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現実的な航続距離は? レクサスRZ 長期テスト(1) 過敏な運転支援システム 驚くほど運転は楽しい

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現実的な航続距離は? レクサスRZ 長期テスト(1) 過敏な運転支援システム 驚くほど運転は楽しい

初回 レクサスのフラッグシップ・バッテリーEV

ひと昔前なら、7万ポンド(約1267万円)も予算を準備すれば、英国では豊かなクルマ選びが可能だった。ところが、近年は新車価格が高騰中。バッテリーEVは一層お高い。しかも物価高が追い打ちをかけ、そんな予算を準備することも難しくなっている。

【画像】驚くほど運転が楽しい レクサスRZ ハイブリッドの新RXと電動のUX  トヨタbZ4Xも 全122枚

今回、レクサスRZの長期テストの担当者へ、英国編集部では若手に入る筆者が選ばれた。まだ乗り慣れていない、高級SUVとの距離を縮めるという目的が、上司にはあるのかもしれない。

このRZは、レクサスのフラッグシップ・バッテリーEVに当たる。コンポーネントはトヨタbZ4Xと共有するが、同社初となる、電動パワートレイン専用モデルでもある。小さなクロスオーバー、UXも存在するが、こちらにはハイブリッド版も存在する。

スペックを確認していこう。RZ 450Eはツインモーターで、最高出力は313ps。駆動用バッテリーの容量は71.4kWhあり、四輪駆動で、車重は2130kgある。

一度の充電で走れる航続距離は、404kmがうたわれる。この価格帯の電動SUVとしては、誇れるほどの数字ではないだろう。廉価ブランドなら、4万5000ポンド(約815万円)も支払えば、480km以上走れるモデルを選べる。

バッテリー技術が充分に向上していない現在では、少しでも長く走れる方が、この価格帯では有利になるといっていい。そのかわりレクサスは、「信頼感と操縦性、快適性」を前面に打ち出している。

驚くほど運転は楽しい 豪華で快適な車内

空港までの往復など、筆者は既にRZで約1700kmをともにしている。英国郊外の一般道を積極的に走らせてもみたが、驚くほど楽しく感じられた。重量を忘れさせるほど。

長期テスト車両は英国でのトップグレード、タクミではあるが、レクサスの主張どおり快適でもある。スタートボタンを押すと、記憶させたドライビングポジションへ自動的に調整される。暑い日にはシートのベンチレーション機能が働き、汗を抑えてくれる。

内装も豪華で、シートは環境に配慮された人工皮革で包まれている。距離や速度域を問わず、心地良い時間を過ごせる。この事実は、RZが属する価格帯では特に重要といえる。豪華なラウンジと同じくらい、安楽であることが求められる。

リアシートも同様。背もたれを好きな角度へ倒せるため、筆者が試乗したSUVの後席の中では、最も快適に感じられた。ただし、フロントシートでは感取されなかった、路面からの衝撃が僅かに伝わるようではある。

ルーフには、ボタン1つで透明度を変えられる、ガラスルーフが備わる。ダッシュボード上のタッチモニターは、14.0インチと大きい。

先述の通り、ボディサイズを考えれば走りも悪くない。タクミ・グレードにはパフォーマンスダンパーが組まれ、四輪操舵システムも備わり、軽快な操縦性を披露する。市街地でも扱いやすい。

過敏な運転支援システム 現実的な航続距離は?

一方で、気になる部分もゼロではない。その1つが、運転中の警告音だ。

RZには、制限速度の認識機能や車線の維持支援機能、ドライバー監視機能など、多くの運転支援システムが実装されている。すべて有用だとはいえ、少々反応が過敏だと思う。発せられる警告音も大きく、不快に感じる場合もある。

必要なければオフにできるものの、出発時に毎回設定する必要がある。ボルボXC40 リチャージにも多機能なシステムは備わるが、ここまで警告音を鳴らすことはなかった。安全運転のための装備でも、頼りたくないと思わせては意味がないのではないだろうか。

現実的な航続距離も、大きな注目点だろう。RZでは、ベースグレードのカタログ値で436kmがうたわれている。だが、20インチ・ホイールを履くと404kmへ短くなる。しかも多くの例と同様に、カタログ値どおりの距離を実環境で走れるわけではない。

執筆時までに、フル充電で走れた最長は約290km。7万4000ポンド(約1339万円)のSUVとして、満足できる距離とはいえないと思う。これから乗り慣れていく中で、航続距離を伸ばすことはできるだろうか。

レクサスが次世代のフラッグシップへ据える、新しいRZ。同社の期待へ応えられる実力は、備わっているだろうか。長期テストで確かめてみたい。

セカンドオピニオン

レクサスRZは高品質に作られ、乗り心地が滑らか。運転支援システムの警告音を都度消す必要があるとはいえ、快適に過ごせる優れた相棒になるだろう。

システムを共有するトヨタbZ4Xより、正確に航続距離は算出されるだろうか。興味を抱くポイントは少なくない。 イリヤ・バプラート

テストデータ

価格

モデル名:レクサスRZ 450E タクミ(英国仕様)
新車価格:7万4000ポンド(約1339万円)
テスト車の価格:7万4000ポンド(約1339万円)

テストの記録

電費:5.4km/kWh(WLTP値)
航続距離:404km(WLTP値)
故障:なし
出費:なし

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みんなのコメント

5件
  • hig********
    走りに関してはなんにも文句無いくらい良かった。
    逆に速すぎて怖かったくらい
    ただ内装は全然豪華ではないぞ、むしろレクサスとしては手抜きだと思う。
    あと航続距離はかなりネックだね
    せめて実航続距離が500くらいないと厳しい
  • bis********
    トヨタの本命は固体電池なんだろうけど、いくらなんでもここまでのEVはバッテリーが良くない。あえてEVのネガキャンのためなのかと思うくらい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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