ルノーは過去の伝説的モデルを電気自動車として蘇らせる計画を進めているようだ。このたびその具体例として、「サンク(ルノー5)」と「キャトル(ルノー4)」のリバイバルが示唆された。
ルノーは2030年までに合わせて10のニューモデルを投入する計画を進めており、しかもEVの懸念事項であるコストについても大幅に改善する見通しを示している。なかでも目玉となるのはフレンチコンパクトの代名詞「サンク」の電動バーションで、80-90年代に名を馳せた名車をオマージュしつつ、競争力ある価格で訴求する計画だ。
具体的な価格水準は、現在欧州で人気となっているルノーのピュアEV「ZOE(ゾエ)」を33%程度下回るとのことで、ゾエの欧州におけるスタート価格が32500ユーロ(約429万円)であることを踏まえると、EVサンクの価格は2万1775ユーロ(約287万円)前後と見込まれる。
EV版サンクの魅力は価格だけでない。スタイリングは未公表ながら、本年1月にオンライン発表されたプロトタイプがそのエクステリアを示唆していると考えるのが自然。ホモロゲーション取得用のサンクターボをオマージュしたと見られるプロトタイプは、張り出したフェンダーや角形ヘッドライトでマニアを唸らせ実際の販売が期待させたが、廉価なピュアEVとして実車化されるとなれば大きな話題となることは間違いない。参考までに、グループの日産が販売している「リーフ」はスタート価格が約333万円だから、EVサンクがいかに競争力のある価格設定か見て取れる。もちろん、仮に日本での販売が実現すれば補助金等も適用され、実質的な販売価格はさらに下がるだろう。
もう一つの注目されるのは、オリジナルのサンクのベースとなったさらに古いキャトルもEV化が示唆されたこと。現状、公表されているのは「4ever」というプロジェクト名のみだが、5の後に4となれば超長期にわたって生産された可愛らしいハッチバックを誰もが思い浮かべるだろう。こちらの詳細はまったく不明ながら、オリジナルのキャトルはリーズナブルな価格の実用車だったから、EVサンクよりさらに安価となる可能性もあるかもしれない。
10台のEVの中にはスポーツタイプも含まれる見通しで、アルピーヌのEVを示唆するシルエットも公開された。相次ぐフレンチEVの登場予告にファンならずとも要注目だ。
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