ボディを軽々と引っ張る力強いトルク
休日の渋滞にはまだ時間が早いのに、道の流れが遅い。スリーコースト・ヴィンテージ・トラクター・ランという、トラクターのイベントに巻き込まれてしまった。
【画像】熱い走りを追求ゆえの荒削り ミニJCW 最新ミニ・トリオ オリジナルのモーリスも 全117枚
低い速度域でも、ミニJCWのエンジンからはターボの高音がうっすら聞こえる。スポーツ度の高いドライブモードでは、マフラーからバックファイヤーが放たれる。見た目が瓜二つの電動版より、確かに魅力は濃密。車重は320kgも軽い。
トラクターの一団へ別れを告げ、パワートレインを開放する。力強いトルクが、先代より僅かに大きくなったボディを軽々と引っ張る。速度域が上昇し、ダンパーへ掛かる負荷が増すと、乗り心地は落ち着いてくる。
目前に広がる景色へ、頬が緩む。起伏が大きい果てしない原野へ、アスファルトがうねるように伸びている。都心で毎日を過ごしている筆者にとって、夢のような眺めだ。ただし、羊の大群と時々出くわすが。
乗り慣れるほど、楽しさや鋭さへ繋がる
清浄な原風景へ、荒々しいミニJCWは少し不釣り合いかもしれない。丁寧にレストアされた、MGやヒーレーの方が相応しいはず。とはいえ、小柄で活発なハッチバックにとっても、完全なアウェーではない。そんな考えは、流れる景色とともにすぐに忘れる。
シャシーの限界へ迫れば、左右で変化するグリップ力を感じ取れる。今はなき、フォード・フィエスタ ST級の繊細さはないものの、ラフなマナーが固有の充足感を生む。
最高峰のドライバーズカーは、乗り手のレベルに応じて操れ、導くようにスキルを高めてくれる。対してミニJCWは、シャシーやパワートレインのチューニングに合わせて、操ることを求めてくる。
乗り慣れるほど、楽しさや鋭さへ繋がっていく。時間をともにするほど、荒削りな個性へ共感できるようになる。このクラスのライバルは、英国では遥かに従順なフォルクスワーゲン・ポロ GTI程度になってしまった。それと、好ましい対極だろう。
電動版へ勝るエンジン版ミニJCWの運転体験
車内空間は、現代のミニらしくデザインの意識が高い。内装素材にはコダワリを感じ、円盤状のOLEDタッチモニターが、ユーモアのセンスを象徴している。アップル・カープレイの表示が、一角の小さなエリアに限られるとしても、強みの一部といえる。
グリーン・モードへ切り替えると、タッチモニターへハチドリやチーターのイラストが描かれた。気持ちを穏やかに、趣ある漁村の小道をさまよってみては?と促すように。
エンジン版のミニJCWは、電気モーター版のそれより、勝る部分が少なくない。ワインディングやサーキットでの運転体験で、バッテリーEVはまだ追いついていない。もう少し時間がかかるだろう。航続距離も、気にしないでいい。
ノースヨークシャー州は、偶然との出会いや、道へ迷うことを楽しめる環境にある。敏腕ホットハッチも、ピタリとハマる。遠くない未来に、静寂の中で駆け巡る素晴らしさも、想像できたけれど。
番外編:途中のカフェも楽しみたい
ロンドンからは、スコットランドより遥かにアクセスしやすいノースヨークシャー州。クルマで目指す場合は、高速道路を頼ることになるだろう。
その道中にはガソリンスタンドが沢山あるが、「カー&コーヒー」というクルマ文化を体現した施設も増加中。その中の1つ、グレートブリテン島中部のリーズへ位置する「ザ・モータリスト」は、年中無休のオススメスポットだ。
ホテルだけでなく、整備用のガレージや洗車場を利用でき、毎週、訪問者を楽しませるイベントが開かれている。お望みなら、結婚式を挙げることもできるらしい。
ノースヨークムーアズ国立公園の南、ピカリングにある「NY500」も良い。すべてのクルマとバイクを歓迎する家族経営のカフェだと、自ら主張しているほど。幹線道路から近く、屋根に先代のミニが載っているから、すぐに発見できるはず。
ミニ・ジョン・クーパー・ワークス(JCW/英国仕様)のスペック
価格:3万3265ポンド(約659万円)
全長:3876mm
全幅:1744mm
全高:1432mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:6.1秒
燃費:14.7km/L
CO2排出量:154g/km
車両重量:1405kg
パワートレイン:直列4気筒1998cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:231ps/5000-6000rpm
最大トルク:38.6kg-m/1500-4000rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)
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