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【躍進する中国EV】シャオペンP5 600Pへ試乗 2022年に欧州上陸 ライダー搭載

掲載 更新 7
【躍進する中国EV】シャオペンP5 600Pへ試乗 2022年に欧州上陸 ライダー搭載

世界初のライダー搭載の量産車

執筆:Mark Andrews(マーク・アンドリュース)

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翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


今回試乗したP5は、中国のシャオペンとして重要な意味を持つモデル。コネクティビティに対応した純EVのファミリー・サルーンを探している、比較的若い世代をターゲットとしたクルマだ。

シャオペンはすでに、欧州市場ではノルウェーで販売を開始している。2022年に欧州全土へ販売エリアを拡大する準備も整えたという。このP5は、その戦略をリードするモデルの1つに位置付けられている。

レーザーを用いた三次元センサー、ライダーを搭載した世界初の量産車でもある。スポーティなP7も採用する自律運転技術を搭載し、ソフトウエアさえ準備されれば、テスラが北米で実現しているような自律運転に匹敵する能力を獲得する見込み。

P5のライダーは、フロントスポイラーから離れた、奥の方に搭載されている。うっかりぶつけても、高価なライダーの交換には至らないようにするためだ。

プラットフォームはシャオペン初の量産モデル、クロスオーバーのG3と同じもの。サルーンとしては、P5は比較的スタンスが高い。実際に目にするとデザインは悪くないのだが、写真で見ると少し不自然に見えてしまう理由でもある。

純EVという特徴を活かし、シャオペンはP5へゆとりある車内空間を与えた。P7と比較してホイールベースは短いものの、同等のボディサイズを持つ他社モデルと比較すると、シート周りは広い。特にリアシート側が顕著だ。

フルラットとプロジェクターで映画鑑賞も

P3には、走行速度やナビ情報が表示される、モニター式のメーターパネルがドライバーの正面に据えられている。ライバルのテスラ・モデル3とは雰囲気が異なる。

ダッシュボード中央には、15.6インチという大きなインフォテインメント用タッチモニターを配置。筆者が体験したものの中で、ベストといえる音声認識機能も実装している。

インテリアに用いられる素材や、触れた時の知覚品質は全体的に高水準。だが、人間工学的にはもう少し改善の余地はあるだろう。

フロントシートは電動で位置調整が可能だが、座面高を変えられるのは運転席側だけ。筆者の場合、短距離でも助手席は居心地が悪く感じられた。

車内装備はとても充実している。試乗車だったトップグレードのP5には、メルセデス・ベンツ風のフレグランス・ディスペンサーも備わっていた。他にも、通常はオプションとなるような装備が標準で搭載されている。

シートアレンジも多彩。フロントシートの背もたれは完全に倒せ、リアシートの座面とフラットにすることも可能。内臓のエアポンプで膨らませる、エアマットレスも利用できるという。ヘッドレストも、航空機のようにワイドで優しい。

オプションのプロジェクターをリアシート後方に載せ、ダッシュボード上部に折りたたみ式のスクリーンを取り付けることで、映画鑑賞も可能。シャオペンはこれをフィルム・モードと呼ぶ。

207psで0-100km/h加速7.5秒

郊外の道を走らせてみると、カーブが連続するような区間でもロードホールディング性は良好。サスペンションはアダプティブではない一般的なもので、乗り心地は全般的にソフトな印象だ。

ステアリングのレシオは丁度良く、従来のシャオペン・モデルと比較して正確性も高められている。回生ブレーキの強さも従来より強められたようだ。完全に停止するにはブレーキペダルを踏む必要があり、ワンペダル・ドライブには対応しない。

P5には最高出力207ps、最大トルク31.6kg-mが与えられ、テスラ級の動力性能は備わらない。一般的に中国の純EVは、パワーが控えめなものが多い。

前輪駆動で、技術的には四輪駆動も可能なようだが、P5のベースとなったG3も前輪駆動のみのため、P5が四輪駆動を得ることはないだろう。カタログ上では、0-100km/h加速は7.5秒。BMW 320iと同等の瞬発力といえる。

駆動用バッテリーの容量は、55.9kWhから71.4kWhまで、いくつかが用意される。航続距離は、従来の換算方式となるNEDC値で460kmから600kmがうたわれる。バッテリーの容量に関わらず、30%から80%までの充電を最短40分でこなせるという。

世界初のライダー搭載車として、自律運転の能力に注目したいところだが、前述の通り現状ではまだ利用できない。少なくともドライバーをアシストしてくれる知的なインフォテインメント・システムと、広い車内は備わっているから、今後に期待だ。

シャオペンの熟成と自信

動的性能は、クラスをリードするほどの内容ではない。しかし運転の質感にはまとまりがあり、航続距離にも不足なく、手頃な価格が予想される。一般的なファミリー・サルーンとして考えれば、加速力も不満を感じるほどではないだろう。

2022年から欧州市場での販売拡大が計画されているが、具体的な英国への導入時期は未定。筆者は、シャオペンの熟成とモデルとしての自信を感じずにはいられなかった。欧州でどれほどのプレゼンスを示すのか、興味深いところだ。

シャオペンP5 600P(中国仕様)のスペック

中国価格:23万元(397万円)
全長:4808mm
全幅:1840mm
全高:1530mm
最高速度:170km/h
0-100km/h加速:7.5秒
航続距離:600km(NEDC値)
電費:7.5km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1725kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
バッテリー:71.4kWhリチウムイオン
最高出力:207ps
最大トルク:31.6kg-m
ギアボックス:−

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みんなのコメント

7件
  • 内装はそこそこで何か物足りないのはいつもの中国製って感じ。
    セダンっぽいハッチバックなのは、やはり世界的なセダン市場の縮小が原因なのだろうか。
  • 偽テスラって感じだね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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