昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。今回は昭和60年発売のスバル アルシオーネだ。
驚異のCd値 0.29を誇った斬新なスタイリング
スバル アルシオーネ VRターボ:昭和60年(1985年)6月発売
アルシオーネの語源は、スバル(おうし座)星団でひときわ輝いている星「アルキオネ」を英語読みしたものだ。つまりアルシオーネはスバルのフラッグシップを意味していた。FFや4WDでは市場をリードしてきたスバルが、独創性と国際性を意識して作った本格パーソナルツーリングカーだ。
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イメージリーダーカーを意識して作られただけに、空力的にも機能美としても斬新だ。ベースとなったのは、2ドアクーペボディだった。スバルが得意とした飛行機づくりの技術を活かし、徹底したフラッシュサーフェス化と、思い切ったウエッジシェイプ型で、空気抵抗係数でCd値は0.29を示し、高速ツアラーであることを強烈にアピールしていた。
昭和60年(1985年)の発表時は、全グレードに1.8Lの水平対向4気筒SOHCをEGI制御して135ps/20.0kgm(グロス)の最高出力を発揮するターボエンジンが搭載されていた。1987年7月のマイナーチェンジ時には、ライバルの排気量アップに合わせて、日本初の水平対向6気筒 2.7Lを搭載した2700VXを追加している。4WD・VXという1グレードだけで、電子制御4速AT、ACT-4、電子制御エアサスペンションなど、先進メカを多数採用している。
VXに搭載されたER27型は、当時国産唯一の水平対向6気筒エンジンだ。2.7LのSOHCは、最高出力150ps/5200rpm(ネット)、最大トルク21.5kgm/4000rpmを発生。パワーウエイトレシオは8.7kg/psとなるが、スペック的には大した数値ではない。爆発的な加速力は味わえないが、フラット6の特徴である高回転まで滑らかなエンジンフィールがウリだった。また軽量コンパクトなエンジンは、コーナリング時の旋回性の良さにも貢献していた。
駆動方式は、FF/4WDの2種類を採用していたが、サスペンションはオーソドックスな前:ストラット式/後:セミトレーリングアーム式のコンポーネンツを両駆動タイプに用いている。VRターボには電子制御式エアサスペンションも用意され、ハイトコントロール機能など、珍しい機能を盛り込んだ豪華な装備が売り物だった。
スバル アルシオーネ VRターボ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4450×1690×1335mm
●ホイールベース:2465mm
●重量:1120kg
●エンジン型式・種類:EA82型・水平対向4 SOHCターボ
●排気量:1781cc
●最高出力:135ps/5600rpm
●最大トルク:20.0kgm/2800rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:185/70R13
●価格:225万円
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