(エンジン始動時のヘッドライト点灯の儀式も同様)は静止画で伝えるのはなかなか難しく、冒頭で「YouTuber向き」と表現した次第。





 面倒なナビシステムの目的地設定も、手で操作するよりMBUXでやりとりしたほうが楽だと感じた。付き合ううちに通用するコマンドとしないコマンド、できることとできないことが整理され、なじんでいくにしたがい、MBUXとの関係はより親密になっていく予感がした(たった2時間とちょっとのナイトドライブではあったけれど)。もっと付き合いたい。

「移動する夜景」だけでも新型メルセデス・ベンツAクラスの魅力を語るに充分だが、「話せるアシスタント」が加わって鬼に金棒か。あ、光のマジックとMBUXに夢中で、居住性やら動力性能やら乗り心地やらがすっかり置いてけぼりになってしまった。

 そんなことよりハイ、メルセデスである。

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