あおり運転対策や事故時の責任問題など、年々重要性を増している「ドライブレコーダー」。
いまや新車購入時には「装着を検討するオプション品」のナンバーワンとなっている装備だが、このドラレコ、そろそろ自動車メーカーが新車時から標準装着されるようになったりしないのだろうか?
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少々お高いけど、安全上あったほうが有利なのは間違いなし。エアバッグやABSのように全車標準装備…なんて未来はあるのか。安全装備に詳しい自動車ジャーナリストの諸星陽一氏に伺いました。
文/諸星陽一 写真/Adobe Stock(メイン写真=freehand@Adobe Stock)
【画像ギャラリー】今や必須⁉ ドライブレコーダーを画像でチェック
■ドライブレコーダーの装着率と標準装備にならない理由
筆者はドライブレコーダーについてベストカーWebに2020年9月に寄稿しています。その際に調べたデータによれば、ドライブレコーダーの装着率は約50%に達し、街中を走る多くのクルマがドライブレコーダーを装備している実態がわかりました。
今や装着率約50%! ドライブレコーダーに必須の性能と大事なポイントとは!?
とくに仕事としてクルマを使っている場合の装着率は高く、2014年度に全日本トラック協会が調査したところによると、調査時に回答のあった事業所の保有台数に対する装着率は74.4%であったとのことで、じつに4台中3台は装着していることになります。
この調査からすでに6年を経ていますので、装着率はさらにアップしていることでしょう。
年々装着率がアップしているが、標準装備になる可能性は..?(Masaharu Shirosuna@AdobeStock)
現在、ドライブレコーダーはオプション、もしくはアフターマーケットパーツとして販売されることが多くなっています。。一部、現行ハリアーのようにドライブレコーダー機能を備えたモデルもありますが、これはまだまだまれな例だと言えるでしょう。
しかし、装着率も高くなっているドライブレコーダーなのになぜ標準化されないのでしょう? 理由はいくつかあります。
クルマは高価な商品なので少しでも安く手に入れたいという人も数多くいます。
そして、自分が使わない、自分には不要だと思っている装備などの費用負担をしたくないと思っている人も数多くいるのです。
たとえば、装備ではありませんが任意保険を見てみましょう。すでに任意保険に加入している人は「保険は当たり前で必要なもの」と思っていることでしょう。しかしその加入率は保険と共済を合わせて90%弱と言われています。
つまり10台に1台は任意保険に加入していないのです。こうした状況をみるとドライブレコーダーがすべての車種に標準装備されることはないといってもいいでしょう。
■プライバシーを侵害しかねない可能性もある
筆者はボッシュのCDRアナリストという資格を取得しています。CDRとは、車載されている「EDR(イベント・データ・レコーダー)」に記録されているデータを引き出し解析するクラッシュ・データ・リトリーバルのことで、そのために必要な機器などを扱うことができる資格がアナリストです。
BOSCH製クラッシュデータリトリーバル
EDRはアメリカで普及した機構で、エアバッグが搭載されているクルマにはほぼセットで搭載されています。ではアメリカではEDRの搭載が義務づけられているかといえば、そうではありません。EDRの搭載は強くすすめられてはいますが、義務ではありません。
ただし、EDRを搭載するなら一定の基準を満たすように法律で定められています。EDRには事故時のさまざまなデータが記録されますが、その際にとても気遣われていることがあります。それは「プライバシーを侵害しない」ということです。
多くの場合事故時に運転していた人間には責任がありますが、助手席に乗っていた人間には責任があることは少ないでしょう。
ですので、どのような人が助手席に乗っていたか? はあまり詳しいことがわからないようになっています。
EDRには録音機構や録画機構はありません。それはプライバシーを侵害しないようにするためです。録音や録画ができるドライブレコーダーを自動車メーカーが標準化してしまうということは、一定の条件でプライバシーを侵害しかねない可能性もあります。
ハリアーがどのような思想でドライブレコーダーを標準化したかは不明ですが、少し珍しいケースであると感じます。
HARRIER ドライブレコーダーが標準化している
もし、事故時の証拠として役立てるためにドライブレコーダーを標準化するのであれば、解像度から記録時間、記録を開始するためのトリガーなどなどさまざまなことを法律で決めなければならないでしょう。あればいい……というものではありません。
■販売現場との兼ね合いがあるため
また、実際には装着率の高い装備でありながら、販売店の利益や販売促進ツールに使いやすいものは販売店オプションとしていることも多くあります。
たとえば、フロアマットなどは多くの人が注文する装備であり、また必需品でもあるのに販売店オプションとなっています。
これは販売店オプションとすることで販売店の利益を増やしたり、値引きの代わりにサービスすることなどで、クルマ本体の販売ツールとして使いやすいものであったりするのです。
デジタルインナーミラー(前後方録画機能付き)。「S」グレードのみメーカーオプションでそのほかには標準装着される
つまり、5万円の値引きだと収益はまるまる5万円減るが、3万円で仕入れて5万円で売っているマットなら収益は3万円しか減らない……といった具合です。
ドライブレコーダーもETC車載器もフロアマットも、販売現場との兼ね合いもあり標準装備品になりにくいのです。
ドライブレコーダーを装着すれば、事故やあおり運転の証拠になると思っている方も多いようですが、正しくは「証拠になることもある」なのです。
裁判でドライブレコーダーのデータを使う場合には、その映像がたしかに当該車両に搭載されたドライブレコーダーで撮影されたものであるという客観的な証明が必要になることもあるでしょう。
裁判などの場合は、自分が有利に思う証拠なら提出していいでしょうが、自分が不利になる証拠は提出する必要はありません。しかし、提出しなければ裁判官の心証が悪くなる可能性もあります。
■「ちゃんと撮られているか」の確認を
それでもやはりないよりはあったほうがいいのがドライブレコーダーです。
選ぶ際は解像度の高いもので、LED式信号も撮影でき、夜間も鮮明に記録されるものがおすすめです。
LED式信号の撮影ができ、夜間も鮮明に記録されるものがおすすめ(titikul_b@AdobeStock)
また、意外に見落としがちなのが記録媒体です。
多くの場合はマイクロSDカードを使っていますが、真夏の高温から真冬の低温まで温度変化が激しい車内はSDカードの動作環境としてはかなり過酷です。格安製品を使うと、気がついたら記録されてないこと……筆者は経験しています。注意が必要でしょう。
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みんなのコメント
標準化したって取説読まないだろうし、SDカード入れずに使ったり、カードが劣化して記録できていないかもしれない。