F1第18戦メキシコGPの予選が行なわれ、バルテリ・ボッタス(メルセデス)がポールポジションを獲得した。
前戦アメリカGPから舞台を南方に移し、メキシコシティにあるエルマノス・ロドリゲス・サーキットにF1が2年ぶりに帰ってきた。全長4.304kmのフラットなサーキットには、DRS区間となる3つのストレート、スタジアムセクションを初めとする低速区間が配置されている。標高が高く空気が希薄なため、ハイダウンフォース仕様の空力パッケージを投入しても長いホームストレートでは車速が時速350kmを超えることあるのが特徴のひとつだ。
今回のメキシコGPにピレリから供給されているタイヤは5種類のコンパウンドのうち中間のC2(ソフトタイヤ)、C3(ミディアムタイヤ)、C4(ソフトタイヤ)。ダスティな路面コンディションも金曜日から大きく改善し、バンプはあるものの比較的タイヤへの攻撃性が少ないとされている。
14時を迎えた現地の気温は21度、路面温度45度と、FP3が行なわれた午前中よりも温かくなった。母国の“ヒーロー”セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)の凱旋ということもあり、サーキットに詰めかけた大勢のファンのボルテージは開始前から最高潮だ。
18分の予選Q1が開始。1回目のアタックでは、多くのドライバーがソフトタイヤを履く中、ウイリアムズ勢はミディアムタイヤを履いてアタックを敢行した。
各車が続々とアタックに入る中、最終コーナーの立ち上がりでランス・ストロール(アストンマーチン)が姿勢を乱しクラッシュ。マシンはアウト側のテックプロバリアに当たり、コントロールライン脇まで弾かれた。ストロールは自力でマシンを降りたものの、メディカルセンターへ運ばれた。
このアクシデントで赤旗が掲出され、各車はピットへ戻った。ピットレーン入口を過ぎた時点で赤旗となったため、キミ・ライコネン(アルファロメオ)は縁石を跨いで一度ピットへ戻ろうとしたが、これを諦めて再びコースに復帰。この行為は、セッション後の審議対象となっている。
コースマーシャルはマシン撤去とコース修復を行なった。しかしバリアのダメージはかなり大きく、いくばくかの時間を要したが、セッションは再開。クラッシュによりタイムを出せていなかったドライバーも多く、ほとんどのマシンは赤旗中断前のタイヤを継続して使用してアタックを行なった。
予選Q1では1セットのタイヤで3アタックを敢行したバルテリ・ボッタス(メルセデス)がトップ通過。16番手フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)以下、ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)、ミック・シューマッハーとニキータ・マゼピン(共にハース)、そしてクラッシュしたストロールがここで脱落となった。
トップ10入りを決める予選Q2のファーストアタックに、多くのマシンはミディアムタイヤを選択。一方、PU交換によりグリッド降格が決まっている角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)とエステバン・オコン(アルピーヌ)は新品のソフトタイヤを履いた。
予選Q2では、ルイス・ハミルトン(メルセデス)がミディアムタイヤを履いての2アタック目でトップタイムを更新し首位通過。マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)はソフトタイヤを履いた2度目のアタックでタイムを出すことなく予選Q3へと進んだ。
角田は1回目のアタックで3番手タイムを記録。タイヤ性能差を考慮してもチームメイトのピエール・ガスリーと同等のタイムと好調さを見せている。2回目のアタックでは、ミディアムタイヤのガスリーを牽引する役目を負い、長いホームストレートでトウ(スリップストリーム)を与え、ガスリーのタイムアップに貢献した。
予選Q2では、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)とキミ・ライコネン(アルファロメオ)、ラッセル、最終アタックでスピンを喫したアントニオ・ジョビナッツィ(アストンマーチン)、オコンがここで敗退となった。
ポールポジションを決める12分間の予選Q3では、1回目のアタックから各車は新品のソフトタイヤを投入。予選Q2でのアルファタウリ・ホンダ勢同様に、こちらもPU交換によりグリッド降格が決まっているランド・ノリス(マクラーレン)がチームメイトのダニエル・リカルドをホームストレートで牽引するチームプレーを行なった。
下馬評ではレッドブル・ホンダ優位と思われてたが、最初のアタックでメルセデスが1-2。ボッタスが1分15秒875をマークした。フェルスタッペンはハミルトンの後ろ3番手に留まり、無線で「リヤが滑っている」と不満を漏らした。4番手にペレス、角田のトウを使ったこともあり5番手にガスリーが並んだ。
セッション残り3分というところで上位2チームは再びコース上へ。各チームがトウを与え合うべく固まって走行を開始した。レッドブル・ホンダ勢は最終アタックでセクター1から自己ベストを更新していたものの、ターン11で前を行く角田に集中力を削がれたペレスがコースオフ。後ろを走っていたフェルスタッペンもそのあおりを食らい、ふたりはタイム更新のチャンスを逃した。
メルセデス勢もタイム更新ならなかったが、ボッタスがポールポジション獲得。メルセデスがフロントロウを独占した。
ボッタスは唯一の1分15秒台を記録し、ハミルトンに0.145秒差をつけてのポールポジション。フェルスタッペンがトップから0.350秒差の3番手、ペレスが4番手に終わった。
チームメイトのトウを武器にガスリーが5番手、リカルドがフェラーリの間に割って入る7番手に並んだ。
角田はチームプレーに徹しながらもトルコGPとアメリカGPに続いて予選Q3まで進出。9番手タイムをマークした。規定数を超えたPUコンポーネントを投入する4人の中では予選最上位のため、角田は17番手から決勝レースを迎えることになる予定だ。
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