■滅多にお目にかかれない日本のホットモデルたち
国産メーカーが海外で販売しているクルマは数多くありますが、日本で販売していない海外専用車も存在します。
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海外専用車を開発する理由としては、仕向地によって顧客のニーズや使用環境が異なるためで、国内のモデルをそのまま販売しても、売れる見込みがほとんどないということが挙げられます。
そこで、海外専用車のなかから、スポーティかつ魅力的なモデルを5車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「アバロンTRD」
1994年に北米トヨタの最高級セダンとして発売された「アバロン」は、2018年に登場した現行モデルで5代目です。
全長4976mm×全幅1850mm×全高1435mmの大柄なボディに、3.5リッターV型6気筒エンジンと、2.5リッター直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドモデルがラインナップされています。
2019年に発表された「TRD(Toyota Racing Development)」仕様のアバロンでは、北米トヨタのデザインスタジオ「Calty」によるスタイリングと、TRDによる強化されたシャシを採用する「トラックチューニング」が施されています。
外装には高速走行時の安定性を向上させるフロントスプリッター、サイドスカート、リアスポイラー、リアディフューザーを装備。
また、ねじれ剛性を高めたシャシと車高の15mmローダウン、TRDの専用19インチホイールなどにより優れたハンドリングを実現しています。
最高出力301馬力を発揮する3.5リッターV型6気筒エンジンのパワーと、パドルシフト付き8速ATにより、スポーツドライビングが楽しめるエグゼクティブセダンです。
●日産「マイクラ」
1982年に発売された日産初代「マーチ」は、コンパクトなボディに大人4人が快適に乗車できるグローバルカーとしてデビュー。欧州市場では「マイクラ」の名前で販売されました。
そして、永らく日本と欧州では同一モデルとして販売されてきましたが、2017年に欧州ではマーチとは独立したモデルとしてマイクラを発売。
外観では最近の日産車を象徴する「Vモーショングリル」を採用し、ボディサイズは全長3995m×全幅1743mm×全高1455mm(UK仕様)と大型化されました。
搭載されるエンジンは標準モデルで100馬力の1リッター直列3気筒ターボを設定し、エンジン内部のフリクションロスを低く抑えるコーティングなどが施され、パワーとレスポンスだけでなく燃費性能の向上も図られています。
この新型マイクラにはホットモデルが用意されており、「N-Sport DIG-T 117 Manual 6 2WD」グレードでは最高出力117馬力までチューニングされたエンジンと6速MTが組み合わされ、カーボン調の外装パーツやアルカンターラと合皮が組み合わされたシートなどを採用。
ほかにもブラックに塗装された17インチホイールを標準装備するなど、各部がスポーティに演出されています。
●マルチスズキ「シアズ S」
スズキが展開しているインドの現地法人、マルチスズキインディアではインド国内向けだけでなく、日本やアジア圏向けのクルマを生産しています。
そのなかで「シアズ」はシャープなデザインがインドで好評な小型プレミアムセダンです。
シアズはスポーティさと高級感を両立したデザインに加え、広い室内空間による快適性と利便性、490リッターを超えるトランクスペースによる実用性なども備え、2014年の発売以来、インド以外にも中近東や中南米、アフリカ諸国に輸出されています。
インド国内仕様では、当初ガソリンエンジンとディーゼルエンジンがラインナップされ、2018年には全車が新開発の最大出力105馬力を発揮する1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンを搭載するスマートハイブリッドに統一されました。
そして、2020年にはフロントスポイラーとサイドスカート、ウイングタイプのリアスポイラー、ダークカラーの16インチアルミホイールなどを標準装備となる「シアズ S」が追加ラインナップ。
エンジンのスペックなどには変わりないものの、スポーティなフォルムが印象的なセダンです。
■国内で販売されなかったホンダのスポーツモデル2車種とは!?
●ホンダ「アコード 2.0T」
1976年、ホンダは好調な販売を続けていた「シビック」からステップアップするドライバーのために、1.6リッターエンジンを搭載した3ドアハッチバック「アコード」を発売しました。
その後、1982年に登場した2代目アコードでは米オハイオ州メアリーズビル工場で生産を開始しています。2017年に発表された10代目は、日本でも2020年2月に発売されました。
10代目アコードは2018年には北米カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。そのほかの国や地域で、30以上の賞を受賞するなど高い評価を得ています。
国内仕様は2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載したモデルのみですが、北米仕様には最高出力252馬力を発揮する2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載した、スポーティな「2.0T」シリーズがラインナップされています。
さらに2.0Tシリーズには「Sport」「EX-L」「Touring」の3グレードが設定され、Sportには新開発の10速ATに加えて6速MTが用意されるホットモデルとなっています。
●ホンダ「シティ RS」
1981年に発売されたホンダ「シティ」は、1.2リッターエンジンを搭載したコンパクトカーですが、国内では2代目で販売を終了し、現在のシティは主にアジア圏向けの小型4ドアセダンとして販売されています。
そして、2019年にホンダは海外モデルとして5代目となる新型シティを、タイで世界初公開しました。
新型シティでは全車、最高出力122馬力を発揮する1リッター直列3気筒ターボエンジンを採用。最新の環境基準に対応しながら、従来の1.5リッター自然吸気エンジンより力強い走りと低燃費を両立させています。
ボディは先代よりワイド&ローとなったスポーティなデザインに一新し、内装の質感が高められました。
タイ仕様ではシティとしては初めてスポーティグレードの「RS」をラインナップ。よりシャープなデザインのフロントグリルやバンパー、リアスポイラー、16インチタイヤを装備しています。
現在、先代シティを日本でも「グレイス」として販売していますが、シティRSのようなスポーティグレードをラインナップする新型グレイスの日本上陸が期待されます。
※ ※ ※
前出のアコードは北米で販売が好調とあって、国内モデルよりもバリエーション豊かです。
かつて、アコードは国内でも「Si」グレードや「ユーロR」など、スポーティなモデルをラインナップしていましたが、セダン人気の低迷からか消滅してしまいました。
一方で、トヨタ「カローラ」の6速MTモデルや、405馬力を誇るエンジンを搭載した日産「スカイライン 400R」が発売され話題となりましたので、スポーティセダンのニーズが高まれば、さらなるモデル拡大もありえるのではないでしょうか。
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