NTTインディカー・シリーズ第6戦にスケジュールされた第107回インディアナポリス500マイルレース。28日に決勝レースが行われ、ファイナルラップでトップに立ったジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が悲願のインディ500初制覇を達成した。
8番手から14度目のインディ500に挑んだ佐藤琢磨(チップ・ガナッシ・レーシング)は、レース終盤トップに浮上するもポジションを落とし、7位でレースを終えている。
曇り空のインディアナポリス・モータースピードウェイ。大観衆が見守る中、ハリウッド俳優のアダム・ドライヴァーがグリーンフラッグを振り、200周のレースがスタートする。
ニューガーデンが悲願のインディ500初勝利【順位結果】第107回インディアナポリス500マイルレース決勝
ポールポジションのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)がホールショットをトップをキープ。佐藤琢磨は8番手でオープニングラップを終える。
3周目、リナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)がパロウを捉えリードチェンジ。パロウも5周目に抜き返しトップに戻る。序盤はパロウとヴィーケイがレースを引っ張る落ち着いた展開に。
20周を過ぎると4番手を走行していたスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が遅れはじめ次々と後続に抜かれていく。15番手まで落ちたディクソンは26周終わりで最初のピットイン。
トップのパロウは30周目終わりでピットイン。サンティーノ・フェルッチ(AJフォイト)も続いていく。佐藤琢磨も翌周にピットへと向かう。
アンダーグリーンで各車、最初のピットインを終えると再びパロウがトップ。ヴィーケイ、フェルッチ、フェリックス・ローゼンクヴィスト(アロウ・マクラーレン)、アレクサンダー・ロッシ(アロウ・マクラーレン)と続き、琢磨は10番手でセカンドスティントへ。
パロウはレースを引っ張り61周目終わりで2度目のピットイン。ヴィーケイは64周目終わりでピットロードへ。琢磨も2度目のピットインを行う。ローゼンクヴィストは67周目まで伸ばし、ヴィーケイ、パロウの前でピットアウト。オワードもトップ争いに加わり、70周目にトップを奪う。
サードスティントはオワードとローゼンクヴィストのマクラーレン勢がリードする展開となる。
92周目、琢磨が急に失速しポジションダウン。このタイミングでスティング・レイ・ロブ(デイル・コイン)が周回遅れのグラハム・レイホール(ドレイヤー&レインボールド)と競り単独クラッシュ。最初のイエローコーションとなる。
94周目終わりでピットオープンとなり各車3度目のタイヤ交換へ。ピットアウト時にヴィーケイがバランスを崩しパロウにヒット。パロウはコースに戻れず大きくポジションを下げてしまう。
ステイアウトしたカラム・アイロット(フンコス・ホーリンガー・レーシング)がトップ。ローゼンクヴィスト、オワード、フェルッチ、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)と続き、チップ・ガナッシ勢は9番手にマーカス・エリクソン、16番手にディクソン、17番手に琢磨。パロウはリードラップ最後尾の24番手でレースはハーフウェイを迎える。
■レース後半は2度赤旗が出る荒れた展開に
レースは101周目にリスタート。ローゼンクヴィストがトップでターン1へ。エリクソンが5番手にジャンプアップ。琢磨もアウト側から3台抜きで14番手に。
130周目にオワードがピットイン。ローゼンクヴィストは133周目にピットへ向かい、続々とタイヤ交換を行う。ここでコルトン・ハータはチームメイトのロマン・グロージャンとピットで接触してしまいタイムロス。
トップはローゼンクヴィスト、エリクソンが2番手に続き、ニューガーデンが3番手、オワードは6番手に落ち、琢磨は10番手、パロウも12番手までポジションを上げてくる。
150周目、グロージャンがウォールにヒットし単独クラッシュ。2度目のイエローコーションとなる。残りは49周でピットレーンオープンとなり、ステイアウト組とピットイン組に別れる。上位ではオワード、琢磨がピットインしストラテジーを変更する。
レース再開は157周目。ニューガーデンがトップを奪う。琢磨はオワードを交わし11番手に浮上するとシモン・パジェノーもオーバーテイクし10番手に。
フェルッチがレースをリードし残り33周のフューエルウインドウに突入。170周目にまずはフェルッチがピットイン。しかし、ピットミスでペナルティが科せられる。
翌周にエリクソンら5台がピットイン。174周目にロッシ、パロウがピットインし、琢磨がラップリーダーとなり残りは27周。175周目、展開が有利と思われた琢磨がこのタイミングでピットイン。トラブルなのか大きくポジションを落としてしまう。
トップに立ったオワードは自己ベストを更新してレースをリードすルト180周を走行しピットへ。ラストピットを終えたオワードは3番手でコースへと戻る。
183周目オワードがローゼンクヴィストをオーバーテイク。さらに前のエリクソンを交わしポジションをアップ。
185周目、ニューガーデンに交わされたローゼンクヴィストがウォールに接触。コントロールを失いスピンしたところにカイル・カークウッド(アンドレッティ・オートスポート)とクラッシュ。ウォールに激しくヒットし、カークウッドの左リヤタイヤがフェンスを飛び越える大きなアクシデントが発生する。187周目にレースは一時中断に。
カストロネベスはクルマから救出され大きな怪我はなく、飛んだタイヤによる怪我人も幸いなことにないようだ。
イエローコーションラップを挟み、オワード、エリクソン、ニューガーデン、ロッシ、フェルッチ、パロウという順でレースは残り9周で再開。
リスタートで遅れたオワードにエリクソン、そしてアウトからニューガーデンが並び、ニューガーデンがトップを奪取。3番手に落ちたオワードも諦めずターン3でエリクソンにインから並びかけるも、バランスを崩しウィールにヒット。後方でもクラッシュがあり、再びレッドフラッグが振られる。
残り6周の超スプリントバトルは、197周目にグリーンフラッグ。ニューガーデンをエリクソンが交わし、さらにフェルッチもトップ迫る。しかし、後方で多重クラッシュが発生し、ベンジャミン・ペデルセン(AJフォイト)とエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)がストップ。再びイエローコーションとなり、3周を残して再びレッドフラッグとなる。
コーションラップを行い、ファイナルラップにレースは再開。エリクソンが好スタートをみせ、2番手のニューガーデンが追走。諦めないニューガーデンはバックストレートでエリクソンをオーバーテイク。そのままターン3、4を守り抜き、2度のインディカーチャンピオンが初めてインディ500を制した。
エリクソンは連勝ならず、3位にフェルッチ。琢磨は7位で14度目のインディ500を終えた。
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