USカワサキが6月6日、ニューモデル16機種を発表! 中でも注目は2019年以来の変更を受けたNinja ZX-6Rだ。排ガス規制に対応し、新たなデザインとメーターを獲得。絶滅寸前の600ccスーパースポーツを支える1台となる。
そして気になるのは国産勢唯一のライバルであるホンダCBR600RRの動向。こちらに関してもスクープで新情報をお届けしたい。
【速報&スクープ】カワサキZX-6Rがリニューアル! ライバルのCBR600RR最新動向はいかに!?
文/ベストカー編集部、写真/カワサキ、ホンダ
ZX-6Rがユーロ5に対応し、スタイルも刷新!
2024年型Ninja ZX-6R(欧州仕様)。排ガス規制に対応し、より精悍な外観とカラーTFT液晶メーターを獲得した。国内仕様の発表はまだだが、導入に期待
1990年代後半から欧州を中心に隆盛した並列4気筒の600ccスーパースポーツ(SS)。しかし現在、欧州ではホンダCBR600RR、ヤマハYZF-R6、カワサキNinja ZX-6Rが生産終了(YZF-R6のレーサーは継続)。スズキGSX-R600も排ガス規制が緩い北米でのみ販売という状況だ。ただし国内ではCBR600RRとZX-6Rが存続し、ジャンルの命脈を守っている。
そんな中、USカワサキがティーザーで予告していた新機種16モデルを2023年6月6日(日本時間=同22時)に正式発表。事前に公開されていたシルエットから予想されていたとおり、新型Ninja ZX-6Rが初公開された。
さらに欧州仕様も同時に発表。欧州では2020年モデルをもってカタログ落ちしており、待望の600SS復活となった。
気になる新型は、636cc並列4気筒とアルミツインスパーフレームなどの基本構成は現行型をベースとしつつ、主に排ガス規制への対応と外観のリファインを実施。カラーTFT液晶メーターも新採用している。
パワーは微減も低中速域が充実、走行モードも統合
エンジン内部パーツの変更で規制に対応したが、基本構成は従来型を踏襲。SFF-BP、クイックシフター、3モードのトラコン+2種類のパワーモードは同様だ
ZX-6Rは1995年に初代が登場。スーパースポーツ世界選手権などのレース規程で並列4気筒は排気量600cc未満が上限だが、2000年代から公道向けにチョイ足しの636ccを採用し、万能ミドルとして人気を博してきた。
現行型は2019年の登場で、国内仕様の2023年モデルは令和2年排ガス規制への対応リミット直前となる2022年10月1日に発売。現在もラインナップに残っている。
新型は、より厳格な排出ガス規制=ユーロ5(令和2年排ガス規制と同等)をパスするためにエンジンのカムプロファイルをはじめ、ファンネル、コレクターパイプなどを修正。スペックは現行の国内仕様が126ps/1万3500rpm、7.1kg-m/1万1000rpmなのに対し、新型は124ps/1万3000rpm、7.0kg-m/1万800rpmに。しかし、低中回転域のパフォーマンスは向上しているという。
さらにライディングモードを統合。スポーツ、ロード、レイン、ライダー (マニュアル)の4モードからトラクションコントロールとパワーモードを簡単に選択できるようになった。
足まわりはブレーキディスクを真円タイプに変更。従来は前後ともペータルディスクだったが、ZX-10Rのイメージを反映した。ディスク外径は前φ310mm、後φ220mmと変わらず。ラジアルマウントモノブロックキャリパーとラジアルポンプマスターシリンダーも従来型を踏襲する。
車重は197kg→198kgにアップ。ホイールベースなど多くの車体寸法は従来と同じだが、全高のみ1100→1105mmとなった。これはショートスクリーン(後述)によるものだろう。
デザインはZX-10Rのイメージを色濃く注入
モノフォーカスLEDに加え、深く設置されたリフレクターが陰影を強調し、精悍な表情を見せる。ウインカーは従来型ではサイドパネルにビルトインされていたが、新型ではヘッドライト横に移設
外観はアッパーカウルが小型化され、引き締まった小顔に。2眼ヘッドライトはよりエッジの立った形状に変更され、最上級モデルZX-10Rのイメージが濃くなった。従来サイドカウルにビルトインされていたフロントウインカーはヘッドライト脇に内蔵される。
さらにサイドパネルはより複雑なレイヤード(積層)構造となり、ダウンフォースを生みだすウイングレットの機能を持つ。なお、横から見るとカウル面積が減り、エンジンがより露出している。
スクリーンも新形状だ。ZX-10Rと同様、フロントカウルがスクリーン側面をサポートする形状で、両サイドの穴によりスクリーン後方の圧力上昇を緩和。高速走行時の乱流を軽減してくれる。
そしてカワサキが積極導入しているカラーTFT液晶メーターを採用。新たにスマホ連動機能も獲得した。
なお今回、USカワサキは国内で4月に発売されたエリミネーター(400)の451cc版も発表。ホンダのレブル500と真っ向ライバルとなるが、国内入荷は不明だ。
20周年のCBR600RRが鈴鹿8耐で大々的に新型発表か?
今や貴重なセンターアップマフラーを備える現行型CBR600RR。2022年11月から全面適用された国内の排ガス規制に適用しておらず、このままでは生産終了になってしまうが、新型が登場する!?
もう一方の雄、CBR600RRに関する独自情報もお届けしよう。
2016年の生産終了を経て、2020年にフルチェンジで復活。先代モデルをベースにIMU連携のABSやトラコン、ウイングレットなどを装備した。排ガス対応は当時の平成28年度規制(ユーロ4)で、欧州では販売されず、国内にのみ設定。当初から次期規制の令和2年度規制(ユーロ5)には対応しないとの噂があった。
ところが、デビュー20周年を迎える2023年内に新型が登場する模様。8月4日~6日に開催される鈴鹿8耐会場で、レースファンを前に新型を発表する可能性が高いようだ。
詳細は不明で、20周年モデルが設定されるかは不明。また、外観は変わらず、エンジン内部などを変更し、規制に対応するとの情報もある。もし20周年を祝うモデルが設定される場合、初代の2003年型カラーを復刻する可能性もあるだろう。
その根拠は、兄貴分のCBR1000RR-Rが30周年を迎えた2022年に、初代CBR900RRをイメージした記念車が設定されたからだ。
いずれにせよZX-6RとCBR600RRが規制をクリアし、当面走り続けることはファンにとって朗報だ。軽さとパワーを両立した600SSは、リッターSSよりずっと身近な存在。250からリッタークラスのレースにステップアップするライダーにとっても必要なモデルだ。ジャンル消滅の危機にありながら、何とか粘って存在し続けてほしい!
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みんなのコメント
大幅に変わったのは間違いないけどPC40型なのは変わらないんだから