クルマの色は中古車市場でどう判断されているのか
中古車の販売店によると「中古車を選ぶ時、ボディカラーにこだわるお客様は多い。アンケートを取ると、約60%がボディカラーを気にする。年式や外観のキズと同じくらい、購入に影響を与える」という。となれば十分に価格に影響してくるのだが、中古車市場のカラー事情はどうなっているのだろうか。
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中古車では好きな色になかなか出会えない
新車を買う時は好きな色を自由に選べるが、中古車ではそうはいかない。そしてボディカラーにこだわるユーザーが増えると、中古車として販売しやすい人気色と、売りにくい不人気色が生じてくる。
人気色の中古車は高値で売れて、逆に不人気色は販売しにくいから価格が下がる。これはユーザーが愛車を売る時の売却額にも影響を与え、人気色は高く、不人気色は当然のことだが安くなる。
そのために「人気の高いホワイトとブラックは売却時に有利」などと一般的にはいわれるが、買取店によると「車種による違いもある」という。
確かにブラックとホワイトは無難な色で「ホワイトは嫌い」「ブラックはカッコ悪い」という人は少ない。そのためにエアロパーツを装着した売れ筋の軽自動車やミニバンでは、ホワイトとブラックの車両が圧倒的に多い。
そうなると数年後には、ホワイトとブラックの中古車が豊富に流通して、販売店にもズラリと並ぶ。供給量に見合う需要があれば良いが、そうでない場合は、必ずしも高値で売られるとは限らない。むしろ平均を下まわる可能性もある。
中古車販売店によると「最近は2トーンカラーの人気が高く、ボディはレッド、ルーフはブラックという組み合わせを求めるお客様も増えた」という。ボディカラーの人気も流動的だ。
カタログの表紙に掲載されるイメージカラーの判断も難しい。新車として発売された時にはイメージカラーのインパクトが強く、人気を高めても、時間を経過すると市場の評価が変わって数年後に売却する時の条件はさほど良くないこともある。 例えばマツダ車のソウルレッドは、以前は新車として売られる時にはトップレベルの人気色だったが、最近はホワイトやブラックの人気が上まわるようになってきた。
人気がなかった希少性カラーも侮れない
またR33型スカイラインGT-Rのミッドナイトパープルは、人気がいまひとつ高まらない。これも20年以上を経過した今後は、希少性によって評価が変わることも考えられる。色彩は理屈ではないから、売れ方や売却額に法則性を見いだしにくい。 それなら新車を買う時は、売却時の有利と不利は考えず、好きな色を選ぶのが良い。新車を買う価値は「すべてが自分の好み通りになる」ことにもあるからだ。
イエローやピンクはユーザーによって好き嫌いが激しいから、特殊な場合を除くと、有利な条件で売却できる見込みは乏しい。そこでホワイトやブラックを選んだユーザーが、ある時、街中で好きなピンクの同型車を見かける。「やっぱりあの色にしておけば良かったかな…」と後悔したら、新車を買った満足感を大きく下げてしまう。 だから売却時の価値を考えるのは、選択に迷った時だけにしたい。新車は欲しい車種の欲しい仕様を素直に選ぶのが一番だ。「これが好き!」「これが欲しい!」と思えるのは、何事によらず素晴らしいこと。その気持ちを大切にしたいものだ。
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わずかなつなぎに乗るクルマならともかく、自分が気に入ったクルマとカラー、オプションなどを選ぶのが楽しいのではないだろうか。