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キングスレー・カーズ ULEZレンジローバー・クラシックへ試乗 本物を現代的に 前編

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キングスレー・カーズ ULEZレンジローバー・クラシックへ試乗 本物を現代的に 前編

初代レンジローバーを再生

英国、南イングランド中部のオックスフォードに、少し特別な場所がある。歴代の英国車で最も大きな影響力を持つといっていい初代レンジローバーが、再生されるワークショップが存在しているのだ。

<span>【画像】キングスレー・カーズ・レンジローバー 手法は様々 現代化されるクラシックたち 全112枚</span>

キングスレー・カーズ社の創業者、デイモン・オーロフ氏は個人的なガレージからレンジローバー・クラシックの専門家としての地位を、ここ20年のうちに築き上げた。

英国には、レンジローバーのレストモッドを請け負ってくれる企業が複数ある。だが、キングスレー・カーズ社はエンジンやボディだけでなく、構造部分の修復まで手掛けてきた経験を持つ。他の企業では難しい要望にも応えてくれる。

オーロフは情熱的で行動的。上流階級のために作られたSUVに対する思いは誰よりも強く、専門的な技術も有している。彼とともに働く、若い技術者への期待もかなり高いようだ。

キングスレー・カーズ社は、オリジナル状態にレストアしたレンジローバーから、現代的なコンポーネントでアップグレードを施したレストモッド・レンジローバーまで、幅広い内容を提供している。

ボディとシャシーをバラし、腐食部分を溶接し、駆動系をリビルドし、再塗装で仕上げるまで、ほぼすべての作業を自社で完結できる。ロンドン中心部に設けられた超低排出ゾーン、ウルトラロー・エミッション・ゾーン対策も可能だという。

ボディとシャシーをばらし、徹底的に補修

今回試乗したのは、ULEZリボーン・レンジローバー・クラシック。1981年以前の3ドア・レンジローバーをベースに、完全なレストモッドが施されている。ちなみにULEZとは、ウルトラロー・エミッション・ゾーンの略だ。

英国では、クラシックカーには特別な税制が適用される。1981年以前のクルマなら、CO2の排出量が多くてもULEZ税が掛からないで済むらしい。

作業に必要な料金は、ベース車両抜きで12万5000ポンド(約1900万円)から。もし自分で手配できなくても、キングスレー・カーズ社は450台以上のクラシック・レンジローバーを在庫している。理想のベース車両も、簡単に見つかるだろう。

レンジローバー・クラシック最大の敵といえば、ボディやシャシーのサビ。オーロフは天候の安定した南アフリカからベース車両を探し出してくるため、心配しなくてもいいようだ。今年の冬(8月)は、一部で雪が降ったようだが。

遠く離れた南半球からレンジローバーが届くと、ボディとシャシーをばらして、ベアメタル状態にまで剥離される。ラダーフレームとアスクルはブラスト処理(研磨)できれいにしてから、再塗装で仕上げる。

足まわりや駆動系は、ブッシュとベアリング、アンチロールバー、ダンパー、スプリングなどを交換するかリビルド。スチール製のボディシェルとアルミニウム製のボディパネルも分解。錆びた部分は切り取り、新しい素材に置き換えられる。

クラシックな雰囲気を残しつつ近代化

ボディパネルは歪みを直し、再塗装される。塗装色はオーナーの好みで選択が可能。アウトドアが好きなら、バブアー社の長靴にマッチする色を選ぶこともできる。スタッフが長靴の色を計測し、特別なグリーンを調合してくれる。

スチール製のシェルにアルミ製のパネルが組まれるため、ガルバニック腐食と呼ばれる反応が起きることがある。そこでキングスレー・カーズ社は、ナイロンのワッシャーを間に挟む。溶接部分は、充填剤でシーリング処理される。

ゴムコーティングされたアンダーボディ・プロテクションが追加され、タイヤが跳ね上げる汚れから下まわりを保護してくれる。融雪剤が道に撒かれていても安心だ。英国の冬を乗り切るのに、ここまで準備万端のレンジローバーは、ほかに例がないだろう。

インテリアの加工は、一部のレストモッド事例と比べれば控えめ。だが、レンジローバー・クラシックを運転している雰囲気を感じたいなら、問題には思わないはず。

ダッシュボードやピラー類などの内装は張り直されるが、基本的なカタチはそのまま。試乗車には、現代的なアンビエントライトに700Wのアンプと7スピーカーのサウンドシステム、アップル・カープレイに対応したタッチモニターなどが追加されていた。

このデモ車両が、1971年に登録されたレンジローバーがベースだと考えれば、悪くない装備だろう。オーロフが5年前にレストアし、改造を加えながら日常的に使ってきた車両だそうだから、仕事の水準の高さと堅牢性を示してもいる。

この続きは後編にて。

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