サメを意識したデザインが特徴的
7年ぶりのフルモデルチェンジとなったメルセデス・ベンツCLSが6月25日に発表された。メルセデス・ベンツデザインの基本思想「Sensual Purity(官能的純粋)」に基づいた、流麗な4ドアクーペだ。
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フロントグリル下部の幅が広がる台形型デザインが特徴の新型CLSは、ところどころシャープでエッヂの効いたデザインを取り入れ、スタイリッシュなクーペを演出している。会場を訪れたダイムラー社 乗用車エクステリアデザイン統括のロバート・レズニックさんは次のようにコメントした。
「デザイナーという人間は、未来や将来を考えて発想しています。これから4~5年先のことを見据えて、デザインをしているのです。クルマをデザインするだけではありません。2004年に登場した初代のW219が、今のメルセデス・ベンツのデザインアイコンになっています。素晴らしいクルマでした。FRを採用していながらオーバーハングを短くして、キャビンも後方へ押し出したようなデザインとなっています」
「2代目となるC218が2011年に登場しましたが、プロポーションやホイールべースは初代と同じでした。違いはグラフィックなラインを取り入れたことでした」
「さて新型CLSですが、リーフシャーク(オグロメジロザメ)からアイデアが浮かびました。ホホジロザメよりも長さが短く、俊敏な動きをするところから、CLSの形そのものがスピードを表しています」とコメント。横から見ると、長く見えて、前から見るとスポーティに見せる。近代的なこの手法は、この後のモデルにも採用されていくことだろう。
CLS 220d スポーツにはEクラスと同じ2リッター直列4気筒ブルーテックエンジンを搭載。最高出力は194馬力を3800rpmで発揮し、最大トルクは400N・mを1600~2800rpmで発生する。
また、CLS 450 4MATICスポーツは、新型直列6気筒エンジンとトランスミッションの間にISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を搭載。ISGユニットは、最高出力16kW、最大トルクを250N・m発生する電気モーターで、オルタネーターやスターターの役割を持っている。これにより低回転時でも電力補給ができ、効率よく力強い加速を実現する。エンジンの最高出力は367馬力を5500~6100rpmで発揮。最大トルクは500N・mを1600~4000rpmで発生させる。
インテリアを見ていこう。12.3インチワイドディスプレイを1枚のガラスカバーで表現したCLSは、水平基調のデザインを採用。ステアリングはSクラスと同じデザインとし、ハンドルから手を離さなくてもナビや車両設定が行える「タッチコントロールボタン」や「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(自動再発進機能)」を操作するスイッチも備える。そして、なによりこれまで4人乗りだったCLSが5人乗りとなったことにも注目したい。
安全面もSクラスセダン同様のシステムが全モデルに標準装備されている。従来よりもステアリングアシストが作動する状況が大幅に拡大。例えばシステム起動時に高速道路上で自動停止した場合、30秒以内であれば自動再発進が可能となり、渋滞時のドライバーの疲労を低減させる、そのほかにも「アクティブレーンチェンジアシスト」はドライバーがウインカーを点滅させた場合、行き先の車線に車両がいないことを確認して自動車線変更を行う。ほかにも下記の安全システムを採用している。
・渋滞時緊急ブレーキ機能 ・アクティブエマージェンシーストップアシスト ・アクティブブレーキアシスト ・緊急回避補助システム ・トラフィックスサインアシスト ・アクティブレーンキーピングアシスト ・アクティブブラインドスポットアシスト ・被害軽減ブレーキ付き後方衝突警告システム ・ドライブアウェイアシスト ・アクティブパーキングアシスト ・リモートパーキングアシスト ・マルチビームLED
新世代のデザインと最先端の安全装備を備え、さらに魅力が増した3代目CLS。これからのメルセデス・ベンツを牽引していく1台となるだろう。
また、発表会場にはフォトグラファーであり映画監督の若木信吾さんが登場。フォトグラファーから見ると新型CLSはどのように映るのか気になるところ。若木さんは「森林に持ち込んだら、ボディの曲線にどう反射して映り込むのか気になってました。実際に持ち込んでみたら、ボディ色が陽によって変わる感じもすごくキレイだと思いましたね」と若木さんはコメントした。
新型CLS 220d スポーツは790万円、CLS450 4MATICスポーツは1038万円となっている。
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